「ビリーバーズ」新興宗教の怖さを良く描いていると思いました。ここまでやってますよねぇ。恐いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ビリーバーズ」を観てきました。

 

ストーリーは、

とある無人島で暮らす2人の男と1人の女。宗教的な団体・ニコニコ人生センターに入信した彼らは、オペレーター、副議長、議長と呼び合い共同生活を送っている。瞑想、見た夢の報告、テレパシーの実験などをし、メールで送られてくる指令を実行しながら、時折届くわずかな食料で生活を保つ日々。俗世の汚れを浄化するための修行なのだが、彼らの日常は些細な問題から綻びを見せはじめ、互いの本能と欲望が暴き出されていく。

というお話です。

 

 

とある無人島で暮らす2人の男と1人の女。彼らは、宗教的な団体・ニコニコ人生センターに所属するしている。名前を捨てて、お互いをオペレーター、副議長、議長と呼び合い、共同生活を送っている。

瞑想、見た夢の報告、テレパシーの実験などを日々の修行とし、メールで送られてくる様々な指令を実行しながら、時折届くわずかな食料でギリギリの生活を保つ日々。しかし、ある時から、そのわずかな食料も届かなくなり、仕方なく海へ行き、食料を獲ってくるという、自給自足を強いられるようになる。



 

それは俗世の汚れを浄化し、安住の地を目指すための修行なのだと教えられていたので、必死でその教えを突き詰め、団体の為に、みんなの為に、日々の行いをしていた。

ある日、島に団体とは関係無い集団が上陸し、議長やオペレーターに暴力を振るい、副議長を襲おうとする。仕方なく議長が自衛をし、暴漢を排除するのだが、その出来事から、彼らの心に些細な変化が訪れ、互いの本能と欲望が露わになっていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

宗教って、こわっ!と思いました。たまたま、この映画を観た後、外に出たら、安倍元首相が銃撃されたというニュースが流れていて、宗教団体に恨みがあったということだったので、マジでゾッとしました。関係無い人を巻き込むなよ。本当に酷い話だと思います。

 

この映画でも、先生=教祖を信じて、何でもしてしまっているという事でしょ。あの島に駐在員として3人で暮らしていて、言われた通りの事をして、外部から運んでくるアブナイ荷物を受け取っていたんですよね。どう考えても、反社会の組織になっちゃっているのに、それに気が付かないというのが、凄く怖いと思いました。自分から進んで、何かを知ろうとしないって事でしょ。

 

 

そういう麻薬中毒のような状態になってしまうのが新興宗教なんだろうなと思いました。あのサリン事件の時だって、個人で考える力があれば、おかしい事をしていると解るのに、それを一切せずに、言われた通りにしていたんですもんね。

 

それに個人の名前を捨てさせて、オペレーターさんとかって呼ばせているのも、個人の考える力を削いでいるんでしょうね。団体の一員だから、みんなの考えに従いましょうってことでしょ。そういう細かな洗脳が至る所にあって、こうやって宗教にのめり込まされて行くんだなっていうのが、よく解りました。

 

 

そんな中で、2人の男と1人の女というのが、やっぱりネックなんでしょう。絶対に欲望ってあるから、どんなに抑えていても、何かの拍子で出てきてしまうのは当たり前だと思いました。まして、今まで押さえつけていたんだから、爆発しちゃうよね。議長さんが、いかにも正しい事を言っているように、変態行為を強要していて、恐いを通り越して、笑ってしまいました。もう、どこか狂ってしまっているんでしょうね。

 

オペレーターさんは、洗脳されてはいるんだけど、まだちょっと、どこかに意識が残っている感じで、時々、家族を思い出したりがあるんです。そんな彼に、ある事件で欲情してしまった副議長さんがせまっていくんですよ。欲望は抑えなければと思ってはいるんだけど、本能が勝ってしまって、この島のバランスが崩れていくんです。観ていて、なるべくしてなったという感じがして、それが人間だよなぁと感じました。

 

 

欲望が全て抑えきれるなら、キリスト教教会で少年への性的虐待なんて問題が起きる訳が無いんです。だから、色々な国で宦官という制度があって、王が仕えさせる人間に去勢を施していたんですよね。それなら間違いが起こることは無いと考えられたんでしょう。動物なら、生殖機能が付いていれば本能で子孫を残そうとするから、どうしても欲望に抗えなくなる時がありますよ。

 

(原作者の先生が教祖役で出演されています。)

 

話しを戻して、本部からの食糧も届かなくなり、島でのバランスも崩れて行ったある日、大きな変化が現れます。ネタバレ出来ないけど、こうなるんだろうなとは思いました。新興宗教はダメですよ。本当にこれこそ、「ダメ、ゼッタイ!」ってヤツです。もっとこういう宗教に関して、規制を厳しくしていかないと、中で何をやっていても、口が出せないなんて、恐いでしょ。真剣に考えるべきだと思いました。

 

主演の磯村さんも凄かったけど、副議長の北村さん、そして議長の宇野さん、もー、言葉で言い表せないくらい衝撃でした。宇野さん、こういうちょっと狂ってるような役、上手いですねぇ。「夜を走る」でも教祖役をしていたけど、今回は、それを上回る怪演でした。それにしても、磯村さん、どんな役もこなしますねぇ。優しい常識的な会社員から、宗教にハマった男まで、若手ながら凄いです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。面白い映画なんですけど、恐さが大きくて、不条理な事ばかりが起きるので、スッキリはしないんです。一度壊れた人間って、そう簡単には治らないんです。更生なんて言葉、そう簡単には使っちゃいけないんじゃないかな。まず、難しいんだから。そんな事を考えさせられる映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ビリーバーズ」