「英雄の証明」良心で拾った金貨を返したのに、何故か彼は嘘つき呼ばわりされる事になってしまいます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「英雄の証明」を観てきました。

 

ストーリーは、

イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され服役している。ある日、婚約者が偶然17枚の金貨を拾う。借金を返済すれば直ぐに出所できるラヒムにとって、それはまさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感にさいなまれたラヒムは、金貨を落とし主に返すことを決意する。そのささやかな善行がメディアに報じられ、美談として祭り上げられていく。ところが、 SNSを介して広まったある噂をきっかけに、状況は一変。大きな事件へと発展していく。

というお話です。

 

 

元看板職人のラヒムは借金を返せなかった罪で投獄されている服役囚だ。そんな彼の婚約者が、偶然にも17枚の金貨が入ったバッグを拾う。それは将来を誓い合った恋人たちにとって、まさしく神からの贈り物のように思えた。

借金を返済さえすれば、その日にでも出所できるラヒムは、金貨を元手にして訴訟を取り下げてもらおうと奔走するも示談交渉は失敗。いつしか罪悪感を持ち始め、金貨を落とし主に返すことを決意する。



 

するとそのささやかな善行は、メディアに報じられ大反響を呼び“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。吃音症の幼い息子もそんな父の姿を誇らしく感じていた。

借金返済のための寄付金が殺到し、出所後の就職先も斡旋されたラヒムは、未来への希望に胸をふくらませる。ところがSNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変し、周囲の狂騒に翻弄され、汚された名誉を挽回するためラヒムは悪意のない嘘をついてしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

唸ってしまうような、そんな内容の映画でした。思っていたような展開とは違っていて、驚きと共に、感動でした。良く出来ていたなぁ。うーん、人間の心理を良く描いていて、どんどん周りに振り回されていく主人公の姿が、あまりにも可哀想だけど、もう少ししっかりしなさいよって言いたくなってしまいました。

 

イランって、借金で刑務所に入れられて、お金を返せば出られるという制度なんですね。刑務所に入っていたらお金は稼げないと思うんだけど、刑期があるのかしら。不思議だなって思いました。破産制度みたいのは無いんですね。

 

 

主人公のラヒムは、前妻の義父に保証人になってもらい、サラ金のようなところからお金を借りたらしいのですが、共同経営者に持ち逃げされたらしく、借金が返せなくなり、義父に取り立てが行ったんです。お金を貸して、債務者が払えなくなったら保証人になった人に取り立てが行くのは当たり前で、それが嫌なら保証人にならなければ良かったのに。ラヒムも、お金を持ち逃げされるってバカですよね。

 

ラヒムは、正直な人物だとは思いますが、能力は無い男なのかなと思いました。どーも、自主性が無くて、ふらふらしている感じなんです。それでも、前妻と別れた後、彼女も出来て、借金さえ返せれば、刑務所から出れて、新しい恋人と結婚出来るという未来があったんです。そんな時、恋人がバス停でバッグを拾い、中を見ると、金貨が17枚入っていたんです。金貨1枚がいくらになるのかは解りませんが、凄い金額なんでしょうね。それで借金が全額では無くても返せると思ったんですから。

 

 

恋人から金貨を受け取ったラヒムは換金しようとするのですが、何となく躊躇して、換金せず、やっぱり金貨を返そうという気持ちになるんです。日本だと普通だけど、イランでは珍しいのでしょうね。これだけで大ニュースになるんですから。この金貨、日本円でいくらぐらいなのかしらと調べてみました。

 

確か、借金が1億8千万リアル位とか言っていたかしら。その半分を返せるというと、9000リアルくらいかしら。9000リアルだと、28万円くらいなんですよ。全部で56万円くらいの借金で、刑務所に入れられるって、凄いと思いませんか?たった56万円ですよ。金貨で半分返すと言っていたんだから、金貨は1枚16,000円くらいなのかしら。まぁ、金貨は妥当な金額のような気がするけど、56万円で刑務所に入れられるというのに、ちょっと驚きました。イランと日本の経済は、随分と違うんですね。

 

 

そんな社会なのに、ネット文化は同じように発達していて、SNSで金貨を返したというのは嘘じゃないかという話が出回り始め、ラヒムは疑われて、返した相手の女性を教えろとか、連れて来いとか言い始めるんです。でね、この相手の女性も変な人で、身分が解らないように、電話を人に借りて電話してきて、タクシーに乗ってきたのですが、乗った場所も何もかも、自分が住んでいる地域とは違う場所から来ているんです。どうしても身分を隠したかったようで、不思議でした。でも、返したって言っているのに、それをみんなで寄ってたかって疑うのはおかしいですよね。変な国だなぁって思っちゃいました。

 

ラヒムは、疑われ始めて、その美談は失墜し、彼は嘘つき呼ばわりされて、未来が見えなくなっていきます。凄く理不尽な事なんだけど、人間はこんなもんなのかもしれないと思える、凄い作品でした。

 

 

この映画、私は、超!お薦めしたいと思います。話題になっていたので、早く観たいと思っていたのですが、横浜での上映がやっと始まったので、観に行ったんです。噂通りの良い映画でした。これは、考えさせられちゃうと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「英雄の証明」