「ハーティー 森の神」
を観てきました。
ストーリーは、
人里離れた深い森で、野生のゾウの群れを見守りながら暮らすスミトラナンダン。森を愛し、動物たちと家族のように暮らす彼は、人々から敬意をこめて「森の神」と呼ばれていた。しかしある日、役人の後ろ盾を得た大企業が森を占拠し、リゾート開発を始めてしまう。森とゾウたちを守るため開発を阻止しようとするスミトラナンダンは、同じ森に暮らす仲間たちが当局や開発企業に対してゲリラ的な戦いを挑むなか、あくまで平和的な解決方法を模索する。しかし、その努力もむなしく、ゾウたちの暮らしていた場所は失われてしまう。それを見たスミトラナンダンは、身を賭した最後の抗議を決意する。
というお話です。
人里離れた深い森で、野生のゾウの群れを見守りながら一人暮らす男スミトラナンダン。森を愛し、動物たちと家族のように暮らすこの男のことを、人々は敬意を表して“森の神”と呼んだ。
ある日、大臣の後ろ盾を得た巨大企業が、彼の住む森を占拠し、リゾート施設の開発を始めてしまう。直ぐに法的に工事を差し止めるが、ゾウ使いの男が書類を破いてしまった為に、企業は工事を再開してしまう。
森とゾウを守るため、開発を阻止しようとする森の神だったが、逆に罠に嵌められ、投獄されてしまう事態に。刑務所の中でも、警察に嫌がらせをされ、苦しむことになってしまう。
一方、同じ森に住む仲間たちが当局に対しゲリラ的な戦いを挑み、森ではゲリラと警察の戦いが始まってしまう。警察はゲリラの士気を下げるため、ゾウを狙撃するに至ってしまう。
釈放された森の神はあくまで平和的な解決方法を模索し続けるが、その努力も虚しく、森は高い塀で囲まれ、ゾウが暮らしていた場所は奪われてしまう。水飲み場も奪われ、瀕死の状態のゾウたち。森の神は身を賭して最後の抗議を決意するのだが。後は、映画を観てくださいね。
久しぶりのインド映画だと思って、楽しみに観に行ったのですが、あまり面白くなかったなぁ。ただ、長いだけで、内容が薄いんです。自然破壊や、政財界の腐敗などを、切り込んで描いてくれているのかと思ったのですが、ただ、権力の乱用をしているだけで、頭を使っている部分が無くて、表面的なだけなんです。
森の神と呼ばれるスミトラナンダンが、森を守っています。その森は、昔、彼の一族が所有していた土地でしたが、自然を守るという約束の元で、国に譲渡されているんです。ですから、その森は、今は国有地なんですね。その国有地の一部を高級リゾート地として開拓し、外国からの金を集めようという計画を大臣が立てて、それを建設業者と組んで進めるという話なんです。酷いでしょ。大臣だから、警察も自分の思い通りに動かして、酷いことをしていくんです。
公的機関が全て的になってしまったので、森の神は味方がいなくなってしまいます。森の住民は力の弱い人々だし、ゲリラだって、最新の武器を持った警察にはかないません。昔の日本のドラマみたいに、ここまでするか?って言うほど、力の強い方が、弱い方をとことん虐めるんです。えげつないほどそれをやるので、ちょっと、観ていて、あまり気分の良いモノではありませんでした。
そして、イラッとした要因がもう一つ。主人公は森の神なのですが、俺も主人公だって感じで、ゾウ使いの男が出てくるんです。名前は忘れてしまいました。自己中で、何の考えも無しに自分の仕事が無くなると困るからと言って、書類を破いたり、子供のゾウに労働をさせたりするんです。ゲリラの女性を好きになって、一方的に付きまとったり、最悪男でした。この男の場面を消していれば、この映画、もっとしっかりと問題を定義した作品になっていただろうし、時間も、1時間半くらいで収まったんじゃないかな。一番の無駄な部分でした。
それと、音楽をずっと流していたり、風景を写したりする場面が多く、眠くなっちゃって、大変でした。だって、その部分は何の意味も無いんですよ。ゾウの生活を写すとか、人々の生活を写すならまだしも、ただ、何となく、雰囲気で流しているだけの部分なんです。監督からすれば、何か意図があったのかもしれないけど、私は、ただ、眠いだけでした。
それにしても、インドって、警察の権限が強いんですね。だって、森に棲んでいる人々を陥れたり、ゲリラたちは平気で殺しちゃったりするし、森の神に対しては、拷問までしていて、ビックリしました。いつの時代だよって思っちゃいました。高級リゾートのデザインを見たり、スマホを持っていたりしたので、現代の設定だと思うんですけど、あまりにも治外法権で驚きました。大臣がこんな事をしていたら、マスコミに叩かれて、直ぐに辞めさせられると思うんだけどなぁ。
ゾウさんたちについて書かなくちゃね。ゾウさんたちは、森の中で静かに暮らしていたんだけど、その森の中を移動して生活をしているんです。同じ場所にいたのでは、食料が無くなるからだと思うのですが、その移動するゾウ道の途中の水場を、リゾートにしてしまうという計画で、コンクリートの60cmの厚さの壁を7km作ったって言ってたかしら。高さは7mくらいに見えたな。その壁の上には、高圧電流を流した鉄線を回してあるんです。いくらゾウさんでも、それは突破出来ないでしょ。壁を前にして、泣いている姿が可哀想でした。
そんなゾウさんたちを助けるために、森の神は必死で訴えるという映画です。主旨はよい映画なのですが、内容が伴っていなくて、とても眠くなる映画でした。あまりに長くて辛かったです。
私は、この映画、あまりお薦めしたくありません。インド映画好きでも、これはどうなんだろう。主演の方は、有名なようですが、無駄な脇役が多くて、誰がメインなのかも、途中で解らなくなったりして、うーん、困った映画でした。悪いとは言いません。自然は美しく撮れているし、笑える部分もありました。でもねーって感じです。気になった方は、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ハーティー 森の神」
