「あの娘は知らない」心がやわらかくなる優しい映画でした。寄り添う優しさって大切ですよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「あの娘は知らない」

を観ました。公開は、9月23日です。

 

Fan’s Voice独占オンライン最速試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

海辺の町で旅館を営む若い女性・中島奈々。幼い頃に家族を亡くした彼女は、自分の気持ちを誰にも打ち明けずに淡々と日々を過ごしていた。9月上旬、休業中の中島荘に、藤井俊太郎という青年が訪ねてくる。俊太郎は1年前に恋人を亡くしており、彼女は死の直前に中島荘に宿泊していたという。俊太郎は恋人の死を理解するため彼女の足跡をたどって町をさまよい、奈々はそんな彼といつしか行動をともにするようになる。

というお話です。

 

 

海辺の町で旅館を営む若い女性・中島奈々。幼い頃に家族を亡くした彼女は、自分の気持ちを誰にも打ち明けずに淡々と日々を過ごしていた。

9月上旬、休業中の中島荘に、藤井俊太郎という青年が訪ねてくる。俊太郎は1年前に恋人を亡くしており、彼女は死の直前に中島荘に宿泊していたという。俊太郎は恋人の死を理解するため彼女の足跡をたどって町をさまよい、奈々にも、彼女の事を覚えていないか訪ねていた。



 

奈々は、覚えている事を俊太郎に伝え、いつしか行動をともにするようになる。彼女が行った場所や、訪ねたであろう店、観光地など、一緒に周ればまわるほど、俊太郎は、自分が彼女を知らなかったことに気が付いて行く。

そして奈々も、自分が内包していた隠れた部分に気が付いて行き、その喪失感を俊太郎と重ねていく。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、井樫監督の長編2作目で、レプロエンタテインメント主催の「感動シネマアワード」というプロジェクトのグランプリを受賞した企画の映画化だそうです。

 

たまたま、私自身が弱っている時だったからなのか、映画の温かさがじんわりと染みてきて、凄く気持ちが柔らかくなりました。喪失感を持った男女が、思い出を辿りながら、その寂しさを埋めていく姿が描かれている内容でした。現代の映画なんだけど、スマホやら、そういう現代的なものが使われておらず、でも、それが自然に見えて、違和感が無いんです。なんか、不思議だけど素敵な映画でした。

 

 

海辺の町の旅館に、ある青年・藤井が訪ねてきます。その日、旅館は休業中なのですが、「恋人が亡くなる前にこの旅館に泊まったようで、どうしても泊まりたい」と言うんです。そう言われちゃったら、可哀想で泊めてあげちゃいますよね。旅館は中島奈々という女性が営んでいて、既に両親も亡くなり、自分と従業員でやっているようでした。

 

藤井の恋人が1年前に亡くなって、死の直前に、この中島荘に泊まっていたことを知って、訪ねて来たようでした。彼女の事を覚えていますかと聞き、奈々は宿泊台帳に書かれた彼女のページをみせて、彼女と出会って、話しをしたことなどを伝えます。その日から、藤井は町を歩いて周り、彼女が見た景色を辿っているようでした。

 

 

奈々は、藤井の寂しそうな顔を見ながら、何となく気になり、観光地などを一緒に案内するようになって行きます。さりげなく案内しましょうかと言って、一緒に寄り添ってくれるって、本当に優しい気持ちですよね。寂しさや苦しさなど、色々なものを背負っている人に、そっと寄り添うって、大切だと思うんです。だって、一人じゃ辛いでしょ。そんな時に、ちょっと話を聞いてくれて、相槌を打ってくれるって、気持ちが和らぎますよね。

 

藤井は、そんな奈々に感謝しながらも、段々と知っていく恋人の現実を知り、自分が何も恋人の事を知らなかったんじゃないかと思い始めるんです。でもね、人なんて解らないですよ。どんなに愛し合っている人でも、心の中は解らない。その解らないことも含めて、愛していればいいんだと思うんですけどね。だって、自分の事を相手に理解させようなんて傲慢な事、しないでしょ。どんなに好きでも、それぞれの人間なんです。

 

 

そして、藤井に寄り添いながら、奈々も、自分がずっと内に秘めてきた苦しみや辛さがあることに気が付きます。今まで、必死で仕事をして、生きてきて、それに向き合う事をしてこなかったんだと思うんです。自分の中にもあった喪失感。それを感じて、藤井の喪失感と共に、段々と昇華させていく姿が、何とも言えずにジーンときました。こういうのって、言葉で言い表すのが難しいですね。でもね、奈々がずっと泣くのを我慢してきたんだろうなって思えて、そこに藤井が居てくれて、良かったなって思いました。

 

 

誰にでも、辛い事や悲しい事って起きるでしょ。直ぐには無理かもしれないけど、誰か寄り添ってくれる人がいて、一緒に、その喪失感を感じてくれたら、そこで苦しみは楽になるんじゃないかなって思いました。寄り添うって、大切ですよね。でも、難しいです。辛い時って、一人でいたい時もあるでしょ。そのタイミングや時間が難しいですよね。だから、本当に、こういう出会いって奇跡的なもので、亡くなった人が引き合わせてくれているのかなとも思うんです。それって、なんかしあわせになってねって言われているみたいでイイですよね。

 

そんな事を感じられる映画でした。76分の映画でしたが、まとまっていて、とても観やすいです。それに、主演の福地さんと岡山さんが、本当に良い演技をしてくれています。このお二人を見ていると、それだけで空気が柔らかくなります。私、ホントに岡山天音さん、好きなんですよねぇ。彼のような役者、他にいませんもんね。貴重です。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。素敵な映画だと思いました。特に、弱っている私には、優しさが沁みる映画でした。まだ、上映館が少ないみたいですが、こんなに良い映画なら、これから増えるんじゃないかなぁ。夏の暑さバテで疲れている時に観ると、とても癒される映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「あの娘は知らない」