「NOPE ノープ」
を観てきました。
ストーリーは、
田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。
というお話です。
南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。何世代も前から、その地で牧場を営み、ハリウッドでの撮影に馬を貸し出していたOJの一族。今は父親が調教師として、馬を撮影場所へと連れて行き、お金を稼いでいる。
ある日、牧場で馬の調教をしていると、突然に空が暗くなり、何かが上から落ちてくる音がする。空からコインや鍵などの金属が降り注いでいるのだ。驚いたOJが見たのは、馬から落ちる父親だった。空から落ちてきた金属が父親を直撃したのだった。
父親の死は飛行機部品の落下による衝突死とされ、事故死と処理されてから半年。牧場を受け継いだOJは、父親が死ぬ前に、一瞬だけ目にした飛行物体を忘れられずにいた。妹のエメラルドに話すと、それが本当なら、飛行物体を撮影してネットに上げれば”バズる”のではないかと考え始める。
エメラルドが監視カメラの映像などを調べると、その飛行物体が近づくと、電子機器が全て止まるらしい。デジタルでは撮影が難しいと知ったエメラルドは、以前出会ったカメラマンに電話をし、凄い映像が撮れるかもしれないと誘って、アナログのフィルムで撮影出来るように準備を整える。
一方、飛行物体は、OJの牧場の近くにあるテーマパークを襲い、沢山の人々を犠牲にしたらしい。おかしなことが起こっているとニュースになり、その内、マスコミが殺到するだろうことが予想され、早く撮影をしなければいけない。
飛行物体は、止まった雲の中にいることが解り、OJが誘い出す手立てを考える。そして、飛行物体が苦手なモノを調査し、とうとう撮影を実行に移す時が・・・。後は、映画を観てくださいね。
本当はIMAXで観たかったんだけど、まず通常上映で観ました。うーん、面白かった。ジョーダン・ピール監督らしい、何とも言えない不思議な映画です。飛行物体が出てきて、最初は、「未知との遭遇」っぽいのかななんて思いながら観ていたのですが、全く違いました。これ、飛行物体だからUFOだよねって話じゃないんです。
ネタバレは出来ないんだけど、ちょっと考えがつかないような展開でした。映画としては、未確認飛行物体が現れて襲ってくるから、何とか撮影しようって話で、相手の弱点を探り、何処にいるかを調査し、どうしたら撮影出来るのかを考えるという事だけなんですけど、相手がとんでもなく大きくて、予測が出来ないということなんです。
映画の中で、あるTV番組の事故の出来事が描かれていて、それはタレント動物のチンパンジーを使ってのコメディなんだけど、何が気に障ったのか、チンパンジーが暴れ出すという事故なんです。それと似たような感じで、OJがハリウッドで馬の撮影に参加するんだけど、動物って、自分の身を守る為に攻撃するでしょ。後ろに立たれれば蹴るし、目に光を当てられれば嫌がりますよね。人間が、いくら指示をしても、言う通りにはならないんです。
そして、この未確認飛行物体。これだって、人間と意志の疎通など出来ないのだから、どう動くのかなんて解りませんよね。相手が何なのか解らないのですから、予測も出来ないし、こちらの希望なんて知る由もない。そんなモノが、自分の土地の上に住み着いてしまったら、どうしましょうって事なんです。
OJは、馬に乗って、敵を翻弄するのですが、馬は人間に寄り添って、ある程度は意志の疎通が出来ます。でも、飛行物体とは解り合えることは無いし、近くのテーマパークが襲われたのを見ると、人間を捕獲しているのか、食べているのか、よく解らないけど、一度捕まると、二度と戻ってこれないことが解ります。野生動物って、恐いわよねぇ。飛行物体が何なのかは解らないけど、宇宙人が乗っていて人間を餌にしているなら全面戦争になるはずだし、もし飛行する禍威獣的なモノなら、そりゃ、ウルトラマンに来てもらわないとねぇ。(笑)でも、ウルトラマンは、日本にしか来ないので、アメリカでは人間に頑張って貰わないとね。
映像での恐怖が凄いです。ずーっと空しか映らないんですよ。そして、時々、ササッと黒い丸いモノが横切るという感じで、何処までも恐怖が拡大していくんです。それこそ、「ゲット・アウト」や「アス」で描かれたような、じわじわと恐怖が拡大していくという感じです。周りから追い詰められて行き、どうしようも無くなり、敵を見定めて戦い始めるという感じなんです。そのじわじわ感が、何ともイヤな感じでした。もちろん、それが面白いんですけどね。
そして、ある程度、敵が解かってくると、直視しなければ襲われないのかもしれないと判ってきます。何で直視?と思うけど、まぁ、観て頂ければ分かるかな。この映画、日本人には受け入れられ易いんじゃないかな。だって、禍威獣は日本にしか現れないでしょ。もう禍威獣に慣れている訳だから、変な飛行物体でも、ふーんって受け入れられそうな気がしました。禍特対もいるしねー。
なので、この飛行物体、正体は不明です。ジョーダン・ピール監督作品のいつもの感じで、何で?っていうことが、そのまま残ります。それを、観た人がどう受け取るかで、また楽しみ方も違うのかな。私は、こういうの好きですけどね。
最後に、映像は素晴らしいです。きっとIMAXで観た方が美しいんじゃないかな。広がった空に不思議な物体が浮かんでいるという映像が観れるので、綺麗だと思います。迫ってくる感もハンパないです。私は、最後の方で、敵がちょっとモグモグしているところが、可愛いかなーと思いました。ザラブ星人の口?って思っちゃった。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は楽しめましたが、人によっては賛否があると思います。全てがスッキリ解決とならないので、それが嫌だという人には、ダメかもしれません。私のように、少しハスから観て、日本ならウルトラマンに来て貰えば解決するのになぁとか、そんな感じでゆるーく観て頂ければ、楽しめるんじゃないかな。あ、でも、ギャグコメディ映画ではありません。本当にホラー映画です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「NOPE ノープ」