「彼女たちの革命前夜」1970年に既にミスコンを問題視していたのは素晴らしいと思いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「彼女たちの革命前夜」を観てきました。

 

ストーリーは、

1970年、ロンドン。大学に入学したサリーは、女性解放運動の活動家ジョーに出会う。ジョーの団体では、女性をモノのように品定めをするミスコンテストの「ミス・ワールド」の開催を阻止しようと計画を練っていた。ミス・ワールドには、世界各国から出演者が続々と集結。グレナダから参加したジェニファーは、白人の出場者ばかりに注目が集まる状況に複雑な心境でいた。そして、ついにミス・ワールドの開催当日を迎える。

というお話です。

 

 

1970年、ロンドン。若くして学校をリタイヤし子供を産んだサリーは、再度、学問をやり直すため大学への入学を希望する。大学に受かったサリーは、大学に通い始めますが男ばかりの中で、自分の主張は全く通りません。

行き詰った感のサリーは、ある日、女性解放運動の活動家であるジョーに出会います。彼女が所属する団体ではミス・ワールドを阻止するための計画を練っていた。ミスコンテストは、女性を見た目で判断し、まるで牛の品評会のように扱っているという主張の下に、反対運動を行っていたのだ。



 

その頃、ミス・ワールドの主催者は開催に向けた準備を進めており、司会者にはアメリカのコメディアンであるボブ・ホープを起用する。このボブ・ホープは、前回に参加したコンテストで、クイーンをお持ち帰りして自分の愛人として囲っているのだった。

世界各国からの出演者が続々と集結していた。その中の、カリブ海の島国グレナダから参加したジェニファーは、自身の夢を叶えるために出場をしたが、白人の出場者ばかりに注目が集まる状況に複雑な心境でいた。今回、有色人種が入ったのは、差別批判が大きくなっていたので、主催者側が無理に黒人を入れてきたのだった。

それぞれの想いが交差をする中、ついにミス・ワールドの当日を迎える。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

実話を基に描かれている映画です。1970年に、既にこんな運動をしていたことに驚きました。それにもまして、その頃から反対されていながら、まだまだミスコンを行っている主催者にも驚きました。誰がどう見ても、性的な観点でした見られていないと解っていながら、喜んで参加する女性がいる事も不思議なんですけどね。

 

そんな女性軽視のイベントを止めたいと思って、運動を始めるのですが、その時代、まだまだ家夫長制度の意識が強く、女性は男性の付属物的な考えがあり、その考えから、女性は男性に好まれる容姿を持っていることが重要と思われていたのかなと思いました。現代でそんな事を言ってたら、直ぐにセクハラとかって言われて訴えられると思うけど、昔だからね。

 

 

でもね、別におっぱいが好きとか、大きい尻が好きとか、男性同士でコッソリ話している分にはイイんですよ。女性だって、筋肉が好きとか、固そうな尻が好きとか言っているんだから。でもね、それで判断している事を、聞こえるように言ってはダメですよ。失礼だからね。まして、3サイズを聞いたりなんて、マジで裁判ものです。

 

この映画の凄い所は、反対している女性たちを描きながら、コンテストに参加する女性側からも描いているんです。それぞれの視点からを描いているので、女性が、決して見た目で判断されることを良しと思ってコンテストに出ていた訳ではなく、そういうイベントで有名になることで、貧しい国の女性が、自分ももしかしたら新しい世界に行けるかもしれないという夢を抱けると思って欲しいと考え、参加していた人もいたという事が描かれていました。

 

 

確かに、何も持っていなくても、容姿(スタイル)が良ければ、貧しい生活から抜け出して、広い世界でやりたい事がやれるかもしれないんです。貧しい家に生まれたら、ずっと我慢をしなければならないという事が当たり前の人々に、夢を与えるというのは、良いことかなと思いました。

 

それでも、ミスコンはやっぱり私は許せないな。性的な目で見ていないというなら、審査員は全員女性にすれば良いんじゃないかな。同性だと、体形の維持や、顔のお手入れ、歩き方など、どれだけ苦労すれば美しくなれるのかを解かっているから、一番努力した人を見分けられるでしょ。性的な目で見ずに、美しさ、芸術性の判断基準のみで見れると思うけど。それに知性というなら、IQを調べればイイんじゃないの?IQの高い人がポイントが高いとすれば、見た目じゃないでしょ。

 

 

どうしてもミスコンがしたければ、それくらいしないと、どんなやり方でも性的な目で見ていると言われて、セクハラとなると思いますよ。大体、美しいかどうかを判断するのに、男性のみが審査員って、何考えているんだろう。美しさを判定するなら、芸術家を連れてくるべきでしょ。その場で、思う存分、その美しさの講釈を垂れて貰いましょう。胸の下端の角度が60度だから美しいとか、ふくらはぎの筋肉の大きさの比率が6:4とか、そんな事も語って貰ったら良いんじゃないかな。ダヴィンチも言っているけど、全て美しさは黄金比なのだから、それで計算していけばよいだけの事です。

 

この映画を観て、マジで、まだミスコンなんてバカな事を平気でやっている人間がいる事に腹が立ちます。それに、アメリカでは、堕胎禁止が今更可決されたとか言ってましたね。女性を何だと思っているんだ。レイプされて妊娠したり、貧しくて子供が育てられないのに妊娠したり、沢山の望まない理由があるんです。ピルを飲めと言われても、お金が無い人たちだっているんです。

 

 

本当に女性に対して、酷い事をしていると思いました。だって、妊娠するには相手の男がいるんですよ。堕胎禁止というなら、妊娠させた男を女性が訴えられる法律も作らなくちゃ。有無を言わさず、女性が訴えたなら男が罪になるとすれば、恐くて襲わないでしょ。もちろん、男性はDNAを国に登録しておいて、女性が訴えたら、そのDNAを使って父親を捜せるようにすれば、レイプも無くなるでしょ。女性にのみ、苦しみを与えるのは間違ってますからね。
 

話を映画に戻して、主人公のサリーは、子供を産んで、夫と別れて、今は、別の男性パートナーと暮らしています。結構、自分勝手な女性ではあると思ったけど、男性社会で女性が生きて行けるような道筋を作る為に、必死で活動をしている姿は、カッコ良いと思いました。エンディング前に、ご本人が出演されていて、今は何をされているのかを伝えてくれました。その時にコンテストに出場していたジェニファーについても、現在の状況を伝えてくれていました。実際に、この事件を起こした人々が出てくると、とてもリアルですね。もう、お祖母ちゃんだったけど、彼女たちが頑張ってくれたから、今があるんだなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。但し、男性が観ると、気分が悪いだろうなぁと思います。男性優位を間違っていると糾弾しているような内容ですので、それが普通だと教えられて育ってきた男性が、まだまだ日本にはいるので、観る人によって、全く感想が違うのだろうなぁと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「彼女たちの革命前夜」