「1640日の家族」子どもの為に里子として迎えるのに、子どもの為に家族になれないのは辛いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「1640日の家族」の試写会に行ってきました。

 

トーキョー女子映画部さんで当たりました。

 

ストーリーは、

生後18カ月のシモンを里子として迎え入れたアンナと夫ドリス。夫妻の子どもたちとシモンは兄弟のように育ち、4年半の幸せな月日が流れる。ある日、シモンの実父エディが息子を手元で育てたいと申し出たことから、彼らが家族でいられる時間にタイムリミットが訪れる。

というお話です。

 

 

アンナと夫のドリスが里子のシモンを受け入れて、4年半が経った。長男のアドリと次男のジュールは、18ヶ月でやってきたシモンと兄弟のように成長し、いつだって一緒に遊びまわっている。

にぎやかで楽しい日々が続くと思っていた5人に、ある日、激震が走る。月に1度の面会交流を続けてきたシモンの実父エディから、息子との暮らしを再開したいとの申し出があったのだ。いつかはこんな日が来ると、解っていた事だが、4年半の歳月は家族の絆を強く結びつけてしまっていた。



 

実父のエディは、息子と暮らす為に生活の基盤を正し、準備も重ねてきたのだった。福祉行政は、一定期間、週末は父親と過ごすという準備期間を経て、一緒に暮らす判断をするという。

突然訪れた“家族”でいられるタイムリミットに、里親のアンナは動揺する。そしてシモン自身も、どっちつかずの生活に不安を覚え、恐い夢を見たりと不安定になっていく。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、里親と実父の間で揺れ動く子供の姿と、それぞれの家族を描いていて、難しい問題だなぁと思い、考えてしまいました。そんなに考えないで観ていれば号泣するのかもしれないけど、子供の本当の幸せを考えるのなら、審議官やコーディネーターがいう事が一番正しくて、行政に従うのが、冷たいように見えるけど、後々の子供のためになると解るんです。だから、映画を里親側から見るのか、実父側から見るのか、子供側から見るのかで、全く感動が違ってくるんです。

 

シモンは、6歳くらいになり、ちゃんと自分の意志もしっかりしてきています。月1回、逢う人が父親だという事も解かっていて、母親が亡くなった事も知っています。なので、今、一緒に暮らしているアンナとドリスが里親であることも理解出来ています。それでも、アンナの事を”ママ”と呼び、とても懐いています。今までは、上手くバランスを取っていたのですが、実父のエディが一緒に暮らしたいと申請をして、そのバランスが崩れていくんです。

 

 

シモンは、アンナとドリスを親と意識して、エディは父親だけど親戚くらいの感覚だったと思うんです。でもエディとの時間が増えて、段々と、どちらを親と考えて良いのか解らなくなってきたんじゃないかな。どっちにも遠慮をするようになってしまい、不安定な心が、恐い夢を見せていたのかなと思いました。そりゃ、6歳の子供だもん、誰を信頼して良いのか解らなくなり、不安になりますよね。

 

そんな時に、アンナがシモンを甘やかして、ルールを破るような事をしてしまうから、困ったことになっちゃうんですよねぇ。アンナの気持ちも凄く解るんです。息子が可愛いから、いう事を聞いてあげたくなっちゃうのは、当たり前だと思うけど、そこをグッとこらえなきゃいけないのが、里親なんだと思うんです。

 

 

里親は自分の子供として育てていると思うのですが、実父からすれば、自分が育てられない時間だけ預けていると思っているので、里親が本当の親のように口出しをしてくるのは、許せないんだと思うんです。もちろん、預かって貰ってありがたいとは思っているだろうけど、ちょっと、このアンナの態度は良くないなぁと思いました。

 

この場合の里親って、盲導犬を子供の頃だけ預かるボランティアと一緒だと思うんです。本当の父親がいるのだから、いつかは返すと解っている訳でしょ。そうしたら、決められたルールを守らなくちゃいけない。それが、お互いの辛さを無くす方法だし、子供の心を壊さないための方策なんです。難しいルールがあると思うけど、どんなに辛くても子供のために守らなければいけない。それが里親の役割だと思いました。

 

 

いやぁ、でも、シモンも、他の子供たちも、本当にかわいいから、ベタベタに甘やかしたくなるのも解るんですよ。もー、本当に、頭をわしゃわしゃわしゃって、したくなるの。あんなに楽しそうに、ころころ、ころころ、周りで遊ばれたら、もう、耐えられないと思います。そんな子供たちを引き離すのは、とても可哀想に思えました。

 

日本でも、里親制度をもっと柔軟に進めていけないのかしら。子供が欲しくても出来ない夫婦もいるし、子供を育てられなくて、虐待してしまう親もいるのだから、早く虐待する親から引き離して、里親に渡した方がよいと思うんです。もちろん、行政がしばらくは監視するような事をするべきだけど、少しでも子供がしあわせに暮らせるなら、その方がよいですよね。そのための監視役に、定年後の人たちを雇ったりすれば、丁度良いと思うんだけどな。

 

 

海外では、自分の子供が育ったら里子を育てるとか、子供と同年代の里子を一緒に育てるなど、多くの人が里親になっているんですよね。私の父の友人も自分の3人の子供を育てた後、里子を3人引き取って育てていました。合計6人の子供を育てて、楽しそうにしています。日本も、そんな風にならないのかしら。なんだか、日本は、表面的には優しい国みたいに見せているけど、他の国よりもシビアですよね。もう少し、柔軟性を持った方がよいんじゃないのかな。とても残念です。

 

そんな事を考えさせてくれる映画でした。私は泣けませんでしたが、感動作でしたよ。良い映画だと思いました。いつの日か、日本でも、こんな風に、里子を預かって育てて、親の元に返してあげられるようになると良いなと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。とても感動しました。私は泣く感動ではなく、ここまで行政が入り込んで、しっかりとルールを決めて、里親と里子、実親を助けながら、子供を育てていくんだという事が、よく描かれていたと思います。しっかりと行政が食い込むことで、子供に何か被害が出たりという事が無くなっているのだと思います。さすがだと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「1640日の家族」