「ベルイマン島にて」を観てきました。
ストーリーは、
映画監督として認められ始めたばかりのクリスと、彼女のパートナーである有名監督トニーは、アメリカからスウェーデンのフォーレ島へやって来る。創作活動にも互いの関係にも行き詰まっていた2人は、敬愛するベルイマンが愛したこの島でひと夏を過ごし、インスピレーションを得ようと考えていた。やがて島の不思議な力がクリスに働きかけ、彼女は自身の実らなかった初恋を投影した脚本を書き始めるが・・・。
というお話です。
映画監督カップルのクリスとトニーは、アメリカからスウェーデンのフォーレ島へとやって来た。創作活動にも互いの関係にも停滞感を抱いていた二人は、敬愛するベルイマンが数々の傑作を撮ったこの島でひと夏暮らし、インスピレーションを得ようと考えたのだ。
トニーは、自分の脚本を進めていくのですが、クリスは脚本が進みません。トニーに助言を求めてもほとんど帰ってきません。やがて島の魔力がクリスに作用し、彼女は自身の“1度目の出会いは早すぎて2度目は遅すぎた”ために実らなかった初恋を投影した脚本を書き始める。
ある日、トニーに電話が入り、仕事でアメリカに戻らなくてはならなくなる。一人、島に残ったクリスは、脚本のラストについて考えを巡らしながら島を巡り、人々の噂を頼りにベルイマンの自宅を探し、見つけることに成功。
チャイムを鳴らしますが誰も出て来ず、入口に手をかけるとドアが開きます。家の中に入っていくと、そこに以前に出会ったハンプスという青年がいます。ハンプスと別れた後、クリスは自分の脚本の妄想と現実の狭間に入り込み・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、悪い映画ではないのですが、話の途中途中に、クリスの脚本の内容が入り込むので、切り替えが面倒臭いというか、何がやりたくてこんな風にしたんだろうという疑問符が出てしまいました。
トニーとクリスは、脚本家の夫婦。トニーは有名脚本家らしいのですが、クリスは、今一つという感じなのかしら。クリスの脚本に描かれたドラマが、2人の脚本家の話の合間に流れていくので、イマイチ、どちらに重きを置いたら良いのか解りませんでした。
クリスは、夫に少し劣等感を感じながら脚本を書いていて、トニーは、お互いの作品に口を出すべきではないと考えているように見えました。私の考えはトニーの考え方に近いと思います。同じ仕事をしていても、クリエイティブな仕事の場合は、慣れ合うと、どちらかに偏って、独創的では無くなるので、夫婦であっても、そこは線を引きべきではないかなと思います。だから、出来れば夫婦で同じ仕事をするべきじゃないと思っています。だって、会社で四六時中、夫婦で一緒にいて、行動も共にする訳でしょ。嫌じゃないですか。私には、ちょっと考えられないかな。人それぞれとは思いますが。
で、クリスの脚本の中のお話が進んで行きます。一度、付き合おうと思ったけど付き合わず、2度目に友人の結婚式で再会するのですが、既に彼には愛する人がいて、というお話でした。タイミングが合わないなら、それは縁が無かったと思うしかないと思うけど、しつこい人っているよねぇ。いつまでも”元カレ・カノが”とかっていう人いるでしょ。もう別れたんだから関わるなって思うけど、未練たらしい人って嫌だなぁと思います。今が一番良いんだと思えないって、本当に可哀想に思ってしまう。人間、ポジティブに生きないとね。
そんな脚本家夫婦の話と、未練たらしい脚本の話が交互に入ってきて、どちらにものめり込めません。ベルイマンの映画を私は観たことが無いので、このやり方って、ベルイマン風なのかしら。とても見難いし、何を伝えたいのか解らないので、私には、難しかったな。
恋愛の辛さのようなものを描きたかったのか、夫がいてもときめく妻を描きたかったのか、脚本のような創造をしなければならない時には、脳の中で妄想が広がるという事を言いたかったのか、どれでも良いのですが、私には、イマイチ、響きませんでした。
キャストは良いんですよ。ティム・ロスを筆頭に、ミア・ワシコウスカ、ヴィッキー・クリープス、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、など、まぁまぁ、中堅の俳優が出演していて、良かったと思います。
私は、この映画、うーん、お薦めしたいと思います。私は、あまり理解が進みませんでしたが、雰囲気はとても良いし、ベルイマン監督の映画を知っている方には、もしかしたら良いのかもしれません。私は、全くベルイマン監督を知らず、この映画で名前を知ったくらいなので、恥ずかしながら、映画の意図が読めませんでした。でも、美しいベルイマン島の景色は良いと思いましたよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ベルイマン島にて」