【イタリア映画祭2022】「キアラへ」15歳の揺れ動く感情を良く描いている映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【イタリア映画祭2022】

 

「キアラへ」を観てきました。

 

ストーリーは、

南イタリア、両親と姉妹とともに暮らす15歳のキアラは充実した日々を過ごしていた。だが、姉の誕生パーティーが盛大に行われた直後に、父親が忽然と姿を消す。失踪した理由とは?キアラは自ら父を捜し始める。

というお話です。

 

 

15歳のキアラは、南イタリアの荒んだ港町ジョイア・タウロで、両親と姉妹とともに暮らしている。決して裕福ではないが、家では家族とふざけ合い、ジムでは陸上のトレーニングをするなど、充実した日々を過ごしている。

姉ジュリアの18歳の誕生日パーティーが盛大に行われた後、父親のクラウディオが忽然と姿を消す。キアラが不振に思うなか、父の車が爆破される。どうやら犯罪組織の一員として彼は命を狙われているようだが、母や姉は何も教えてくれない。

業を煮やしたキアラは、父の手がかりを追って、自分ひとりでロマの住む地区チャンプラに向かう。ロマの若者たちが投げた爆竹で捜査が阻まれたことに腹を立てたキアラは、仕返しで爆竹を投げつけ、女の子の顔に怪我をさせてしまう。

この怪我がキアラの通う学校に報告され、ソーシャルワーカーが来校して、生活環境を変えるために、中部イタリアに養子に行くことをキアラに勧める。諦めきれないキアラは頑なにどこかに潜伏している父親を探し続ける。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

キアラという少女が主人公で、彼女の家が舞台なのですが、最初は、ある程度裕福な家庭で、可愛い女の子の3姉妹が暮らしていて、両親もとっても優しいように見えるんです。なんだけど、実は・・・っていう家族なんですね。キアラと下の妹は何も知らないのですが、18歳を迎えた姉と母親は事情を知っていて、それでも知らない振りをしているんです。

 

姉の18歳の誕生日パーティーが開かれ、親族が集まって、楽し気に騒いでいると、外でちょっといざこざが起きます。何か問題が起きたようで、警察が集まり始め、父親の車が燃やされ、その夜、父親が姿を消します。キアラは、何が何だか解らないうちに、周りで色々な事が起こり、父親が消えてしまったことについて、自分が何も知らされない事に腹を立てて、母や姉に聞くのですが、その事については騒いではいけないと言われるだけで、何も教えてもらえません。

 

 

自分だけ子ども扱いされている気持ちになったキアラは、従兄弟の後を付けたり、探ったりして、父親の行方を探そうとします。周りは、まだ15歳なんだからというのですが、もうタバコも吸っているし、大人なんだと言いたげなキアラは、周りの言葉に耳を貸さず、どこまでも追って行くんです。

 

いやぁ、15歳の女の子って、こんなにしつこいんですかね。性格もあるんだろうけど、観ていてイライラしました。こんなに好奇心旺盛で、何にでも首を突っ込んで来たら、両親はたまったもんじゃないだろうと思いました。でも、こういう子だからこそ、自分の目で見て、周りに流されるのではなく、自分で考えることが出来るのでしょう。子供は難しいですね。

 

父親は、犯罪組織の一員で、キアラの家族やその一族は、犯罪で儲けたお金で暮らしているんです。一族みんな、組織に関わっているようで、その仕事は、子供たちに引き継がれていくのだろうと思われました。警察は、証拠が無いので一族を逮捕することは出来ませんが、その存在は解っていて、出来れば子供たちを親から切り離して、犯罪組織と関わらせないようにしたいと考えているようでした。

 

そんな環境の中で育ったけど、まだ、何も知らなかったキアラは、自分が育ってきた環境、そして今置かれている状況を、やっと15歳になって認識し始めます。15歳といえば、色々な事が理解出来るようになる時ですもんね。両親も姉妹も一族も、大好きなんだけど、でも、犯罪をしているんだと知ったキアラは、悩んで考えます。本当にこのままで良いのか。何か変えていく方が良いのか。

 

15歳の少女が、初めて社会の一員であることを認識し、どんな決断をするのか、それがこの映画の大切な所でした。キアラの葛藤が良く絵描かれていて、タバコを吸っている場面を観た時は”くそガキ~!”って思ったけど、悩んで考えていく彼女を観ていたら、まだ15歳なんだよねって思って、可哀想になりました。うーん、良い映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。日本公開は決まっていませんが、この映画は、日本社会にも通じる部分があるように思えて、公開して欲しいなぁと感じました。ぜひ、機会があったら、観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「イタリア映画祭2022」