「アキラとあきら」
を観てきました。
ストーリーは、
父親の経営する町工場が倒産し過酷な幼少時代を過ごした山崎瑛と、大企業の御曹司だが次期社長の座を拒絶し血縁のしがらみに抗う階堂彬。同じ名前を持つ2人は運命に導かれるかのように、日本有数のメガバンクに同期入社する。人を救うバンカーになるという熱い理想を持つ山崎と、情を排して冷静に仕事をこなす階堂。正反対の信念を持つ2人は真っ向から対立し、ライバルとしてしのぎを削る。
というお話です。
父親の経営する町工場が倒産し過酷な幼少時代を過ごした山崎瑛と、大企業の御曹司だが次期社長の座を拒絶し血縁のしがらみに抗う階堂彬。同じ名前を持つ2人は運命に導かれるかのように、日本有数のメガバンクに同期入社する。
人を救うバンカーになるという熱い理想を持つ山崎と、情を排して冷静に仕事をこなす階堂。正反対の信念を持つ2人は真っ向から対立し、ライバルとしてしのぎを削る。
しかし山崎は、ある案件で自らの理想と信念を押し通した結果、福山に左遷されてしまう。一方、順調に出世する階堂の前にも、親族同士の争いという試練が立ちはだかる。
それから数年後、左遷先で成績を伸ばした山崎は、本社へと返り咲く。銀行のトップが集まる本社で、その力を認められた山崎は、あるプロジェクトチームに抜擢されるが、そんな時、階堂グループの倒産危機が持ち上がる。突然に階堂の父親が倒れ、亡き人となってしまった。
それまで親族同士の争いを続けてきた階堂家。東海郵船、東海商会、東海観光というグループでありながら、バラバラの経営でお互いの足を引っ張っており、負債が膨らんでいた。無理なリゾート事業に手を出し、グループは今にも倒産という状態であることを、階堂彬は知ったのだった。
ライバルである階堂の危機を知った山崎は、ある決断をすることに。そして階堂も、自分の人生を左右する決断をする。ここで再び、アキラとあきらの運命は交差する。後は、映画を観てくださいね。
この映画、すっごい面白かったです。キャスティングも上手いですね。竹内さんと横浜さん、これは当たり役と言って良いのではないでしょうか。私には、ピッタリに見えました。WOWOWでも、ドラマ化されているので、そちらを思っていたら、映画が先になってしまって、比べられていないのですが、私の脳内”アキラとあきら”は、この二人に決まってしまったような気がします。それくらい、お二人が上手かった。
もちろん、他のキャストの方々もピッタリでした。特に塚地さんが演じている父親の部下・保原が良かったなぁ。もう、本当に柔らかい人柄が欲出ていて、出番はほんの少しなんだけど、印象に残りました。ほんの少しと言えば、満島さんの銀行行員も良かったなぁ。一瞬だけど、忘れられない人です。そしてあきらの上司の不動役の江口さん。彼の”銀行とは”という固い演技が、この舞台が銀行なのだという事を表現していて、とても解りやすかったです。さすが、軽い役でも固い役でもこなすベテランですね。
もう、キャスティングが最高なので、映画、面白かったです。原作は、まだ読んでおらず自宅の本山に積んであるので、これから読みたいと思っていますが、また違った面白さがあるんだろうなぁ。
この映画、あきらとアキラが銀行に入行したところから始まります。もちろん、お互いに背負った宿命があり、子供の頃の様子も描かれていました。そして、二人とも東大卒であり、入行最初のイベントのようなもので対峙し、その能力の高さを見せつけます。銀行って、こんなシュミレーションを何度もやっているんですかね。でも、やって無かったら、解らなくて、経営者たちに騙されちゃいますもんね。ちょっと銀行の凄さに驚きました。
そんなトップクラスの二人は、お互いの信念により、経歴が分かれていきます。あきらは、貸す相手の身になって考えて動くというタイプですが、アキラは、利益を追求し、銀行の信念に基づいて行動するタイプです。全く違うので、差が付いて行くのですが、あきらは自分の信念をつき通して、利益を上げていき、アキラのいる本店へ戻ってきます。
ここら辺を見ると、あきらの能力の高さというか、このあきらという人物と関わると、騙せないなぁと人間は思ってしまうのではないかという”人たらし”の性質に気が付きます。彼を前にすると、嘘が付けなくなりそうでしたもん。そこら辺は、竹内さんの上手さだなと思いました。
一方、アキラは、完璧と言って良いほどの正確な業務を行っているのだろうと思えるようでしたが、それが自分の家族の会社となると、違ってきてしまいます。アキラの父親が倒れて、負債が明らかになるという展開なのですが、これ、通常なら潰れてますね。リゾート開発などという箱ものに手を出したら、まず、再建は無理でしょう。一度潰して、立て直す方が、余程、経営者も楽だと思います。よく、会社は三代目で潰すと言われますが、本当です。会社を創るという苦労を知らないと、お金の使い方が解らないのだろうと思いました。これ、他人事じゃなくて、私の実体験も入っています。私は潰した本人じゃないですけどね。(笑)
そんなアキラの会社を、何とか立て直そうと、あきらとアキラが奔走するのが、この映画の見どころなんです。よく考えられていると思いました。これなら、もしかして上手く行くこともあるのかもしれません。まぁ、コロナ後の今、難しいとは思いますが、やってみる価値はあるのかなと思いました。
これ、演出も良かったのかしら。あきら場面と、アキラ画面が、バンバン交錯はするのですが、違和感が無いんです。スッと受け入れられるし、こういう銀行と会社とのやり取りって、凄く難しいんだけど、とても解りやすく解説して、展開させてくれていたと思います。お金のやり取りって、説明だけで済まされちゃうと、解らないまま進んでしまうという事がありがちですが、今回は、素人にも解りやすく説明してくれていたので、何の問題も無く、あー、そうかって思えて、楽しめました。
三木監督というと、どーもラブストーリーとか、優しい映画の雰囲気ですが、こういう社会派の映画を撮っても、とても解りやすくしてくださっていて、万人が見やすい映画を作って下さるんだなという印象が残りました。こういう映画も、これから撮影して欲しいな。もちろん、”TANG”や”夏への扉”みたいな、優しい映画も好きだけど、難しい事を難しく見せないというところが、素晴らしいと思いました。本当に、解りやすくて、カッコいい映画に仕上がっています。
竹内さんと横浜さん、これで若手トップと呼んで良いんじゃないかな。どんなスキャンダルがあっても、演技が確実で、この人しか出来ないだろうと思わせるようになったら、外せませんもん。特に竹内さん、この見た目が真っ直ぐに見えちゃう感じは、他にいませんもんね。ちょっと体育会系だけど頭が良さそうで清潔感があるって、難しいんですよ。本人が作った容姿じゃないだろうけど、貴重だと思います。横浜さんも、目が鋭そうに見えて、”こいつデキるな”って思わせる感じは特別ですよね。このお二人、イケメンと言うだけではないので、これからも需要は多いと思いました。
この映画、本当に面白かったです。超!超!超!お薦めしたいと思います。誰が観ても解りやすく、きっと子供でも、言葉の解説をしてあげれば解るんじゃないかな。こんなカッコいい銀行マンの映画を観たら、銀行マンになりたいと言って、東大に入ってくれるかもしれません。それくらい、面白いと思える映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「アキラとあきら」