「パリ13区」を観ました。
Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
コールセンターでオペレーターとして働く台湾系フランス人のエミリーのもとに、ルームシェアを希望するアフリカ系フランス人の高校教師カミーユが訪れる。2人はすぐにセックスする仲になるが、ルームメイト以上の関係になることはない。同じ頃、法律を学ぶためソルボンヌ大学に復学したノラは、年下のクラスメイトたちに溶け込めず、金髪ウィッグをかぶり、パーティに参加したことをきっかけに、元ポルノスターのアンバー・スウィートだと勘違いされてしまう。学内の冷やかしの対象となり、大学を追われたノラは・・・。
というお話です。
コールセンターでオペレーターとして働く台湾系フランス人のエミリーのもとに、ルームシェアを希望するアフリカ系フランス人の高校教師カミーユが訪れる。二人は即セックスする仲になるのだが、ルームメイト以上の関係になることはない。
エミリーはカミーユの事をを気に入ったのだが、カミーユは恋人にはなれないと拒否したのだった。そして、カミーユは教師の仕事の引継ぎで知り合った女性と恋人になり、部屋に連れ込んだりするようになる。
同じ頃、法律を学ぶためソルボンヌ大学に復学したノラは、年下のクラスメートに溶け込めずにいた。金髪ウィッグをかぶり、学生の企画するパーティーに参加した夜をきっかけに、元ポルノスターでカムガール(ウェブカメラを使ったセックスワーカー)の“アンバー・スウィート”本人と勘違いされ、学内中の冷やかしの対象となってしまう。
大学に居られなくなったノラは、仕事を探し始め、不動産会社を訪ねて行く。そこには、教師を辞めて上級試験の勉強をしながら、一時的に不動産会社に勤めるカミーユがいた。ノラは不動産会社に勤めていた経験があり、その会社でカミーユの同僚となる。
カミーユは美しいノラに惹かれていくが、ノラは心の傷により、人を寄せ付けないような態度を取ってしまう。このままではいけないと思ったノラは、自分が間違われたアンバー・スウィートのサイトにアクセスし、コンタクトを試みるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
パリが舞台の恋愛映画です。パリに住む、エミリー、カミーユ、ノラ、そしてアンバー・スウィートという、もう若者ではないけど、安定もしていないという30代半ばの人たちって感じかしら。確かに、30代半ばだと、もう一回、何か新しいことが出来るんじゃないかっていう、夢が見れる時期だと思うんですよね。でも、若い頃よりも体力は落ちているし、社会の怖さを知っているから、自分が傷つかないように行動してしまい、結局、上手く行かなかったりするということが、良く描かれていました。
エミリーは、施設に入った祖母の家に住んでおり、ルームシェアをする相手を探しています。そこへ、カミーユが現れるのですが、あんまり、女性の一人住まいの所に、男性が住まわせて欲しいと言ってくるって珍しいですよね。フランスでは、あるのかな。ゲイの人とルームシェアしているというのは、何度か聞いたことがあるけど、そうでないと、どうしても、性的関係が問題になってくるでしょ。もちろん、この映画でも、結局、2人は身体の関係になっちゃうんだけど、あくまで身体だけで、恋人にはならないよって、カミーユが言うんです。
今どき、出会い系サイトでSEXだけの相手を探すなんて簡単だから、それと同じだと思えば、別にって感じで話していて、そんなもんなのかなぁと思いました。でもね、エミリーはカミーユに惹かれてしまい、好きになっちゃうんですよ。うーん、身体の相性が良かったみたいだけど、性格がねぇ~。
一方、ノラと言う女性は、大学を休学して仕事をしていたのですが、やっぱり復学しようと思い、30代半ばで大学に戻ります。でも、周りは若い子ばかりで、居心地が悪いんです。そりゃ、10歳以上、年齢が違えば、最初は難しいですよね。でも、オバちゃんだからと開き直れば、自然と仲良く出来ると思うんだけどね。無理に若ぶろうとするから、引かれるんですよ。で、無理に若い子たちに混ざろうとした結果、悪い噂が流れてしまい、学校に行けなくなるんです。いやいや、人違いなんだから、そこは開き直って学校に行こうよって思うけど、それが出来ないのよねぇ。
このノラもそうだし、カミーユもそうなんだけど、新しいことをやろうと一歩踏み出すんだけど、根性が足りなくて続かないんです。ちょっと甘いんじゃないかなって思いました。私、自分が、美術から建築に変更して一級建築士を取ったので、やると決めたら、周りなどお構いなしに突き進むべきでしょって思うから、この2人のように、途中で辞めちゃうのって、じゃぁ、何でやろうと思ったの?って突きつけたくなっちゃうんですよねぇ。途中で進路変更するなら、それなりの覚悟が必要なのに、周りと上手く行かないとか、仕事との両立がとか、そんな舐めたこと言ってたら、新しいことなんて出来ませんよ。ぬるいんじゃ!って思っちゃう。
だけど、本当は、こういう人の方が多いのかもしれません。私、元々、変わっているとか、アスペルガーで他人に興味が無いとかって言われ続けてきたので、私が特殊なのかもしれませんね。それぞれが、自分の幸せを見つけられれば、別に、新しいことを探す必要も無いですし、気が付かなかった自分の内面に気が付いたり、愛に気が付ければ、それがしあわせに繋がるんだろうなって思わせてくれる映画でした。素敵な愛の映画だと思います。
映像がモノクロなので、パリの街での撮影なのですが、パリではないように見えました。この13区には、レ・ゾランピアードという、美しい街並みがあります。建築として凄く美しくて、こんなランドスケープがプラン出来たら、素敵だろうなぁというような、夢のような街並みなんです。日本では、やらしてくれないだろうなぁ。日本は、ちょっと隙間があったら何か作ろうとするから、貧乏臭いんですよねぇ。そんな美しい街並みを、モノクロで捉えているので、また違った風景のようで、雰囲気が良かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。大人になると、恋愛にハマるのが怖くなってしまうから、自分を守る為に一歩引いてしまうのかなって部分と、自分の本当の気持ちを自分で理解出来ていないという部分もあり、恋愛に踏み込めない。でも、SEXは楽しみたいって気持ちもあって、心と体が上手くリンクしていないという姿が良く描かれていました。でも、やっぱり、心も体も一緒が良いですよね。じゃないと、壊れちゃいますから。しあわせになるための一歩は、自分を知ることだと教えてくれているようでした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「パリ13区」