「魂のまなざし」ヘレン・シャルフベックという北欧の有名画家の半生を描く伝記映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「魂のまなざし」を観ました。

 

cocoさんのサイトのオンライン試写会に当選しました。

 

ストーリーは、

1915年、高齢の母親とともに田舎で暮らす画家のヘレン・シャルフベックは、世間からはすでに忘れられた存在だったが、湧き出る情熱のために絵を描き続けていた。そんな彼女のもとに、ある画商が訪ねてきたことから、運命は大きく転換する。画商はヘレンが描きためていた159点の作品を見いだし、大きな個展開催に向けて動き出す。そして、画商が紹介した19歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いが、ヘレンの人生にさらなる転機をもたらす。

というお話です。

 

 

1915年、ヘレン・シャルフベックは、いわば忘れられた画家であり、フィンランドの田舎で高齢の母と一緒に暮らしていた。最後の個展から何年もたっていたが、ヘレンは、栄光のためではなく内から湧き出す情熱のためだけに描き続けていた。

そこへ画商のヨースタ・ステンマンが訪ねてきて、小さなあばら家にあふれていた159枚の絵を発見した。その圧倒的な才能に驚嘆した彼は、首都ヘルシンキでの大規模な個展開催を決意する。



 

しかし、ヘレンにとって真の転機は、ヨースタが、エイナル・ロイターを彼女に紹介した時に訪れた。森林保護官でアマチュア画家で小説も書いていた青年エイナルは、ヘレンと作品の熱狂的な崇拝者だった。ヘレンより19歳も年下の彼は、彼女を慕い、仕事場に訪れるようになる。

ヘレンにとって、どんどん身近になっていく彼は、自分のファンというだけにとどまらず、彼女にとってかけがえのない友人そして愛の対象となっていく。しかし・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

フィンランドの有名な画家の方なのですが、彼女が描いていた時代は、まだまだ女性は男性の付属物的な扱いを受けていて、ヘレンの母親も、周りの人間も、それが当たり前だと考えていたんです。なので、ヘレンが頑張って描いた絵を売ってしまい、全てが兄の利益となってしまうというような状況でした。

 

そして、その時代は戦争があり、ロシアの支配からフィンランドは独立をし、封建的な世界が崩壊していく時代でした。世界は変わっていくのに、人の意識が変わらずにヘレンが苦しんでいる姿も見て取れました。

 

 

そんな世界で、画商のヨースタ・ステンマンとエイナル・ロイターとの出会いにより、画家として、女性として、大きく羽ばたいていきます。それまでは、内に籠り、絵を悶々と描いているような生活でしたが、その出会いにより個展を開き、大盛況の中、絵も売れて、生活は楽になっていくのですが、ヘレンには、どうしても母親が付いて周り、何かあると、ヘレンに言葉の虐待を与えるんです。

 

母親は、女は結婚して男に仕えるものだという考え方で、ヘレンの絵のお金も兄に渡すべきだと散々怒り散らし、長い間、ヘレンに嫌な思いをさせていました。なんで母親なのに、娘にそんな酷い事を言い続けるのか、私には不思議でしたが、現代でも女性の敵は女性という事が定着しているので、やはり嫉妬が根底にあるのかもしれません。

 

 

ヘレンは、自分のファンであると言って近づいてきたエイナル・ロイターをとても気に入ります。彼も絵を勉強しており、ヘレンのアトリエを見たいというので、家に呼ぶようになり、それから二人の親交は続いて行きます。エイナルは、ヘレンより随分と年下のようでしたが、ヘレンは、まるで恋人が出来た様に、ドキドキワクワクしていたんです。でも、エイナルにとっては、ヘレンは母親のような存在で、何でも相談出来る素敵な人で、ひとりの女性としては見ていなかったんです。

 

その食い違いが、のちにヘレンを苦しめることになるのですが、出会った頃は解りませんよね。出会った頃は、とても仲が良くて、まるで姉弟のように見えました。恋は盲目っていうけど、その頃に年齢の差に気が付いていれば良かったんだけど、気が付かなかったんだろうなぁ。それに、家柄や階級を重要視する時代だったから、どう考えても、二人の結婚はあり得なかったと思うんですけどね。

 

 

そんな苦しい恋愛を経験して、ヘレンは、目に見えるものを描くのではなく、心の中の情景を描くようになっていったような気がしました。最初の頃の絵は、とても写実的なんだけど、どんどん抽象的になって行きましたから。でも、どこか暗くて、寂しそうな絵なんですよね。それは、北欧という地域性なのかなと思っていたのですが、苦しい恋のせいでもあったんですね。

 

そして、男性に振り回されない、独り立ちした女性として、それ以降は生きていくことになったのだと思います。カッコいい女性だったけど、どうだったのかしら。でも、生きている内に画家として有名になれたのだから、他の画家たちより、幸せだったのかもしれませんね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっとモッタリしていて、ゆっくりと時間が流れるような映画ですが、ヘレンの心の中の葛藤は激しかったのかなと思える映画でした。雰囲気の良い映画でしたよ。画面に出てくる絵は、素晴らしいモノばかりなので、目の保養になります。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「魂のまなざし」