「TANG タング」を観てきました。
TOHOシネマズさんの試写会に当たりました。完成披露舞台挨拶の中継付きでした。
ストーリーは、
ある理由から、自分の夢も妻との未来も諦めてしまった春日井健。そんな彼の家の庭に、記憶を失ったロボットのタングが迷い込んでくる。時代遅れな旧式のタングを捨てようとする健だったが、タングが失った記憶には、世界を変えるほどの秘密が隠されていた。
というお話です。
ゲーム三昧で妻に家を追い出されたダメ男・健。わけあって無職で人生に迷子中。ある日、家の裏庭に突然現れたのは、記憶を失くした迷子のロボット、タング。始めは時代遅れの旧式タングを捨てようとする健だったが、何故かタングが勝手に付いてきてしまう。
仕方なくタングの内部に書かれていたメーカーに問い合わせると、旧式を本社に持って行くと、新型ロボットと交換してくれるという。新型ロボットを貰って帰れば、妻も喜んで許してくれるかもと思った健は、タングを連れてメーカーの本社へ訪ねて行く。
タングを見たメーカーの受付嬢は、我が社の旧式ではないと言い、交換は出来ないという。途方に暮れた健に、技術者の林原が話しかけ、珍しいロボットだから調べてくれるという。内部を調べるとエネルギー源の液体が漏れており、このままでは壊れると言う。治せる工学者を探すと、中国の深センにいる大槻博士が治せるという。中国!と思ったが、タングのために深センまで行き、大槻博士に見て貰うことに。
中国で大槻博士に逢って直ぐに、日本から追って来ていた謎の組織にタングを誘拐されてしまう。大槻博士とタングを追い、取り返した直後、タングの本当の持ち主である馬場博士から連絡があり、タングを連れて来て欲しいと頼まれてしまう。
ある理由から、自分の夢も、妻・絵美との未来も諦め、人生を一歩も進めずにいた健だったが、記憶も感情もないはずのタングが「ともだち」や「優しいきもち」を少しづつ学習する健気な姿をみるうちに、次第に昔の自分を取り戻していく。そして、別れが近づくにつれて、タングにも変化が現れる。タングが失った記憶には、世界を変えるある秘密が隠されていた。
謎の追っ手が迫る中、大人とロボット、ふたりの迷子が大冒険の先に見つけた「人生の宝物」とは。後は、映画を観てくださいね。
原作は海外のSFファンタジー小説だそうですが、私は知りませんでした。既に、劇団四季が舞台化しているそうですが、そちらも知りませんでした。全く予備知識無く、観てみました。
医者になりたかった健は、ある事件によって、その夢を続けられなくなり、現在は無職で、父親の遺産で暮らしています。妻は弁護士で、健の姉と同じ事務所に所属しており、バリバリと働いています。出会った頃は熱く夢を語っていたのに、今は”ダメポン”(ダメなポンコツ)になってしまい、妻の絵美もとうとう呆れ果てて、健を家から追い出します。
追い出された健は、勝手に家の庭に入り込んでいた、やっぱりポンコツのロボットを連れて、行く当てもなく歩き始めます。そして、ロボットのタングをスクラップ屋に売ろうとするのですが、タングは健の後をずっと付いて行きます。最初はうっとおしいと思っていた健ですが、なんとなくタングが気になり始めます。そして、タングとの旅が始まります。
タングですが、最初は、汚いロボットに見えているのですが、ずっと健にくっついているし、会話がかわいくて、段々と見た目もかわいく見えてくるんです。仕草もかわいいんですよ。どこか憎めない感じで、やっぱりデザイナーの方は上手いなぁと思いました。ちょっとしたバランスだと思うのですが、かわいく見えるように考えてあるのでしょう。只の四角いロボットなんですけどね。
このタング、AIを搭載していて、自分で考えたりするんです。そこまでは普通のAIなのですが、人間の感情のようなものを持ち合わせていて、恐怖や愛情などを感じるように学習していきます。AIが感情を持ってしまったら、凄く恐ろしいと思いませんか?だって、愛情を感じるという事は、憎しみも感じるという事でしょ。もし、人間に対して憎しみを感じてしまったら、彼らはあっと言う間に人間を滅ぼしてしまいます。だって、いくらでも知識は増やせるし、自分たちで増産して仲間は増やせるでしょ。人間なんて一溜りもありませんよ。
一応、ロボット三原則というのがあるけど、それは人間が考えた設定であり、自分たちで設定が変えられるようになってしまったら原則なんて、関係ないですよ。もー、凄く怖いんだけど、そうならないように人間が、上手く彼らを育てていかなければいけないんです。そして、たまたま出会った健は、タングに良い経験を与えていくんだけど、やっぱり悪い奴がいて、タングを悪用しようと企む人間もいて、それで追いかけっこになるんです。
なので、一見、ハートフルコメディっぽく見えるけど、サスペンスとアクションが入り込んできて、盛りだくさんの映画になっていました。タダね、ちょっと盛り沢山にしたせいで、ちょっと話がブツブツと飛ぶ感じがあって、その辺が少し残念だったかな。一応、問題が無いように繋がってはいるのですが、もう少しエピソードを減らして、追いかけっこ部分を増やしたら、もっとハラハラドキドキで、楽しかったかも知れないなって思いました。まぁ、十分に面白くて、ハラハラするのですが、簡単にアクションが終わってしまうので、ちょっと寂しかったです。
でも、ラブストーリーがお得意の三木監督なので、健とタングの交流部分は、本当によく描かれていました。これ以上に、この2人が愛おしく思えるように描くのは無理だろうなと思うほど、まるで健とタングが本当の親子のように見えました。そして、タングを大切に思う事で、健はトラウマを克服し、前に進む気持ちになっていきます。うーん、感動でした。ある場面では、泣きそうになっちゃいましたもん。
ネタバレ厳禁なので、詳しくは書けないのですが、驚くような展開をしていきます。きっと、皆さんの想像を裏切る展開が待っているので、お楽しみに。さすが、映画化したい1冊に選ばれた小説だなと思うような、ビックリの展開でした。え?そっちなの?と思うような部分があって、楽しかったなぁ。公開されたら、また観に行こうかなと思っています。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画、夏休みに子供と観て欲しいNo.1かな。こういう優しい映画を観て、優しい子に育って欲しいなって思います。そんな映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「TANG タング」