「ニューオーダー」まるで現実を描いているようで恐ろしかったです。後味が悪いけど観るべき作品です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ニューオーダー」を観ました。

 

Fan’s Voice独占オンライン最速試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

マリアンは夢にまで見た結婚パーティの日を迎えていた。彼女が暮らす豪邸には、結婚を祝うため政財界の名士たちが集まってくる。そんな中、貧富の差に対する抗議運動が暴動化し、マリアンの家も暴徒たちに襲撃されてしまう。パーティは一転して地獄絵図と化す。マリアンは運良く難を逃れたものの、次に彼女を待ち受けていたのは軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。

というお話です。

 

 

夢に見た結婚パーティー。マリアンにとって、その日は人生最良の一日になるはずだった。裕福な家庭に生まれ育った彼女を祝うため豪邸に集うのは、着飾った政財界の名士たち。

一方、マリアン宅からほど近い通りでは、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が、今まさに暴動と化していた。その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる寸前だった。

そんな最中、マリアンの家で8年も前に働いていた使用人が訪ねてくる。妻が重病で心臓手術の費用を助けて欲しいという。しかし家の主人も妻も、娘の結婚式当日だし、8年も前の使用人に大金を直ぐには用意出来ない。それに街中は暴徒によって封鎖されているのだ。取り合わない家主に代わり、娘のマリアンは可哀想に思い、自分が病院へ連れて行こうと思い、結婚式を抜け出して使用人の家へ車で向かう。



 

マリアンが抜けた式へ、とうとう暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。

電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢に変わる。だが、“最悪”はまだ始まったばかりだ。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

凄い映画ですが、とっても恐ろしい映画でもありました。この内容、よく映画化しましたね。だって、現実に起こりそうなお話で、貧富の差が大きくなれば不満も溜まり、暴徒化する貧困層が出てきて、それを鎮圧できなければ、虐殺が始まりますよね。そして、もし、軍部が、それを、ある目的から利用したとしたら、本当に恐ろしい事が起きてしまうという事を描いています。

 

 

先日観た「フォーエバー・パージ」でも、暴徒化した人々による虐殺が行われていましたが、あちらはゲーム感覚なんですけど、この映画の内容は、実際に起こってしまうかもしれないと思わせる内容なんです。メキシコでは、貧富の差が大きくなっていて、病気になっても、貧困層の方は治療を受けることも出来ない。そんな現実が、この映画の発端になっているんです。

 

裕福な家庭に生まれたマリアンは、結婚式を迎えて幸せそうにしています。父親は政財界に顔が聞くようで、沢山の人が結婚式に訪れていました。そんな時に、暴動が起きてしまいます。結婚式も襲われますが、優しいマリアンは、使用人を助けようと、家を出ていて暴徒には襲われません。でも、それがいけなかった。

 

 

使用人の一人と車で出かけるのですが、混乱した街中を裕福な女性が運転していたのでは、暴徒に襲われてしまいます。途中で使用人が運転士、マリアンは後ろに隠れます。でも、車は高級車だから、目は付けられるよね。そして、元使用人の妻を病院へ連れて行こうというのですが、行けるわけがありません。道路も閉鎖され、病院も閉鎖されてしまいます。

 

大体、自分の結婚式の際中に、可哀想だからと言って、自分が車で出かけるのが間違ってますよね。街で暴動が起きていると言っているのだから、常識があれば、使用人を車で行かせて、病人を病院へ送らせて、自分が病院へ連絡を入れれば良いだけでしょ。名前を言って、請求を回させればよいだけでしょ。頭悪いなぁと思ってしまいました。そんなことするから、沢山の人が巻き込まれて、犠牲になることになるんです。

 

 

ネタバレになるから、最後の方まで書けないけど、このマリアンのせいで、色々な不幸が周りに降りかかります。ほっんと、これだから頭の悪い金持ちの家の娘は使えねーんだよって言われるんです。お金があるなら、それを知識を広げるために使おうね。飲み食いだけに使うから、頭が悪いんですよ。

 

いや、でも、この展開は、ちょっと驚くと思います。どの時代でも、突然に軍がクーデターを起こして、政権が変わって、常識が通用しなくなるということが起こっていますので、もしかしたら、こんな事も起きるのかもしれない。絶対に、あって欲しく無いけど、でも、ミャンマーだって、突然にスーチーさんが監禁されたりという事が起こっていますよね。元々は、政治が問題なんだと思うんですけどね。

 

 

最初は、それこそパージみたいに、ただの虐殺を楽しむ的な映画かと思ったんだけど、観て行くと、全く違うんですよ。描いている内容が、裏の裏まで考えられていて、何が問題なのかを突いているんです。日本だって、あまりに適当な政治を行っていると、何か起こった時に酷い事を考える悪い奴が出てくるかもしれません。今、総理大臣って何してんの?名前、誰だっけって感じですよね。影が薄くて、何もしないから支持率が上がるっていう、数年後には誰も名前を覚えていないような人。そうそう、岸田さんよね。

 

とにかく、凄い映画でした。でも、これほど現実的に描かれてしまうと、誰かが真似したらどうするのかなとか、本当に恐ろしくなりました。だって、現実に起きそうな事なんですもん。ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞をいただいたそうですが、こんなに恐ろしい現実的な映画に、賞をあげちゃっていいのかしら。映画としては素晴らしいし、よく考えられた内容でしたが、良く出来ているからこそ、恐ろしいと思いました。

 

最後に、メキシコ国旗の赤と緑をイメージに使っていて、赤を富裕層、緑を貧困層として描いていたのかなと思いました。緑の世界に、マリアンの着ている赤が違和感を表します。そして血の色ってことかしら。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。そこら辺のホラー映画を観るよりも怖い作品です。だからこそ、素晴らしいのですが、何といってお薦めして良いやら、困ってしまいます。凄い映画なんだけど、観た後の気分は最悪だし、恐くなるし、観たくないような現実が描かれるので、何とも言えないです。でも、きっと、観た方が良いというか、観るべき作品なのかなとも思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ニューオーダー」