「帰らない日曜日」身分の違いで幸せのレベルが決まる訳ではない。本人の気持ち次第なんじゃないかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「帰らない日曜日」を観てきました。

 

ストーリーは、

1924年3月、イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される「母の日」の日曜日。しかしニヴン家に仕えるジェーンは孤児院育ちで、帰る家はない。そんな彼女のもとに、秘密の恋人であるアプリィ家の子息ポールから密会の誘いが届く。幼なじみのエマとの結婚を控えるポールだったが、前祝いの昼食会を前に、屋敷の寝室でジェーンとひと時を過ごす。やがてニヴン家へ戻ったジェーンを、思いがけない知らせが待ち受けていた。時が経ち小説家になったジェーンは、彼女の人生を一変させたあの日のことを振り返る。

というお話です。

 

 

1924年、初夏のように暖かな3月の日曜日。その日は、イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される〈母の日〉。けれどニヴン家で働く孤児院育ちのジェーンに帰る家はなかった。

そんな彼女のもとへ、秘密の関係を続ける近隣のシェリンガム家の跡継ぎであるポールから、「11時に正面玄関へ」という誘いが舞い込む。幼馴染のエマとの結婚を控えるポールは、前祝いの昼食会への遅刻を決め込み、邸の寝室でジェーンと愛し合う。



 

やがてポールは車で昼食会へと向かい、ジェーンは一人、広大な無人の邸を一糸まとわぬ姿で探索する。だが、ニヴン家に戻ったジェーンを、思わぬ知らせが待っていた。

今、小説家になったジェーンは振り返る。彼女の人生を永遠に変えた1日のことを・・・。 (公式HPより)後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、とても雰囲気の良い映画でしたが、3つの時間が前後するので、ちょっと観にくかったです。最初、何の前置きも無く、時間が飛ぶので、一体、今は何をやっているのかな?と、頭の中が???となりました。でも、観て行く内に、理解出来てきたんですけどね。

 

最初は、主人公のジェーンが若い頃にメイドとして働いていたニヴン家で起こったお話。次に、ジェーンが小説家として独り立ちし、愛する人と暮らしていた時代のお話。そして、晩年に愛する人を見送り、一人で小説家として成功しているお話です。この3つの話が、入り組んで描かれていくので、あれ?さっきは若かったよね?とかなっちゃって、一瞬でも目を離していると、なんで場面が変わっているのか、よく解らないんです。いや、観ていても、何で突然に変わったの?という所もあったかな。

 

 

そんな感じなので、最後まで観て、自分の中で反芻して、繋ぎ合わせて、何とか理解するという工程が必要となります。そんな面倒な事があるので、ちょっと私は、嫌だったかな。雰囲気は良いし、映画玄人の方は好きそうな映画だと思うのですが、私はあまり好きではありませんでした。

 

ジェーンという女性は、メイドの時に体験したある1日で、世界を見る目が変わってしまった事を、小説として、年を取ってから描くという内容なんです。その年になるまで、その1日の事は書いてこなかったのですが、一人になった今、本として出版し、大きな賞を貰うことになるのですが、周りは騒いでも、ジェーンにとって、賞を取ることなど、大したことではなかったんです。

 

 

ジェーンは、若い頃、メイドという立場で、使えている高い家柄の青年と恋に落ちるんです。でも、立場が違うので、どんなに望んでも結ばれることは無く、青年の方も、既に婚約が決まっていました。ジェーンは諦めていたし、青年も自分の運命は自由にならないと解っていたようでした。

 

この時代、若者は戦争に駆り出され、次々と死んでいました。この青年の兄も死んでいて、彼は三男だったのに、彼しか残っておらず、家を継がなければいけないんです。でもね、まだまだ若いのに、既に未来を決められていて、好きな事も出来ず、好きな女性とも結婚出来ず、もしかしたら戦争に駆り出される。そんな状況なんです。

 

 

一方、ジェーンはメイドで、お金も身分も無く、女性は戦争に行くことも無いんです。一見、身分の低いジェーンは、とても不幸な生い立ちで、未来も見えないと思うのですが、何にも縛られることは無く、立場を気にしなければならないことも無い。何も持たないことが、本当は幸せなのではないかと気が付くんです。

 

そしてジェーンは、夢だった小説家となり、好きな人と結婚し、賞まで貰うほど有名になってしまう。ここで、人間にとってのしあわせとは何なのかということを考えさせられるというお話なんです。話としては、とっても理解出来る内容で、良いお話なんですけどね。どーも、映画の構成が面倒で、もう少しシンプルに作れなかったのかなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容はとても良い作品です。原作が有名なので、知っている方もいらっしゃるのかしら。沢山の映画祭にも出品された作品です。ですが、ちょっと展開がクルクルと変わるので、原作を知っていないと私のように、観るのが大変かもしれません。映像は美しいので、満足出来ると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「帰らない日曜日」