「太陽とボレロ」を観てきました。
ストーリーは、
ある地方都市のアマチュア交響楽団「弥生交響楽団」。主宰者である花村理子は18年間、音楽を愛する個性豊かなメンバーたちとともに活動してきた。しかし経営は苦しく、理子の必死の努力もむなしく、ついに楽団の歴史に幕を閉じることに。楽団最後の解散コンサートが開催されることになるが、個性的なメンバーたちは一筋縄ではいかず、それぞれの思いで勝手に動き回り、衝突する。そんな彼らに理子も翻弄されるが・・・。
というお話です。
花村理子は、奔走していた。アマチュアではあるが、18年の歴史を誇る、弥生交響楽団存続のために。
急逝した父親の事業を継ぎ、ひとり残された母親の面倒を見るため、ピアニストになることを諦めて、故郷に帰った理子にとって、弥生交響楽団は、厳しい現実を支える、大切な夢だった。3年前から、大学時代の恩師・藤堂を指揮者に迎えたものの、客足は年々遠のき、苦しい運営が続いていた。
創立当時から、楽団を支援してきた鶴間と共に、役所や金融機関に掛け合うも、なかなか協力は得られない。そんな折、コンサートの最中に、藤堂が倒れてしまう。個性豊かな楽団員たちの心を、ひとつにまとめていた、大きな存在を失くした弥生交響楽団に、不協和音が響きだす。
ついに理子は解散を決意し、楽団のメンバーたちに、ラストコンサートを提案する。若き楽団員の圭介やあかりも、音楽を愛する仲間の心を、いま一度合わせようと奮闘するが、バラバラになっていくメンバーの足並みは、なかなか揃わない。もはや修復不可能な状況に、皆がコンサートを諦められた時、入院中の藤堂から、ビデオレターが届く。そして、ちいさな奇跡が起きた。
燃え立つような太陽が西の空に消えて、マジックアワーを迎える時、「ボレロ」の力強いリズムにのせて、弥生交響楽団、最後の、そして最高のコンサートが始まる。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。
この映画、全部、先が読めてしまう展開で、水戸黄門とか、そう言う話が好きな方には良いけど、私のような考えたい人間には不向きかなと思いました。それに、ツッコミ所満載なんです。
まず、交響楽団を経営していると言うのに、街の小さなブティック経営だったり、中古車販売店の経営者だったりするんです。東京とかでチェーン店を沢山持っている会社ならまだしも、田舎の街で、その1店舗だけでは、普通、交響楽団を経営出来ないでしょ。どう考えても維持出来ないと思うのですが、まぁ、今までは上手く行っていた事にしましょう。でも、さすがに苦しくなったようで、解散話が出てくるんです。
それまで、指揮者として楽団をまとめてくれていた藤堂も病気で倒れてしまい、もう、これはダメかなっていう事で、楽団員が、言いたいことを言い出したりして、バラバラになっていってしまいます。これでは、最後のコンサートさえ開けません。そこで、理子と鶴間が楽団員を何とかまとめさせようと奔走するんです。
お金の問題もあり、楽団の予算を補助金で貰おうと、役所に掛け合いに行くのですが、”糠に釘”状態で、全く取り合ってくれません。この役所関係の雰囲気は、実話に近いんじゃないかって感じでした。本当に役所って、こんな感じなんですよね。こっちがどんなに必死で頼んでも、全く話を聞いてないって感じ。最初から出す気が無いんだから、仕方ないとは思うけど、酷いわよね。
そんなこんなのコメディなので、回りまわって、めでたしめでたしとなるのは、水戸黄門と一緒でしょ。本当に、始まってすぐにゴールが見えてしまうという感じでした。でも、お年寄りとかには、喜ばれる映画なんじゃないかなぁ。安心して観ていられるし、映像や音楽は素晴らしいので、その辺りは良かったんじゃないかな。
特に、音楽は良かったです。ご自身も出演されていましたが、西本智実さんが音楽監督もされたそうで、音も素晴らしく良かったです。感動的でした。出演者も有名どころが揃っているし、観て、聞いて、楽しめる作品だと思います。
但し、調子良すぎるところと、話が読めるところ、お決まりのコメディ路線などが、あまりにも基本通りなので、映画を沢山観ている私のような人間が観ると、ひねくれているので、素直に楽しめないんです。本当にごめんなさい。もっと素直に観ることが出来たら楽しめるんだけどなぁ。仕方ないですね。
檀れいさんは、やっぱり綺麗でした。動きがちょっと宝塚だったけど、でも、それが良いんですよね。それに、石丸さんや水谷さん、町田くんなんかも出演していました。良い俳優さんが揃っていたと思います。それに水谷監督は3作目になるので、慣れてきたのか、映像が美しいです。バランスが良いと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。若い人や、映画を沢山観ている人には、ちょっと物足りないかもしれないけど、ゆっくりして観る分には、良いんじゃないかと思います。安心して観ていられる作品なので、年配の方には良いんじゃないかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「太陽とボレロ」