「グッバイ・クルエル・ワールド」
の試写会にお誘いを受けて行ってきました。
ストーリーは、
互いに素性も知らない5人組の強盗組織が、ラブホテルで秘密裏に行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功する。強盗たちは金を山分けし、それぞれの日常に戻っていった。しかし、金を奪われたヤクザが刑事を雇い、強盗を本気で追い始めた。分け前をもらえなかった強盗のひとりと、情報を流したラブホテルの従業員も加わり、金に群がるクセ者たちの大波乱の物語が始まる。というお話です。
夜の街へとすべり出す、水色のフォード・サンダーバード。カーステレオから流れるソウルナンバーをBGMに交わされるのは、「お前、びびって逃げんじゃねーぞ」と物騒な会話。
互いに素性を知らない一夜限り結成された強盗団の5人。彼らが向かうのは、さびれたラブホテル。片手にピストル、頭に目出し帽、ハートにバイオレンスで、ヤクザ組織の資金洗浄現場を“たたく”のだ。仕事は大成功。大金を手にそれぞれの人生へと戻っていく。
はずだった・・・。この話を持ってきた若い女と入口の見張りを任されていた男に、十分な金を渡さなかったせいで、そこから足がついてしまう。
ヤクザ組織と組織に雇われた警察が動き出し、段々と強盗団の人間の素性が割れて行く。ひとり、またひとりと、狙われ、追われていく。
金の匂いに群がるクセ者たち。もはや作戦なんて通用しない。クズ同士の潰し合いが始まる。最後に笑う、いや生き残るのは誰だ。後は、映画を観てくださいね。
この映画、出だしは普通の強盗事件に見えるんだけど、成功して終わってからが、本当のお話なんですよ。お金を奪われたヤクザ組織が、凄い情報網で探して行くんです。彼らは、探す為に、警察組織の刑事を飼っていて、そいつに探させるんです。日本の警察システムは、結構凄いので、顔を見ている人間がいれば、大体見つかるようでした。うーん、凄いなぁ。
この刑事、その昔にヤクザに何か秘密を握られてしまい、それで脅されて、仕事をやらされているんです。賄賂かなんかを貰っていたんだと思うけど、酷いでしょ。それに、この刑事、腕が良いみたいで、人を見抜くのが上手いようでした。出来る刑事だったから、ヤクザに狙われて、罠に落ちちゃったんじゃないかな。まぁ、お金も好きだったんだろうけど。
そんな情報網なので、何のかんの言いながら、みんな見つかっちゃうんですよ。見つけ出す為に、罠も仕掛けたりして、ヤクザの頭の良さに驚きました。こんなに頭が良いなら、悪い事しないで、儲ければいいのにね。真っ当な仕事をしたら、儲かると思いますよ。
で、強盗をした人間を、ひとりづつ、見つけ出して、追って行くんです。それも、出来るだけ自分たちの手を使わずにやるところが、また頭が良いんですよ。一番、手間がかからず、責任も回ってこないってことなのかしら。
強盗を行った5人は、それぞれお金を手に入れるんだけど、ほとんどをメインの3人が受け取ったんです。でも、その中で、切実にお金が必要だったのは、1人だけで、他の2人は、何のためにお金が欲しかったのかしら。その辺りは、あまり描かれないんです。強盗をしたって事と、ヤクザの報復にあうということが、この映画のメインのお話なので、細かい事は飛ばしちゃうんです。でも、十分に面白かったんですけどね。
この映画は、ちょっと昔のヤクザ映画とか、極道関係の映画のように、警察が取り締まるとか、そういう事は忘れて、戦いを楽しむ映画なのだと思います。お金に群がる人々が、盗ったり盗られたり、殺し合う事を楽しむと言ったら不謹慎かもしれませんが、そんな風に見えました。誰が、最後までくぐり抜けて生き残るのかという感じで、懐かしい感じのする映画でした。
最近は、こういう映画が無くなりましたよね。その昔は、任侠映画で、敵の事務所に殴り込みとかっていう、抗争のお話がいっぱいあって、街中を武器を持って走っているのに、警察も何も出て来なくて、問題無く、敵の事務所まで行き着けるという、凄いお話でした。通常なら、銃刀法違反で直ぐに捕まるでしょ。それに、銃を撃ったり、刀を振り回したりって、あり得ないと思うけど、先日、安倍元首相が銃で殺されるという現実があったので、あり得なくは無いのかもしれません。恐い世の中です。
そんな懐かしさが漂う映画で、大森監督の作品と聞いて、何となく納得が出来ました。ちょっとレトロな感じが魅力的な監督ですよね。私、「まほろ駅前多田便利軒」が好きなんですけど、あれも大森監督で、雰囲気がちょっとレトロな感じで良いですもんね。
この映画、あまり常識を頭で考えずに、映画の中で起こるままを楽しんでいただけたら、凄く楽しめると思います。おいおいって思う部分もあるかもしれませんが、それは、まぁ、笑いながら観てください。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。今まで地球を守っていた?(ウルトラマンの斉藤さんと、隊長の西島さん)人たちが、今度は、地球で悪いことをしています。(笑) とてもテンポが良い作品なので、ポンポンと進んで、考える暇はあまり無いと思いますが、その痛快なテンポを楽しんで観て欲しいかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「グッバイ・クルエル・ワールド」