【イタリア映画祭2022】
「内なる檻」を観てきました。
ストーリーは、
閉鎖が決まった刑務所で、移送先の都合で受刑者12人が一時的に残され、刑務官15人が監視にあたることになる。ケータリングになった食事はまずく、活動を制限され不満を強める受刑者たちと刑務官たちの間に緊張が高まる。
というお話です。
閉鎖が決まった刑務所。受刑者たちが別の刑務所に移送される中、12人の受刑者たちが移送先の都合で一時的に残され、15名の刑務官が監視にあたることになる。
古株のガエターノが指揮をまかされるが、人員は足りず、受刑者の活動は制限され、食事はケータリングになる。まずい食事に抗議する受刑者たちがハンガーストライキを始めると、古参の受刑者ラジョイアが、閉鎖中の厨房を開放すれば自分が料理をすると申し出る。受刑者らの不満が爆発するのを懸念したガエターノは、同僚の反対を押し切り、ラジョイアに厨房を任せることにする。
刑期を終えた若者ファンタッチーニが再逮捕されて刑務所に戻ってくる。食事のワゴンを運ぶ際中に姿を消した若者が、ガラス片を手にして涙を流すのを見つけたガエターノは、規則に反して行動報告をせずに不問に付す。巨大な刑務所の一角で、いつとも知れぬ移送を待つ日々に、刑務官と受刑者たちの関係性が微妙に変化していく。後は、映画を観てくださいね。
大きな刑務所が閉鎖になると決まって、受刑者が他の刑務所に移されていくのですが、12人が行く予定だった刑務所が閉鎖されてしまい、行き場を失ってしまうんです。仕方なく、今の刑務所で、行先が決まるまでとりあえず預かるという状態になってしまうんです。普通は、ええ~!無理ですよってなるだろうけど、刑務所の代わりになるような場所は無いし、仕方なく、刑務官15人が残って監視することになります。
12人の為にコックを雇うことは出来ず、ケータリングの食事を出し始めると、あまりのマズさに大騒ぎで、ハンストされてしまいます。受刑者に問題が起きてしまっては、刑務官の責任になってしまうので、どうしようか頭を悩ませていると、受刑者の一人が、キッチンを使わせてくれれば自分が料理をすると申し出ます。
でも、受刑者ですから、キッチンにはナイフもあるし、まして申し出た受刑者は凶悪犯らしく、刑務官たちは躊躇しますが、ガエターノは自分の責任でラジョイアという受刑者にキッチンを任せます。すると、この受刑者の料理はとっても美味しくて、大人気。ぱっと見は、あまり見栄えは良さそうじゃなかったけど、美味しいようでした。
そんなこんなで、何とか12人の受刑者は大人しくしていたのですが、そこへ、刑務所から出て行ったファンタッチーニという青年が帰ってきます。強盗をしたようで、強盗時に老人を殴って重傷にしたようでした。またも舞い戻ってきたファンタッチーニは、見た目は大人しそうで、悪いことなど出来そうにないのですが、強盗などの常習犯なのかなと思いました。
そのファンタッチーニ、またも悪い言事をしてしまった自分を責めているようで、とっても落ち込んでいます。こういう人って、悪いことをしてしまったと、凄く反省しているようなのですが、どうしてまた同じことをしてしまうんでしょうね。日本もそうですが、再犯って凄く多いでしょ。犯罪をしない人は全くしないのに、してしまう人は、いつもしてしまう。毎回、反省していて、ごめんなさいって言うくせに、またもやるって、どういう事なんでしょう。
この辺りが、いつも不思議に思ってしまいます。悪いと思うなら、二度としなければ良いのに、してしまうのは、やっぱり脳の異常があるのではないかと考えてしまい、半世紀前くらいに流行った、ロボトミー手術って、あながち悪いだけでは無かったんじゃないかと思ってしまいます。危ない考え方かもしれないけど、一般人が犠牲になるのは、どうしても理解出来ないんです。犠牲になる人がいるなら、犯罪を起こした人の方を変える方が良いのではないかと思うのは私だけかしら。このファンタッチーニを観ていて、とても思いました。
話を戻して、受刑者たちと刑務官の距離が縮まっていってしまい、それで本当に良いのかと注意喚起する刑務官もいれば、同じ食事をしてしまえば、人間は同じなのだと考え始めてしまう刑務官もいて、不思議な雰囲気の映画でした。私は、やっぱり、受刑者と刑務官には、ちゃんとした境界があるべきだと思いますが、どうでしょうか。いくら同じ人間とはいえ、考え方の違う人間が、同じ箱の中にいて、監視される方とする方、全く立場が違うんです。同じ人間だけど、罪を犯したのなら、その償いはしなければいけないと思うし、それを監視する立場なら、一線を引くべきだと思います。
そんな事を考えさせられる映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。面白いです。人の考え方が変わっていく姿が、よく描かれていて、おもしろいと思いました。日本公開は決まっていませんが、まだ、今後、オンライン上映があるのかな。もし、観る機会があれば、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「イタリア映画祭2022」