「ぜんぶ、ボクのせい」
を観てきました。
ストーリーは、
児童養護施設で暮らす優太は、ある日偶然母の居場所を知る。母に会うため施設を抜け出す優太だったが、たどり着いた先で見たのは、同居する男に依存し自堕落な生活を送る母の姿だった。海辺を歩く優太は、軽トラックで暮らすホームレスの男・坂本に出会う。坂本は何も聞かず優太を受け入れ、2人はわずかな日銭を稼ぎながら寝食をともにするようになるのだが。
というお話です。
児童養護施設で暮らす13歳の中学生、優太は、施設でも学校でもいじめられ、いつも一人ぼっち。自分を理解してくれる大人もいない。母・梨花が迎えに来てくれることだけを心の支えに毎日を過ごしているが、一向に現れず不安を募らせていく。
そんなある日、偶然母の居場所を知った優太は、会いたい一心で施設を抜け出し、地方に住む母のアパートを訪ねる。ようやく再会するも、同居する男に依存し自堕落な生活を送る母は、優太に施設へ戻ってほしいと頼むのだった。
絶望した優太は、施設の職員の追手を逃れ、当てもなく辿り着いた海辺で、軽トラで暮らすホームレスの男・坂本に出会う。何も聞かず自分を受け入れてくれる坂本。二人でわずかな金銭を稼ぎながら寝食をともに過ごす。
ある日、坂本の元を訪れる少女・詩織とも顔見知りになる。詩織は、近くの高級住宅地に住み裕福な家庭に育つも、誰にも言えない苦しみを抱え、空虚感を埋めるかのように援助交際をしていた。
優太は自分と同じ寂しさを抱えながらも心優しい詩織に惹かれていく。孤独を抱えた二人と過ごしていく中で、優太は自由気ままに生きる坂本をいつしか会ったことのない父親の姿と重ね合わせるようになる。そして優太は、軽トラの修理が終わったら坂本と一緒に名古屋に行くことを約束する。
しかし、そんな穏やかな日々もある事件によって終わりを告げる。(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
うーん、この映画、人間の汚い面を良く描いていて、子供が大人によって、翻弄されていく姿が描かれているんですけど、辛い映画だったなぁ。ちょっと、しんどい映画でした。観ていて「何でなんだよぉ~!」って、叫びたくなりましたもん。
児童養護施設で暮らしている優太は、いつか母親が迎えに来てくれると、ずっと待っているんです。もう中学生なのにですよ。私、思うのですが、子供には残酷だと思うけど、小学校高学年の年齢になったら、親から連絡がある、無いを知らせて、”あんたの親はクズだから。”とは言わないまでも、親に期待をするなという事を言ってあげた方が良いと思うんです。何年も期待して待っているのは可哀想でしょ。
例えば、親が、仕事の関係とか、貧困とかで、児童養護施設に預けたけど、一緒に暮らしたいと思っているなら、頻繁に連絡を取るでしょ。それに、逢いに来るよね。だけど、連絡しない、逢いに来ないなら、それは諦めた方が良い親だと思うんです。無駄に子供に期待をさせるのは、残酷だと思いませんか。自分が子どもの立場だったら、早めに言って欲しいです。だって、親を待たずに、その場所での生き方を早く考えられるでしょ。いつまでも待って、最後は一人で施設を出て行くのは辛いですよ。
行政の対応もずさんだと思うけど、まぁ、この優太の母親もクズでしたね。ニュースなどで見る、子供を殺しちゃう親と同じです。自分の子供より、男が大切ってなんなの?この映画を観ていて何となく解ったけど、相手の男は悪くないんです。母親が悪いんだよね。母親が子どもに愛情を持っていないから、噛み合わないんです。この映画で気が付きました。相手の男は別に、子供なんてどうでも良いんです。母親が面倒を見さえすれば、何の問題も起きないけど、母親が一切子供に興味を持たないから、邪魔者になっていってしまうんです。恐いと思いました。
優太は、養護施設を抜け出して母親に逢いに行くのですが、拒絶されてしまい、養護施設の職員を呼ばれてしまいます。施設に連れ戻されるのが嫌で、その場を逃げ出すことになります。まぁ、そうだよね。母親が迎えに来てくれると期待して、施設にも全く馴染まなかったんだから、帰りたくないだろうと思いました。
この映画、ちょっとおかしいのが、優太が逃げ出しても、施設関係者が一切探さないんです。この後、オダギリジョーさんが演じる、トラックで寝泊まりしているホームレスの男と出会って、そこで暮らし始めるのですが、そこに少年が一緒に住んでいると、近所で話題になっていても、誰も保護しに来ないところが、ちょっとあり得ないと思いました。まず、施設から逃げ出した子供を捜さないのもおかしいし、ホームレスの男の所に子供が一緒に住んでいたら、警察が事情を聞きに来るでしょ。誘拐かもしれないのにね。おかしいなぁと思いました。
他にも、幾つかおかしな部分が多く、子供の心情などは良く描かれていて、素晴らしいと思ったけど、展開が問題のような気がしました。あれだけ、寝泊まりしているトラックにいたずらされたら、警察だって、見て見ぬ振りではなく、トラックを移動させようとか、ボランティアに連絡するとか、何かすると思うんですけどね。いくら田舎町だからって、犯罪をやりたい放題ってことは無いでしょ。ちょっとその辺りを、ちゃんと描いていただきたかったかな。ま、必要無いと思ったのかもしれないけど、観る方は、違和感が残りました。
ラストの部分でも、きっとこれでベストな終わり方だと思っての事だろうけど、全くはっきりせず、観ているとモヤモヤして嫌な気持ちのまま帰ることになりました。このラストは、印象付けには良かったと思いますが、あれはどうなったの?これはどうなったの?というような気持ちが残ってしまいました。それは観た人それぞれが考えれば良いんだろうけど、どーもシックリ行きませんでした。出演者は、有名どころの素晴らしい方々だったのですが、勿体ないなって思っちゃった。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。子供の心情などの描き方は、良く出来ているし、面白かったと思います。でも、ちょっと違和感が残るのと、終わってもスッキリしないという部分が、何とも、唸ってしまうかなと思いました。良い映画だとは思います。私が感じきれなかった部分を、皆さんは感じてきてください。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ぜんぶ、ボクのせい」