「異動辞令は音楽隊!」
を観てきました。
ちょっと、記事のアップ時間が遅くなりましたが、身体の様子を見ながら、好きな時間に書いて、アップしていきたいと思います。好きな事を書くことで、ストレスの解消になっているので、これからもお願いします。
ストーリーは、
部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬司。高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中で、令状も取らず強引な捜査を繰り返した結果、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。不本意ながらも音楽隊を訪れる成瀬だったが、そこにいたのは覇気のない隊員ばかりで・・・。
というお話です。
「今の警察は馬鹿ばっかだ」とボヤく、成瀬司、55歳。犯罪捜査一筋30年の鬼刑事で、一言目には「コンプライアンスの厳守」と行動を制限してくる上層部と何かとぶつかっていた。世間は今、アポ電強盗事件に揺れていた。主犯に心当たりがある成瀬は、その男の手下と睨むチンピラの西田を締め上げ、違法行為ですと非難される。
そんな中、本部長の五十嵐から異動辞令を言い渡される成瀬。「音楽隊に行ってほしい」と言われて耳を疑う。五十嵐はハラスメント対策室に届いた、「成瀬に対して精神的圧迫を感じている」という投書が理由だと答える。
バスに乗って辿り着いたのは、緑に囲まれた田舎町。ボロボロの小屋が音楽隊の事務所で、隣の教会が練習場だ。刑事課では会ったことのないはぐれ者たちの群れに迷い込んだと気付き、愕然とするのだった。刑事としてのキャリアを完全に否定された成瀬はガックリと肩を落とす。数週間後、漁港で開かれた市民フェスティバルでの演奏は、成瀬を筆頭にメチャクチャ。指揮者の沢田は、列席した知事から「税金の無駄遣いだ」と責められる。
ある日、成瀬の弱い姿を見たサックスの春子は、「音楽と同じですよ。ミスしてもまわりがカバーすればいいんです」と声をかける。翌日から、成瀬は吹っ切れたように、ドラムの練習に打ち込む。すると隊員たちも感化されて、音にも心にもハーモニーが生まれていく。
新たな居場所を見つけた成瀬だったが、例の知事の話を聞いた五十嵐が「音楽隊は次の定期演奏会を最後に廃止する」と宣言。果たして、成瀬たちは音楽隊を守ることができるのか?そんな時、新たな事件が起きてしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、内容は、こうなるだろうなぁと予想した通りだったのですが、考えていたより感動的でした。鬼刑事が音楽をやるというので、もっと、ごちゃごちゃするのかと思ったけど、結構、スマートに馴染んで行ったので、驚きでしたね。
清野さん演じる来島が上手く持って行くように構成してあって、認知症のおばあちゃんと娘が絡み、音楽を受け入れるようになっていく様子が、良く出来ていたと思いました。不器用な男という感じが、よく出ていたなぁ。
阿部さんの刑事役って、「新参者」シリーズの加賀を思い出すんですけど、あちらだとスマートで頭脳戦タイプなんだけど、今回の成瀬は頑固オヤジタイプで、どこまでも自分の考えを曲げないんですよ。だから、周りが付いて行けなくなるんです。それって、刑事っていう仕事でなくても、ダメでしょ。仕事って、一人でやっているんじゃないんだから。だから、上司に楯突いたのも原因の1つだけど、やっぱり刑事課にはいられなかったんじゃないかな。
刑事側の様子は、あまり描かれませんが、有能な刑事は居なさそうでしたね。現実だと、もっと科学捜査が進んでいるハズなので、あんな荒っぽい犯罪の犯人がいつまでも捕まらないなんて、ちょっとあり得ないと思いました。さすがに、電話をしてお金の起き場所を聞いて、直ぐに押し入る強盗って、1回やれば、みんな警戒するでしょ。こういう事がありますよって、警察も呼びかけるよね。それでも電話でお金の在りかや金額を言っちゃうって、どれだけ警戒心が無いんですか。ちょっとあり得ませんよね。
そんな刑事の仕事を離れ、音楽隊にやってきた成瀬は、音楽隊なんてってバカにして来るんです。そうすると、実は、他の隊員の方たちも、あまりやる気が無さそうなんですよ。通常、ここで隊員の方たちに”バカにすんな!”って一発、ガツッと言われるかと思うけど、やんわりなんですよ。そんな中、一人だけ、木島さんが真面目にやりましょう的に頑張っているんです。
隊員の方たち、色とりどりで良かったですよぉ。今回も、渋川さんがイイ味出してましたねぇ。あと、指揮者の沢田役の酒向さん、いつもしっかり観ていてくれるような雰囲気で、こういう優しい役をして下さるのが好きだな。犯人役より好きです。モトーラさんも可愛かったなぁ。こういう元気な役、素敵です。高杉さんも、ちょっと捻くれてて良かったです。脇を固めている役者さんが、今回はすごく良いんですよ。どの人物にも目が行くようになっていて、楽しめました。
警察の音楽隊って、兼任なんですね。驚きました。よく、横浜の記念日やイベントなどで、神奈川県警の音楽隊の方々の演奏を見たことがあるのですが、上手いなぁって思いました。兼任であそこまで出来るんだから、凄いと思います。
映画の中で、音楽隊が要らないみたいな話が出るんだけど、私は、そういう部署は、絶対に必要だと思うなぁ。だって、警察っていうと、どこか堅くて、近寄りがたい雰囲気があるでしょ。でも、音楽隊とかがあると、少し近づけて、何か相談出来るかもっていう気持ちになりますもん。もちろん、犯罪捜査も大切だけど、地域の人々の相談相手となってくれる警察であって欲しいなと思います。
映画の中で、警察官でも、色々な悩みがあって、ジレンマもあって、それでも踏ん張って頑張っているんだ、という様子を描いているような場面もあり、カッコいい警察官という姿より、人としての警察官を描くように心がける演出なのかなと思いました。なので、警察の映画なんだけど、ちょっと温かさがあって、良い雰囲気でしたよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。気軽に観に行ける、楽しい映画でした。あまり難しい内容でもなく、気持ちよく観ることが出来ました。阿部さんの作品は安心して観ていられます。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「異動辞令は音楽隊!」