「わたし達はおとな」を観てきました。
ストーリーは、
大学でデザインを学んでいる優実には、知人の演劇サークルのチラシ作成をきっかけに出会った直哉という恋人がいる。ある日、優実は自分が妊娠していることに気づくが、お腹の子の父親が直哉だと確信できずにいた。悩みながらも直哉にその事実を打ち明ける優実。しかし直哉が現実を受け入れようとすればするほど、2人の思いはすれ違ってしまう。
というお話です。
大学でデザインの勉強をしている優実には、演劇サークルに所属する直哉という恋人がいるが、ある日、自分が妊娠していることに気付く。
実は、優実と直哉は、一度付き合って別れて、また付き合い始めたのだった。直哉の演劇サークルのチラシを作るという依頼を受け、それがきっかけで、最初は付き合うようになった。付き合い始め、直哉は元彼と同棲しており、直哉は優実の家に転がり込んできたのだった。
しかし些細なすれ違いから直哉が合わないと言い出し、別れることに。直哉は、またも元彼の家に転がり込む。フラれた優実は、ちょっと落ち込み、友達と合コンに参加するなど、それなりに遊んでいたのだが、どうしても直哉が忘れられない。
しばらくして直哉が優実のところに帰ってきて、復縁することに。直哉は演劇サークルの活動も順調のようで、お互いに楽しく暮らしていたのだが、ある時から優実の具合が悪くなり、妊娠が解る。
悩みながらも優実は直哉に妊娠と、ある事実を告白する。直哉は将来自分の劇団を持ちたいと願っていたが、子供の事を思うなら仕事を見つけなければならない。現実を受け入れようとすればするほどふたりの想いや考えはすれ違っていく。 後は、映画を観てくださいね。
この映画、現在の若い男女のリアルな生活を描いていて、観ていて、結構、しんどい気がしました。自分の若い頃と比べてではなく、自分も子供を産んでいたら大学生くらいだろうと思うと、こんなバカな子に、必死で働いて学費や住居費用を出している親が可哀想に思えたんです。
主人公の優実が住んでいる賃貸は、2フロアあって、上に寝室、下にリビングでしたよね。これ、東京で借りたら月16万くらいじゃないの?広さがよく解らなかったけど、そんな所に住んで、彼氏まで住まわせて、親に何の感謝も無いって、信じられませんでした。母親が亡くなった時に、父親が娘を駅に送りながら、「お前の家賃も稼がないとな。」って言っている場面があったけど、娘の為に働いてお金稼いでくれているんですよ。それなのに、何も考えず、好き勝手して、困ったことになる。うーん、はっきり言って、めんどくせー女だなって感じでした。
もちろん、相手の直哉も酷いのですが、どっちもどっちでしょ。まず、自分で避妊していないのもダメだし、誰の子か解らないのに、平気で片方の男を頼るもの間違っていると思います。まず、男二人を並べて、話し合いをするべきでしょ。なんでやらないの?それに、まず、DNA鑑定をすべきでしょ。優実は、頑なにやらないと言っていたけど、自分だけの問題じゃないよね。自分が相手の男だったらって考えれば、自分の子供じゃないかもと思って育てるより、自分の子供か、他人の子供か、解って育てる方が気持ちの整理がつくでしょ。それは、育てる育てないの問題じゃなくて、モヤモヤしたままじゃ、心が離れてしまうって事なんです。それに、生まれてくる子供だって、父親を知りたいと思うよね。
直哉は、あー、こういう奴いるよねぇって感じの男です。演劇にハマっていて、難しい事を語ったりして、理解は出来るんです。でも、そういう男なら、子供は作っちゃダメよね。演劇で食べれるようになってからなら良いけど、まだ、駆け出しの学生でしょ。演劇は趣味なんだから、家庭との両立は無理ですよ。例えば、相手の女性がしっかりしていて、私は勝手に子供と生きるからと頑張れよって言ってくれるならいいよね。
住む場所も、彼女の家に居候って、ただのヒモでしょ。完璧にダメなタイプだよね。こういう性格って変わらないから、どうしてこういうダメ男に引っかかっちゃうのかしら。私には謎です。いくら、まだ若いからって言っても、引っかからない女性もいる訳だから、性格や考え方に難ありってことでしょ。ご両親は、マトモそうな感じだったのにね。
「おとな」って言葉がキーワードになっているんですけど、確かに大学時代って、まだ親がかりだから子供だけど、成人はしていて自分で責任を持たなければならない年齢で、おとなにはなったけど、まだ飛び立てないという感じですよね。だから、幾つもの挫折もするし、沢山の人と関わって、騙されたりすることもある。色々な失敗を重ねて、経験を積み重ねて本当の”おとな”になれるんだと思います。
私の感覚は、”おとな”とは、自分で責任を取れる事だと思います。いい年して、人のせいにしたりする人間は、大人になれないゾンビ大人だと思っています。結構、会社とかにいますよね。部下のせいにしたり、同僚のせいにしたり。そういう人間は、段々と誰からも相手にされなくなるので、ゾンビなんです。そういう人間を相手にしていると時間の無駄なので、直ぐに切りましょうね。
話を戻して、この映画、おとなになれない人たちという内容で、凄くリアルに描いていたと思います。背中で見せる部分があったりして、心情を深く描いていました。一人の人物に入れ込んで偏る事なく、冷静に見つめているので、男が悪い、女が悪いという観方にならず、経験の無い未熟さゆえの失敗がよく解り、それぞれの人物が、これから自分で決断をして行かなければいけない事を示していて、納得出来ました。
それにしても、優実というキャラクターには好意を持てず、嫌悪感さえ覚えました。直哉と暮らし始め、まるで妻のように食事を作り、自分の思い通りにいかないと文句を言い、もー、イラッとしました。こういう女、いるんですよ。食事を作れとは頼んでないし、グリンピースを食べろとか何様なの?キュウリを残すとか。勝手に世話をしておいて文句を言うって、間違っているからね。それは、結婚していても同じです。お互いが一人の人間なのだから、対話をしてからすべきこと事でしょ。いやぁ、直哉は我慢していたよ。私が直哉なら、直ぐに出て行っています。そうやって、首輪をつけようとするのは辞めてくれ。そんな事を思った映画でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、とても良く出来ていたと思います。ストーリー構成も考えられていたし、とてもリアルな若者の生活を観ることが出来ました。それぞれの性格については、まぁ、好き嫌いはあるけどね。私は、良い作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「わたし達はおとな」