「モガディシュ 脱出までの14日間」を観てきました。
ストーリーは、
ソウル五輪を成功させた韓国は1990年、国連への加盟を目指して多数の投票権を持つアフリカ諸国でロビー活動を展開。ソマリアの首都モガディシュに駐在する韓国大使ハンも、ソマリア政府上層部の支持を取り付けようと奔走していた。一方、韓国に先んじてアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮も同じく国連加盟を目指しており、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。そんな中、ソマリアで内戦が勃発。各国の大使館は略奪や焼き討ちにあい、外国人にも命の危険が迫る。大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、職員と家族たちを連れ、絶対に相容れない韓国大使館へ助けを求めることを決める。
というお話です。
1990年、ソウル五輪で大成功を収め勢いづく韓国政府は国連への加盟を目指し、多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。ソマリアの首都モガディシュで韓国大使を務めるハンは、現地政府の上層部に何とか取り入ろうとしている。
一方、韓国より20年も早くアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮のリム大使も国連加盟のために奔走し、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。
そんな中、ソマリアの現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が激化。暴徒に大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、頼れる大使館も無く、絶対に相容れない韓国大使館に助けを求める決意をする。韓国大使館に辿り着いたリム大使は、中のハン大使に入れて欲しいと頼むが、韓国側は簡単に入れる事は出来ない。今まで、何度も騙されてきた相手だからだ。内部で検討をしている間にも、反乱軍は向かってくる。
ハン大使は命がかかっているのだから入れるしかないと思いながらも、半分は北朝鮮の人々を信用出来なかった。相談の上、彼らをいったん大使館の中に入れるのだが、今度は、韓国大使館を守っていた政権側の警察が、人が増えるならその分の費用を払わなければ守らないと言い出す。混乱した状況で払える費用も無く、北朝鮮を入れたは良いが、警備をしていた警察官は帰ってしまう。
このままでは、いつ反乱軍に攻め込まれるか解らない。ハン大使とリム大使、そして南朝鮮と北朝鮮の人々は、反発しながらも協力が必須になり、脱出する手立てを考え始める。お互いの外交窓口を使い、全員が助かる道を探し出す。ハン大使とリム大使の決断が、その後の運命を左右することになる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、実際に起きたお話を、関係者の証言を基に、構成し、作り上げたそうです。北朝鮮側の話は聞けないし、絶対に協力したとは言わないだろうけど、もしかして、こんな状況だったのかもしれないというお話なんだと思います。
日本に住んでいる私から見ると、同じ朝鮮人だし、元々は同じ国だったのに、どうしてそんなにいがみ合う事になっちゃうのかしら。やっぱり北朝鮮って、間違っていますよね。何とかして、独裁政権を倒さないと、国民が死ぬことになっちゃうと思うんですけど。1990年から今まで、全然変わってないというところが、もう、国として死んでいる状態だから、何とか核爆弾を作ったりして、周りの気を引いているんじゃないかと思いました。
映画では、お互いの国力を示す為に、相手を出し抜いてという事をしているんです。でも、ソマリアで暴動が起こって、そんな事やっている場合じゃなくなるんです。北朝鮮の大使館は、早々と巻き込まれて、大使館から逃げ出さないといけなくなり、国交をしている国の大使館を頼るんだけど、既に撤退して居なかったりして、頼れる場所が無くなってしまうんです。そして、韓国大使館に行き着くんですね。
リム大使は、凄く悩んでいました。部下も韓国大使館に行っても入れてくれないですと言うんですけど、でも、妻や子供が一緒にいるのに、このままそこで殺されるのを待つ訳にはいかないと思い、韓国大使館を頼るんです。これこそ苦渋の決断と言うやつだと思いました。よく決断したと思います。
そして韓国大使館のハン大使は、目の前にいる人々を、人道的には助けてやりたいけど、相手は北朝鮮の人々です。今まで、嫌がらせをされたり、お互いに敵と思っていた人々です。もしかして罠で、韓国の情報を盗まれて終わりになるかもしれない。ハン大使の部下も、入れてはダメですと言い、家族も怖がっていました。それでも、目の前に助けを求めている人がいたら、入れない訳にいきませんよね。最終的には入れてあげるんです。
でもね、北朝鮮の人々を入れたために、警察は守ってくれなくなるんです。酷いと思いませんか?国の警察ですよ。国から給料を貰っているのに、それ以上にお金を払えと言って、払わないなら守らないと帰ってしまう。何処までも酷い国ですよ。ま、そんな国だからこそ、暴動が起こったんだろうけど。
私も、あまり詳しく知らないんだけど、このソマリアの暴動って、突然に起こったのかしら。何か前触れとか無かったのかな。既に逃げていた大使館もあるような話をしていたので、どんな様子があったのかしら。北朝鮮と韓国は、一足遅れちゃったってことかな。イタリアやエジプトの大使館には人がいて、警備もしているようだったけど、これ、国力の差があるのかしら。あまりにもワチャワチャしていて、警備をしていたのが、自国の警備なのか、ソマリア国の警察なのか、よく解らなかったんです。どちらにしろ、酷い状態なんですけどね。
北朝鮮と韓国の大使館の人々は、仕方なく協力して逃げるしか手が無くなります。自国に連絡したくても、電話が通じないので、この時代、どうしようもなかったんです。そして、まぁ、1つだけ逃げる道が出来るのですが、国交がある国は助けてくれるけど、国交が無い国は助けてくれないでしょ。北朝鮮は、ほとんどの民主主義国家とは国交を持っていない訳だから、彼らを連れて行こうとすると問題が出てくるんです。でも、置いていけないですよね。見殺しにすることになっちゃいますから。その辺りのお話が凄かったです。実際は、もっと葛藤があったんだろうと思いました。
こんな出来事があったのに、きっと、誰も話せなかったんでしょうね。やっと、30年位経って、少しづつ話してくれるようになったのかもしれません。北朝鮮の方々は、最後まで、協力したという事は、口が裂けても言えないんじゃないかな。可哀想ですね。何とかならないんですかね。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。とても面白い映画だったし、こんな事が実際に起きていた事が凄いなと思いました。まず、南と北が協力するなんて、あり得ないですから。人によっては、死んでも助けて欲しいとは言えなかったんじゃないかな。その時の大使の方々の判断は、知識人だったからこそのモノだったのではないかなと思います。素晴らしい内容でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「モガディシュ 脱出までの14日間」