「戦争と女の顔」話題のロシア映画ですが、観て落ち込みました。暗くて苦しい映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「戦争と女の顔」

を観てきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦に女性兵士として従軍したイーヤは、終戦直後の1945年、荒廃したレニングラードの街の病院で、PTSDを抱えながら看護師として働いていた。ある日、発作のせいで面倒をみていた子どもを死なせてしまう。そこに子どもの母親で戦友でもあるマーシャが戦地から帰還。彼女もまた、イーヤと同じように心に大きな傷を抱えていた。心身ともにボロボロになった2人の元女性兵士は、なんとか自分たちの生活を再建しようとするのだが。

というお話です。

 

 

1945年、終戦直後のレニングラード。第二次世界大戦の独ソ戦により、街は荒廃し、建物は取り壊され、市民は心身ともにボロボロになっていた。史上最悪の包囲戦が終わったものの、残された残骸の中で生と死の戦いは続いていた。

多くの傷病軍人が収容された病院で働く看護師のイーヤは、PTSDを抱えながら働き、パーシュカという子供を育てていた。身体の大きなイーヤは、突然に発作が起きて身体が動かなくなる後遺症があり、仕事中に動けなくなると、そのまま何分も固まったままになってしまう。



 

ある日の夜、パーシュカと遊んでいると、子供を抱えた瞬間に発作が起きてしまう。動きたくても動けないイーヤは、そのまま子供を押さえつけてしまい、窒息死させてしまう。

ショックで茫然としていたイーヤの前に、子供の本当の母であり、戦友のマーシャが戦地から帰還する。彼女もまた後遺症や戦傷を抱え帰ってきたのだ。そんなマーシャにパーシュカの死を知らせ、悲しむ二人だったが、生活を再建する為に出来ることをやり始める。

しかし、戦争の爪痕は強く残っており、ふたりを明るい場所へ連れ出してくれるとは到底思えない日々が続き・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、話題にはなっているけど、あまり観て気持ちが良い作品ではありませんでした。戦争が終わっても戦争での出来事は消えないので、ずーっと彼女の人生に付いて周って、苦しみは続いて行くというお話なんです。凄く理解は出来るのですが、とても辛いです。戦争での痛手は、男も女も一緒だけど、女性は性の問題をも抱えてしまうので、男性よりも苦しいです。酷いお話でした。

 

看護師のイーヤは、従軍をしていたのですが怪我のために戦地を離れ、レニングラードに戻ってきたんです。そして、PTSDを抱えながら、子供を育てています。最初の情報を聞いただけだと、戦地で医療スタッフとして働いていたのかなーとか思いますが、話しが進むにつれて、段々と違うことが解ってきます。

 

 

そして、戦地から子供を連れて帰ってきたのですが、その子供はイーヤの子供ではなく、友人のマーシャの子供でした。マーシャに連れて帰ってと頼まれたらしいんです。そして、大切に育てているのですが、自分の病気のせいで、子供を死なせてしまいます。イーヤの病気は、発作が起きると、身体が固まってしまい、自分の意志では動かせなくなってしまう事なんです。なので、立ったまま固まってしまう事もあるし、本当に恐ろしい病気なんです。

 

ある日、子供と遊んでいる時に、子供を抱きしめた拍子に発作が起きてしまい、絞め殺してしまうんですよ。これは可哀想だと思いました。凄く可愛がっていたのに、自分の腕の中で殺してしまうなんて、これは心が壊れてしまいますよね。それでも患者の為に、仕事を続けるイーヤ。見た感じ、イーヤは戦争で、既に精神的に大きなダメージを受けていて、ほとんど人と話さないし、あまり目に意志が無いようでした。それだけ、戦争は恐ろしかったのでしょう。

 

 

ひとりになったイーヤの前に、マーシャが戦地から帰ってきます。でも、マーシャの子供は死んでしまっていて、イーヤは申し訳なくて、彼女のやる事に文句が言えなくなります。マーシャは、イーヤの借りている部屋に同居することにし、その上、自分が見つけた男を連れ込みます。大家に嫌がられて、イーヤは文句を言われますが、マーシャには男を連れてくるなと言えないんです。

 

マーシャは自分の意志がとても強い女性で、戦争が終わったので、幸せな人生を掴もうと、イイ男を選んで結婚しようと思っているんです。凄く貪欲な女性に見えたけど、戦争で、苦しんできたのだから、これからは自由で幸せな生き方をしたかっただけなんだろうなと思いました。

 

 

そんなマーシャとイーヤは、とても対照的。イーヤは、静かに暮らせれば良いと思っていて、誰も自分の生活に巻き込みたくないと思っているように見えました。でも、マーシャの登場で、ずーっと振り回されることになり、でも文句が言えないので辛い反面、子供が居なくなってから、本当は誰かに一緒に居て欲しかったという気持ちもあり、嬉しい部分もあるように見えました。

 

細かい部分は省きますが、この2人の女性は、それぞれに幸せを手に入れたいと思っているけど、結局、いつまで経っても、戦争の傷跡を引きずって、新しい生き方をすることが出来ないというお話なんです。描いている事は本当の事だし、戦争で慰安部隊的なところで働いていたのなら、上流階級の人と出会ったって、結婚は出来ませんよね。そういう、リアルな描写が、とても心に突き刺さりました。イヤな映画だったなぁ。解ってはいても、観ていてしんどくなりました。

 

 

戦争はやっちゃいけません。人を不幸にするだけで、誰も幸せにならないんです。そういう事を描いていて、良い映画なんだと思うけど、あまり観たい映画では無かったなぁ。男性は、そんなに思わないかもしれないけど、女性は、ショックを受けると思います。戦闘能力が高くて戦争に参加しているならともかく、兵士を癒すための道具にしか使われないというのが、どうしても納得出来ないんです。第二次世界大戦時は、そんな考え方だったんだろうけど、今聞いても、腹が立ちます。

 

あまり最後の方はネタバレになるので、詳しく書けないのですが、観て、気持ちの良い映画ではありません。でも、戦争の恐ろしさは良く描かれていたと思います。ロシアは、戦争はダメだと判っていながら、何で、またウクライナと戦争をするんですかね。もちろん、解ってはいるけど、でも気持ちの面で理解が出来ません。不幸になるだけなのに。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。但し、観た後に、気分が悪いと思います。気持ちが沈む映画だと思って観てください。前もって、落ち込む映画だと思って観れば、少しは持ちこたえられるかもしれません。この映画は、ハシゴして観る映画ではないので、観たら真っ直ぐに帰ってくださいね。でないと、息切れするんじゃないかな。私は、ちょっと息切れしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。(映画は楽しめないけど、映画館を堪能してください。)(笑)カメ

 

 

「戦争と女の顔」