「今夜、世界からこの恋が消えても」
を観てきました。
ストーリーは、
高校生の神谷透はクラスメイトに流されるまま、同級生の日野真織に嘘の告白をする。しかし彼女は「お互い本気で好きにならないこと」を条件にその告白を受け入れ、2人は付き合うことに。やがて真織は、自分が前向性健忘症で、眠るとその日の出来事をすべて忘れてしまうことを透に打ち明ける。彼女は毎朝、前日の日記を読み返すことでどうにか記憶をつなぎ止めていた。透はそんな真織と1日限りの恋を積み重ねていくが・・・。
というお話です。
クラスメイトを虐めから助けるため、虐めをしていた奴らから言われるままに、真織に嘘の告白をした透。しかし彼女は笑顔を見せて、条件付きで付き合う事を承諾します。その条件とは、「放課後になるまでお互いに話しかけないこと。」「連絡のやりとりはできるだけ簡潔にすること。」、そして「お互い絶対に本気で好きにならないこと。」の3つ。
その日から、付き合い始めた神谷透と日野真織。真織の親友・綿矢泉が心配して、透に「真織と本当に付き合うのか。」と問い詰めるが、本当だと返して、気にしないことにする。真織は透の事を知りたいといい、質問攻めにして、メモを取る。不思議に思いながらも真織との時間を楽しく過ごす透だった。そんな日々が続き、距離を縮めていくふたり。
あるデートの日、公園で透の作ったお弁当を食べた後に、真織はうたた寝をしてしまう。目が覚めた真織は全てを忘れていて、透の事も解らない。逃げ出した真織は泉に電話をして状況を知ると、そこへ徹が駆けつけてくる。真織は透に自分の病気の事を告白する。
「病気なんだ私。前向性健忘って言って、眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部。」彼女は、その日の出来事を日記に記録して、朝、目覚めたときに復習することで何とか記憶を繋ぎとめていた。
透は、公園デートでの出来事を日記に書かなければ、僕は君の病気を知らないままだと話し、真織に日記に書かないようにと言い聞かせる。その日ごとに記憶を失ってしまう彼女のために、日記が楽しい出来事で溢れるようにと、一日限りの恋を積み重ねていく日々。
しかし、ある時突然、しあわせな時間が途切れる出来事が起きて・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、ジャニーズの子が主演と聞いて、ちょっと引いていたのですが、原作が良さそうなので観に行きました。そしたら、凄く良い映画でした。道枝くんは、頑張っていたと思います。上手いとは言えないけど、でも優しそうな笑顔は良かったです。福本さんは、若手ながら上手いですね。表情が解りやすくて、観ているこちらに伝わってくるので、良いと思いました。そして、一番凄いと思ったのは、泉役の古川さんです。最近、よく見る俳優さんだと思っていたのですが、こんなに魅せる演技が出来るんだと驚きました。これから楽しみな女優さんですね。
お話が良かったなぁ。健忘症モノと言えば「50回目のファーストキス」が有名かな。他にも何作かあるけど、今回も良かったです。最初は、また健忘症かぁ~なんて思っていたけど、このお話は、泣けたなぁ。健忘症って、本人も辛いけど、周りも辛いですよね。ご両親も大変だなぁと思ったけど、友達の泉ちゃんは、いつも気にかけていて、真織を守ってくれているんです。そして、彼女が苦しむことを出来るだけ減らそうと、辛い役目を引き受けたりして、本当に可哀想でした。でも、誰かがやらなきゃいけない事だし、大変ですよね。友達のためにここまで出来る泉は、素晴らしいと思いました。
この健忘症って、何がどうなって、眠ると忘れることになってしまうんでしょうね。まだ、人間の記憶に関しては、あまり解明されていないのかな。簡単に言うと、その日の記憶はメモリ部分に保存してあって、普通ならハードディスクに書き込んで記録となるけど、メモリ部分だけしか機能していないから、再起動すると忘れてしまうという事ですよね。そこの伝達機能がマヒしちゃっているんだろうけど、治療は出来ないのかな。ちょっとした事だろうと思うんですけどね。人間の身体は、まだまだ不思議が一杯なのかな。
透の家族の話も出てくるのですが、母親が透の小さい頃に亡くなってしまい、小説家志望の父親は、その時からやる気を失くし、透と姉で家事をしていたんです。姉は、賞を貰うような有名小説家になり、家を出て行き、家事は透が一人でやっていたので、透は料理も上手くて、お弁当も作ったりするんです。姉を松本穂香さんが演じていて、この役、良かったなぁ。ちょっとしか出てこないんだけど、印象深くて、若い彼らの中で、唯一、しっかり立っていて、安心出来る存在でした。
ネタバレ出来ないから、感想書くの辛いなぁ。結構、この内容だと、ネタバレ出来ないと、感想が難しいんです。だって、バレちゃうんですもん。うーん、でも、頑張ります。
最初、真織が出てきて、楽しそうに高校を卒業するんだけど、そこに透はいません。そして真織も何も覚えていないようでした。でも、何か忘れているようなモヤモヤがあります。そして、部屋を掃除していると、クロッキーブックを見つけて、そこに、透をモデルにした絵が沢山描いてあるんです。でも、真織はそれが誰か気が付かない。そんな場面から始まり、過去の真織と透の楽しかった日々が描かれて行きます。じゃ、透は何処に行ったのか。それは、映画で確認してください。一体、二人に何があったのか、お楽しみに。
この映画を観ていたら、忘れてしまうのは辛いけど、でも、忘れた方が良い事もあるのかもって考えました。年を取って、認知症になってしまえば、本人は解らないんだから、楽になるのかなと思ってしまいます。忘れるまでは、忘れるのが怖いと思うけど、忘れちゃえば、恐い事も解らないですもん。人間の脳は、そこら辺、上手く出来ているのかもしれません。
思っていたよりも、とても良く出来た映画でした。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。こんなに感動させられるとは思いませんでした。こうなるだろうと予想が出来てしまう展開なのに、何故か、感動してしまうというのは、やっぱり監督が上手いのかな。俳優さんも上手かったんだと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「今夜、世界からこの恋が消えても」
