「さかなのこ」この映画、大好きです!普通って何?好きな事を突き通せば道は開けるんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「さかなのこ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

小学生のミー坊は魚が大好きで、寝ても覚めても魚のことばかり考えている。父親は周囲の子どもとは少し違うことを心配するが、母親はそんなミー坊を温かく見守り、背中を押し続けた。高校生になっても魚に夢中なミー坊は、町の不良たちとも何故か仲が良い。やがてひとり暮らしを始めたミー坊は、多くの出会いや再会を経験しながら、ミー坊だけが進むことのできる道へ飛び込んでいく。

というお話です。

 

 

お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。

高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいた。不良と呼ばれている生徒たちも、ミー坊には親愛の情を抱いていた。幼馴染のヒヨくんも狂犬と呼ばれていたが、ミー坊にはいつものヒヨくんだった。



 

魚の事は詳しいが勉強が出来なかったミー坊は、進学はせずに、お魚の仕事を色々と経験してみたが、どれも自分には合わない。夢は”お魚博士”だったが、そんな仕事は見つからなかった。

熱帯魚屋のお仕事を手伝いながら、ある日、酔っぱらって、商店街のシャッターにお魚の絵を描いたミー坊を、高校の友達の総長が見つける。友達の協力があり、お魚に詳しいミー坊のことが世に知れ渡っていく。お魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、ミー坊だけの道へと飛び込んでゆく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、すっごく好きです。面白かったぁ。私は、こういう映画、大好きです。やっぱり、沖田監督の映画は裏切らないなぁ。とても気持ちの良い映画でした。沖田監督の持つ優しさと、主演ののんさんの温かさが相乗効果を生み出して、自由でしあわせな世界を創造していました。さかなくんが、今、好きな事を続けていられるのは、こんなに沢山の人の愛情を受け取っていたからなんだということと、さかなくん自身にも、愛が沢山あったのだという事が、よく解りました。

 

まず、キャスティングが素晴らしいですね。それこそ”普通”なら、さかなクンなので、男優さんを使うだろうと思うけど、彼の雰囲気を出せる人ということで、のんさんを持ってくるというのが、素晴らしいと思いました。この天然水みたいに透んだ美しさを持つ人って、のんさん以外、いないですもんね。のんさんが演じると、それこそ”普通”って何?っていうセリフがピッタリくるんです。男女なんて関係無い。そこに”居る”のが、さかなクンであり、ミー坊なんだよっていうことが、のんさんだと受け入れられて、何の違和感もなく、映画を観れました。本当に良かったです。

 

 

さて、内容に行きましょうか。さかなクンの半生って、本当に面白いですね。きっと、もっと苦しんだり、悲しんだりすることもあっただろうけど、魚に夢中になることで、それを克服してきたんだろうなって思えました。小学生の頃から、何故か魚(最初はタコです。)に夢中になり、その事ばかりを追求するようになっていきます。きっと、アスペルガー症候群があると思うのですが、昔はこういう事に病気の診断などは無かったので、そのまま普通に育っていきました。アスペルガーは記憶力が良く、知能も高めが多いようなので、天才的といえば天才的なんですよね。

 

アスペルガーは、コミュニケーション能力に問題があるので、周りから孤立したり、いじめにあったりが多々ありますが、ミー坊は周りを巻き込んで、本当に楽しそうに魚の話をするので、誰もがミー坊に好意を持っていくんです。これは、人柄だと思いました。お母さんが温かく育てたのでしょうね。天真爛漫で、誰の事もまったく疑わないんです。だから、誰もがミー坊に惹かれて、助けたくなってくる。そんな人物でした。

 

 

高校生になると、好き勝手するミー坊に不良が絡みますが、ミー坊は我が道を行くなので、結局、不良たちも一緒になって魚を捕まえたりしちゃって、友達になっていきます。総長のお爺さんに貰ったカブトガニを学校で飼育する場面があるのですが、そこが良かったなぁ。学校で人口飼育に成功しちゃうという快挙を達成し、新聞に載ったりするんです。このカブトガニの赤ちゃんが、凄く可愛いんですよ。まだ卵の中でクルクル回っている姿は、本当に愛らしいの。カブトガニが天然記念物じゃなければ、飼ってみたいなぁ。

 

 

今思うと、高校生の頃に不良というか、悪さをしていた人間の方が、人生に成功していると思うのは私だけかしら。オバサンになって思うと、優等生だったり勉強が出来た子って、結局、何者にもならずだけど、メチャやってた奴らって、道を踏み外してる子もいるけど、大成している子もいるんです。自分の好きな事に突っ込んでいく勢いがあるというか、勇気があったんだろうな。親の言う通りに優等生やってたら、それこそ何も無い人生だけど、踏み外してみたら世界が広がったんだと思うんですよ。ミー坊だって、普通には収まらず、自分の好きな事を突き進んだから、さかなクンがいる訳でしょ。やっぱり”普通”って言葉に囚われるのは良くないのかなと思いました。

 

 

高校を卒業して、色々な仕事を転々としているミー坊の前に、幼馴染のモモコが現れます。モモコはOLを辞めて、ホステスとして働いていて、一人娘を育てていました。昔と変わらずに魚を愛してやまないミー坊に、年相応の”普通”にならないと、という感じの事を言うのですが、ミー坊は”普通ってなに?”って言うんです。ここで、あ、”普通”っていう言葉って、人それぞれ違うのだから、人に押し付けちゃダメよねって、気が付くんです。人それぞれ、育ってきた環境も考え方も、何もかも違うんだから、それぞれの普通があって良いんですよ。ミー坊の普通は、魚と生きるって事でしょ。

 

 

この場面を過ぎると、凄く観ていて楽になるんですよ。それまでも、楽しいんだけど、本当にミー坊はこれでいいのかな?って心配になるんだけど、「これでイイのだ!」っていう気持ちになるのよ。そこら辺の構成が、上手いなぁと感じました。

 

その後、段々とミー坊の快進撃が始まるのですが、それは、映画を観てください。ミー坊の人柄の良さが、自身の身を助けていきます。みんな、ミー坊が大好きなんです。解るなぁ、こんな友達がいたら、尊敬しちゃうもん。勉強は出来ないかもしれないけど、魚に関しては誰にも負けない、そんな素晴らしい能力を持っている。そして、それを両親も友達も助けてあげたくなるような人柄で、いつも明るいって、イイよね。

 

 

私、さかなクン、ご本人様も好きですもん。魚の解説も凄く解りやすくて、一番良いと思うのは、魚を研究材料と思うのではなく、友達として、そして栄養となる食料として、ちゃんと受け止めている事。綺麗ごと言って、可哀想だから食べないとか言うのは、やっぱり間違っていると思うんです。共存しているからこそ、しあわせが手に入るのではないかなと思います。

 

あまりにも、この映画、素敵だったので、またも、ダラダラと書いてしまいました。ごめんなさい。だって、面白かったんですもん。映画グッズも買っちゃいました。ハコフグちゃんのマスコットも可愛いけど、お気に入りはヒラメちゃん。このビジュアル、他で見ませんもん。(笑)

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。私はとても好きです。お気に入りの1本になりました。のんさんがかわいい!黒目が大きくて、見つめられるとドキドキしちゃうよね。いつまでも性別なんて関係無く、のんさんとして頑張って欲しいです。この映画は、親子でも観て欲しいな。子供が何かに夢中になってくれたら、応援してあげて欲しいと思う今日この頃でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「さかなのこ」