「コンビニエンス・ストーリー」を観てきました。
ストーリーは、
スランプ中の脚本家の加藤は、恋人ジグザグの飼い犬・ケルベロスに脚本執筆の邪魔をされ、ケルベロスを山奥に捨ててしまうが、後味の悪さからケルベロスを探しにふたたび山へと入っていく。その途中でレンタカーが突然故障し、助けを求めるために人を探すと、霧の中にたたずむコンビニ「リソマート」を見つける。店員の惠子に助けられ、惠子の夫でコンビニオーナーの南雲の家に泊めてもらうことになった加藤は、とりあえず難を逃れたかと思われたが、その時すでに、彼は現世から切り離された異世界に入り込んでしまっていた。
というお話です。
スランプ中の売れない脚本家、加藤は、ある日、売れない役者で恋人のジグザグの飼い犬“ケルベロス”に執筆中の脚本を消され、腹立ちまぎれに山奥に捨ててしまう。
ジグザグに追求され、後味の悪さから探しに戻るが、そこにケルベロスの姿は無く、その上、レンタカーが突然故障して立ち往生してしまう。
助けを呼ぼうとするも、回りは霧が立ち込め、当てもなく探してみると、霧の中にたたずむコンビニ「リソーマート」を見つける。
コンビニで働く妖艶な人妻・惠子に助けられ、彼女の夫でコンビニオーナー南雲の家に泊めてもらう事に。惠子の誘惑に惑わされ、トラックは消えてしまい、森の中にクラシック音楽が鳴り響く。不思議な世界に迷い込んだのかもしれない。そして、あるコンビニで起こったという凄惨な殺人事件の話しを聞き、それを元に脚本を書いて送ると、直ぐに映像化の話しが舞い込む。
気を良くした加藤だが、恵子との事が夫にバレて、恵子と逃げることになり、何故か死者の魂が集う温泉町に辿り着いてしまう。加藤はすでに現世から切り離された異世界にはまり込んだことに気づいていなかった。後は、映画を観てくださいね。
三木監督の不思議ワールド映画でした。ちょっと夢オチ系の内容かな。私は、こういう感じのブラックファンタジーは好きです。ただ、ちょっと最後に物足りない感が残るかな。
主人公の加藤が、犬の餌を買いに行ったコンビニで、ある事故に巻き込まれて入り込んでしまう世界が、この不思議なコンビニがある世界です。よく特撮ヒーローの戦闘で使われるような荒地に、ポツンと立つコンビニに入ると、ちょっと不気味な南雲夫婦に出会うんです。
奥さんの恵子は、ちょっと妖艶な感じで加藤に迫ってきて不気味なんですけど、なんたって前田さんが演じているから、どこか魅力的で抗えない感があるんです。夫を演じているのは六角さん。もっともっと不気味なので、こんな不気味な夫の妻には、絶対に手を出さないだろうと思うけど、加藤はどうしようもなく、恵子に手を出してしまうんです。
おかしな世界だから、笑っちゃうんだけど気持ち悪くて、何か起こるんじゃないかった感じなんです。そんな世界から出れなくなった加藤を、彼女のジグザグの依頼で助けに来る人がいるんです。でもね、どうして助け残れるのか、なんでジグザグが不思議な世界にいる事を知ったのか、全く解らないんです。
というか、ジグザグが生きている世界も、どこかおかしくて、映画のオーディションでも、撮影時も、なんたって映画監督が渋川さんで、プロデューサーが岩松さんですよ。胡散臭そうでしょ~。こちらの世界も変な世界なんじゃないかって思えちゃうんです。
そうそう、加藤は脚本家なんですね。でも、スランプ中のようで、作品が全然浮かんでこなくて苦しんでいるのですが、その異世界に行って、南雲夫婦と知り合って、ある事件の話を聞くんです。名前を忘れちゃったんだけど、コンビニエンスストアで惨殺事件があったというお話で、ニュースにもなったと言われて、コンビニの雑誌を見ると、確かにその事件が書かれていて、直ぐにネットで調べると、確かにそんな事件が存在するんです。
その事件を元に、加藤は脚本を書いてプロデューサーに送ると、直ぐに映像化しようという話になるんだけど、プロデューサーが”奥さんだけ生き残っている”というんです。ちょっとここで、あれ?変だなって思っちゃったのですが、奥さんだけ生き残っているという事は、恵子は生死の境を彷徨っているという事で、加藤と出会うのは解るんだけど、なんで夫の南雲が出てくるのかなと不思議でした。という事は、南雲は恵子の想像だけの人物で、実は既に”あちら”に渡ってしまっているのかなと思いました。だから、森の中で一日中、指揮棒を振っているのかなと。
この映画、そういう、あれ?と言う部分が幾つもあって、スルメのような映画なのかなと思いました。再度、考えて、あれは何だったのかなという部分を掘り下げていくと、なんか面白いぞって感じなんです。さすが三木作品という感じでしょ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと不思議ちゃん映画だけど、私は楽しめました。でも、ちょっとスッキリしない部分があるので、それを良しとするかで、賛否があるかなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「コンビニエンス・ストーリー」