「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」子供作る為の行為なのにね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」を観ました。

 

Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

コロナ禍のブカレストの街をさまよい歩く女性エミ。名門校の教師である彼女は夫とのプライベートセックスビデオをネット上で拡散されてしまい、夜に開かれる緊急保護者会を前に、事情説明のため校長宅へ向かっていた。彼女の不安といらだちは街の人々が抱える怒りや絶望と重なりあい、猥雑で怒りをはらんだ空気が徐々に膨れ上がっていく。

というお話です。

 

 

ルーマニア、ブカレスト。名門校の教師であるエミは、コロナ禍の街をさまよい歩いていた。夫とのプライベートセックスビデオが、意図せずパソコンよりネットに流失。生徒や親の目に触れることとなり、保護者会のための事情説明に校長宅に向かっているのだ。

しかしそこにはブカレストの街を漂流するかのように、エミの歩く姿が映し出されるだけだ。彼女の抱える不安や苛立ちは、街ゆく人々も共有する怒りと絶望である。誰もがイラついており、自分の事しか考えない。差別と偏見が蔓延する街の中。

その絶望感は、世界の感情そのもののようであった。猥雑で、汚れ、怒りを孕んだ空気が徐々に膨れ上がっていく。

いきなりのハードなセックスシーンをプロローグとして、続けて物語を三つのパートに分けていく。

さらに三つの結末を用意する“マルチエンディング”で、ポルノグラフィという問題をブラックコメディとして見せ、映画を終息させる。 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、難しかった。終わってから、一体、何を観せられたのか、よく理解が出来なかったんです。だって、ずーっとエミという女性が、街の中を彷徨い歩く姿が映されて、その周りで、イラついた人々の姿が映し出されていく。だから?って感じなんですもん。でも、思い返して、映画を反すうしていくと、人間の持つ、根本的な問題を描いているんです。

 

最初に、エミと夫の家庭内の性生活を写したビデオが流れます。夫婦での楽しみなのだと思うのですが、2人で楽しんでいるんだから、別に、普通の事でしょ。でも、そのビデオがたまたま、ネットに流れてしまい、拡散されてしまうんですね。でも、よく考えてみると、夫婦なら普通の性生活でしょ。誰に文句を言われる事でもない。でも、何故、拡散されてしまうのか。

 

人のセックスが見たいからですよね。それを観て、自分も高揚して発散したいからでしょ。サルがマスターベーションを覚えると一生死ぬまでやっているというけど、人間も同じですよ。どうしても、自分も性欲を満たしたくなり、他人のセックスを見たくなる。

 

それは表向きには言えないんです。人間の脳が、それは人前でさらけ出すことじゃない、本能の部分を出すべきじゃないという考えがストッパーになっていて、セックスを卑猥な事と捉えて、人前に晒さないという暗黙の了解になっているのかなと思います。

 

だから、ネットで拡散されたりすると、人から批判されたり、常識を疑われて責められてしまうという事になるのだと思います。だけど、街中には、山ほど卑猥な事が描かれているし、そういう商売が沢山あるでしょ。そういうのは観てみない振りをするのに、目の前に突きつけられると、責めるのよねぇ。

 

でも、セックスしなくちゃ人間は産まれないし、誰もが、セックスをした結果で生まれてきているのに、どうしてそうなったのかな。セックスすると快感が感じられるからかしら。子供を作らせるためには、それくらいのご褒美が無いとやらないだろうと、動物の機能がそういうように作ったのだと思うけど、不思議ですよね。快感の部分のみが特出して、人の脳に刺激を与えてしまうから、やり過ぎちゃって犯罪になったりするんでしょ。犯罪になってでもヤリたいと思う人は、猿に近いんだろうなぁ。

 

そんな社会の歪みが、人々の心を貧しくして、精神的に追い詰めているのかなと思いました。だから、街中でイライラしている人が多いんじゃないかな。もし、セックスに快感が伴わなければ、ネットで拡散も無いし、差別も無いし、犯罪も無くなり、そんなにイライラする人は出ない気がするけど、そうなるとセックスする意味が無くなるから、子供が生まれなくなりますね。子孫繁栄出来なくなるから、やっぱりダメなのかな。

 

この映画、セックス始まりで、社会の色々な問題を描いているから、観た後に色々と考えてしまうんです。ただ、気持ちイイことしたいってだけなら、何てことは無いんだけど、それが人間の繁栄に繋がって行くから困るのよね。切り離せればいいのにね。

 

あー、なんか、凄く考えてしまいました。今回は、映画祭などで上映されたものではなく、監督の”自己検閲”がかかったフィルムだったので、セックスシーンなどは、ほとんど見えなくされています。ちょっと残念ですが、まぁ、劇場公開するなら仕方ないのかしら。難しいですね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。誰にでもとは言いません。俗に言う下ネタや、下品な事でも平気な方には良いですが、そういうことに慣れていない方や、嫌いな方は、辞めた方が良いかもしれません。観る人を選ぶ映画だと思います。面白いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」