「恋い焦れ歌え」衝撃作でしたが、根底には深い愛が描かれていたので良かったと思いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「恋い焦れ歌え」を観てきました。

 

ストーリーは、

小学校の臨時教員として働く桐谷仁は、正規教員への道も見えはじめ、順風満帆な日々を送っていた。ところがある日、彼は恐ろしい出来事に見舞われ、深い闇へと突き落とされる。3カ月後、彼の前に謎の男・KAIが現れる。仁に異常なほどの執着をみせるKAIは、仁のトラウマを容赦なくえぐり、それをラップで表現するよう挑発する。

というお話です。

 

 

清廉潔白な小学校臨時教員・桐谷仁。正規教員の道も開かれ順調な彼の人生は、帰宅中のある夜、覆面の暴漢に襲われて身も心も凌辱され、深い闇へと突き落とされる。警察に被害届を出すも、あまりよく取り合って貰えず、それからはカウンセリングを受けるようになる。

3ヶ月後、激しいトラウマを抱えながらも、結婚生活と仕事のため必死で “変わらぬ日常” を送る仁の前に、謎の青年KAIが現れる。
「覚えてる?俺のこと」仁の心の傷を容赦なくえぐり、それをラップで表現するよう挑発するKAI。KAIは、自分がレイプ犯だからと言って、仁を付け回し、嫌がらせをして追い詰めていく。



 

仁は、嫌がらせのために仕事も辞めざるを得なくなり、家にも居られなくなり、妻とは別居。KAIを憎みながらも、川崎の工業地帯で暮らす人々と触れ合いながら、自らの再生をかけて立ち上がる。学校に行けない子供たちに勉強を教え、その見返りに格闘技を習得していく。

社会の片隅で生きる者たちの葛藤と戦い、その先にある“真実の愛”とは何か。愛を知った時、悲劇は訪れる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

結構、エグい映画でした。主人公である仁が、何故、これほどに痛めつけられなければならないのか、ちょっと納得が行きませんでした。その理由が解っても、ここまでやる必要は無かっただろうと思ったのですが、どうなんでしょ。確かに、仁はイケメンで、ゲイの方にとっては、魅力的な男性だったのかもしれないけど、だからと言って、痛めつけて、仕事も辞めさせて、自宅に酷い嫌がらせまでするのは間違っているでしょ。全く意味が解りません。遠くに行かせたかったのかもしれないけど、全くそうなっていないからね。

 

でも、レイプされて警察に被害届を出して、その上、相手に脅迫まがいの事をされて脅され続けたら、その場所に居たくなくなると思うんだけど、仁はそこで生きて行こうとするんですよ。負けたくなかったのかと思うんですけどね。それまで、ウザいと思うほど真面目に生きてきた仁なので、そこでキレたのかもしれません。

 

 

事件を機に、仁の人生は、全く別のモノになってしまいます。これ、男性でも女性でも同じなんですよ。トラウマで、日常生活に支障が出てきてしまう。例え、レイプされなかったとしても、酷いセクハラだけでも、恐くなってしまう。この映画では、極端だけど、良く描かれていたと思います。被害者がいるという事は加害者がいるので、私は報復をすべきだと思いますけどね。この映画ではどうなるのかは、お楽しみです。

 

川崎を舞台としていて、だからラップなんだろうと思うけど、ちょっと時代が古いような気がしました。現在、川崎の荒れた”おうひん地区”と呼ばれる場所の仕事をしていますが、こんな荒れた場所はほとんど無くなり、どんどん開発が進んでいます。このおうひん地区からラップの有名な方が出ていますが、貧困だからラップというのは違うでしょ。ラップに失礼だと思うけど。

 

 

武蔵小杉がセレブの住む街のように話していましたが、武蔵小杉も川崎もほとんど同じじゃないかな。確かに、おうひん地区は、海外からの移住者や鉄工所勤めの荒れた人々のイメージがありますが、現在は綺麗なものです。高級住宅やマンションも建っていますよ。東京と横浜の中間地点で、人が住むには便利な地域です。警察や役所なども厳しく見ていますので、治安は改善されていると思います。悪いイメージが、ヘイトとか暴力に繋がる場合もあるので、出来れば、川崎だからという設定は辞めて欲しかったな。住んでいる方はイヤだと思います。架空の街にすれば良かったのにね。

 

ボーイズラブ的な部分が取り上げられて話題になっていたと思うけど、たまたま、男性がレイプされて、そこからのお話なので、何となく衝撃作と言われているのかもしれないけど、恋愛部分は、本当に素直な作品で、好きになった人が同性の男性だったということなんです。そして、相手の方は、そういう気持ちは無かったけど、相手の思いを受け止めてという流れだったので、その部分は、とても純愛的で、素敵なラブストーリーだったと思います。これ、男女に置き換えても、面白い作品になったと思いますよ。

 

 

そうそう、一か所、気になったのですが、仁の奥さんは、一流企業に勤めていて、仁の何倍も稼いでいるという部分があるんです。だから仁は、引け目を感じていたのか、自宅に真っ直ぐに帰りたくなかったようでしたが、そこは割り切るべきじゃないの?妻が稼いでくれるなら、自分は家事をやろうかなって切り替えようよ。なんか、稼いでる妻が悪いみたいじゃん。そこで張り合うのは馬鹿げているので、ありがたいと思って、自分はぼちぼち働けばよいんです。この時代、男のプライドなんて死語ですから。

 

色々と気になる映画でしたが、ネタバレは出来ないので、あまり内容についての詳しい描写が書けないのよね。素敵な恋愛プラス、ハードな暴力プラス、ラップ頑張ってみたという感じかしら。盛り沢山な映画だと思っていただいて良いと思います。私は、最後の結末が、ちょっと納得出来ていないのですけどね。こいつ、許せんっ!って思っちゃったけど、まぁ、仕方ないのかな。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。面白いと思いました。でも、結構、主人公の振れが大きいので、え??と思うような場面もチラホラありました。でも、根底には恋愛が流れていたので、良かったと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「恋い焦れ歌え」