「キャメラを止めるな!」リメイクと言いながら続編になってます。素晴らしい出来でした。成功ですっ! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「キャメラを止めるな!」を観てきました。

 

Fan's Voice独占試写会に参加させていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

日本で大ヒットした映画「ONE CUT OF THE DEAD」がフランスでリメイクされることになり、30分間生放送のワンカット撮影を依頼された監督。監督志望だが空気の読めない彼の娘と、熱中すると現実とフィクションの区別がつかなくなってしまう妻も加わり、撮影現場は大混乱に陥っていく。全く話の噛み合わない日本人プロデューサーとのバトルも繰り広げられる中、ラストシーンまで完走するべく悪戦苦闘する彼らだったが・・・。

というお話です。

 

 

フランスのあまり売れてない監督レミーは、今日も”早い安いB級”の映像を頼まれて撮影していた。そんな撮影場所に、プロデューサーが現れる。彼は、日本人の女性を連れて来て、何やら話がしたいらしい。

 

会議室に呼ばれ、話をすると、日本で大ヒットした映画をフランスでリメイクしたいらしい。日本のプロデューサーが言うには、30分生放送のワンカット撮影でやって欲しいという。無理難題を押し付けられ、レミーは断りたいのだが、仕事は欲しいし、何となく断れる雰囲気ではない。仕方なく引き受け、”早い安いほどほど”という作品を撮影することになる。そして、準備をし、打合せをし、リハーサルを簡単にして、撮影に入ります。

 

 

自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは31テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、しかしスタッフや役者たちは、次々とゾンビ化していく。そして・・・。

という“30分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”を撮った裏で、実は何が起きていたのか。あの場面、この場面のおかしなシチュエーションはどうなっていたのか。日本版のカメ止めと同じく、種が明かされていき、そこには、撮影に全てを賭けた、役者とスタッフ、監督の、血と汗が滲む苦労が明かされていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

いや、ホント、驚くほど、日本版の”カメ止め”を上手く再現していて、驚きました。一応、映画の内容は、日本の”カメ止め”が大ヒットしたから、フランス版で作って欲しいというオファーが来るという所から始まります。そこには、あの”竹原”さんも出演されていて、彼女がその話を日本から持って行っているというシチュエーションになっているんです。

 

でね、キャストがすんごい人ばかりなのよ。ロマン・デュリスにベレニス・ベジョが監督とその妻を演じていて、この映画の監督は、ミシェル・アザナヴィシウスですよ。アカデミー賞を取った「アーティスト」の監督です。こんな豪華な人達が集まってしまって、あの”カメ止め”をどう撮るのかと不思議でしたが、苦労をしたそうです。だって、”カメ止め”だから、最初の30分は、B級映画として描かなきゃいけないでしょ。それを、ロマン・デュリスが演じるって、どうやって下手に演じるのかというのが、難しかったようです。だって、彼が演じたら上手くなっちゃうでしょ。どれだけベタで、B級っぽく演じるのかが、一番の難関だったようでした。

 

 

そして、”カメ止め”と同じように、1か月前に戻って、こんなオファーがあったんですってことを描いて、その後の撮影裏話が始まるんです。うーん、面白かった。本当に良く出来ていました。フランス仕様にすると、こんな風になるんですね。なんか、フランス人は何かあると文句を言わずにいられないらしく、その部分が、日本版と大きく違っていたようです。日本版の監督である上田監督がいらして、お話してくださいました。

 

そうそう、映画の中で、日本版の監督に怒られるから脚本を変えるなって言われている場面があるのですが、上田監督は、全てお任せして、一切口を出さなかったそうです。一応、最初の脚本を頂いて、その後、出来上がったものを観せていただいただけだとおっしゃっていました。なので、映画の中であったセリフは違いますっておっしゃってました。私が文句を言ったように思われたらイヤだなぁってお話していて、楽しかったです。

 

 

それにしても、本当に日本版を凄く良く研究していて、カメラのアングルとか、色的なものとかも、同じようにしていました。ここまでこだわるかって言うほど、日本版を観尽くして、再現してあるので、とても面白いです。あ、同じように作ってあるからって、面白くない訳じゃないですよ。ちゃんとフランス版はフランス人の感覚で作られているので、観ていると知っていながら、新しい作品を観ているような感覚がありました。あのロマン・デュリスの顔で、「キャメラは止めないっ!」ってカメラに向かって言われた時は、噴き出しそうになりましたもん。

 

ソンビも、ちょっと日本の汚さとは違うんですよねぇ。それに、ワザと演技も変にしているから、本当に笑えるんです。この人たち、ワザとやっているのか本当にこんな風なのか、あまりにもしつこくやってくるので、こちらも耐えきれなくなって噴いちゃうんですよ。いやぁ、面白かったなぁ。フランス人、面白いです。

 

 

ここまでやってくれて、こんな豪華なキャストでやって下さって、日本版は300万円で作っていたのに、今回は、4億円くらいかかっているらしいです。上田監督がお話してくださったのは、「日本では撮影が8日間で食事はコンビニ弁当だったんだけど、フランス版は、6週間かかって、食事も毎日フルコースで出て来ていたらしいよ。」とおっしゃってました。あちらでは組合があって、規定にのっとった設備などを提供しなければいけないと労働監督署のようなところから言われているらしいというお話でした。日本も、ある程度は役者さんたちの立場を守ってあげる労働環境を整える必要がありますよね。でも、インディーズで仲間で作るような映画は、いつまでも変わらないのかな。

 

映画を観た後に、上田監督が解説をしてくださって、フランスに行った竹原さんから聞いたお話もしてくださって、本当に楽しかったです。日本映画が、海外でリメイクされるって、ちょっと不思議だけど、面白いんですねぇ。日本だって、良い映画をどんどん作って、海外に出せるようになると良いな。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。出来たら、”カメ止め”を観た方に観て欲しいと思いました。だって、日本でヒットしたから、フランスでリメイクというお話になっているので、まるで続編なんですよ。配信でもあるのですが、東京の映画館でリメイク記念で、日本版を上映しているようなので、もし良かったら、日本版を観てから、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「キャメラを止めるな!」