「ツユクサ」を観てきました。
シネマカフェさんの試写会が当選しまして、観せていただきました。(@cinema_cafe)(@cinemacafe.net_official)
ストーリーは、
小さな港町で暮らす五十嵐芙美は、気心の知れた友人たちと他愛のない時間を過ごしたり、歳の離れた小さな親友・航平と遊びに出かけたり、車の運転中に隕石がぶつかるという信じがたい出来事に遭遇したりと、楽しい毎日を送っている。しかし彼女がひとりで暮らしているのには、ある哀しい理由があった。ある日、彼女は町に引っ越してきた男性・篠田吾郎と運命的な出会いをする。
というお話です。
とある小さな田舎町で暮らす芙美(ふみ)。
気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、うんと年の離れた親友の少年と遊びに出かけたり、そんな日々を送っていた。
ある日の夜、隕石に遭遇し、車に当たって大破するというあり得ない出来事を経験する。隕石に当たる確率は、何十万分の一らしい。喜ぶ芙美だが、天文が大好きな航平が隕石に当たった人の記事をネットで探すと、当たった後に不幸になっている事に気付くが、芙美に話す勇気が無い。
そんなふうに日々の生活を楽しく送るなかで、ときおり見え隠れする芙美の哀しみ。彼女がひとりで暮らしていることには理由があって、その理由には“ある哀しみ”があった。禁酒の会に参加しているのも、その哀しみで酒を沢山飲むようになってしまったからだった。
ある日、草笛をきっかけに出会った男性と恋の予感も訪れ、何となく、もしかしたら・・・。という気持ちになるのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、大人しい映画なのですが、心に染みる内容の映画でした。さすがに小林さん主演の作品だなと思いました。表情とか、しぐさが上手いんですよね。その気持ちが伝わってきて、こちらまで心が締め付けられるような気持ちになってしまう。でも、しあわせな気持ちになる映画でした。
主人公の芙美は、海辺の田舎町で一人で暮らしています。町のタオル工場に勤めていて、そこで同僚と仲良くやっていて、幸せに見えますが、何故か禁酒会に通っています。昔、お酒で失敗したのかなと考えられますが、理由は解りません。彼女に関しては、現在の情報はあるのに、過去に関しては、一切情報が出てきません。物語が進むにつれ、段々と少しづつ明かされていきます。
彼女の周りには、良い友人や、その息子、会社の上司など、色々な人がそれぞれの生活を持っていて、誰もが、色々な問題を抱えていることが判ります。そりゃ、そうですよね。人間、アラフィフになれば、人生の半分くらい生きてきたことになるのだから、問題が無い訳がない。それくらいの事なんてこともあるけど、その人にとっては大変な問題なんです。
芙美は、ある問題によって、人生を前に進めなくなってしまっているんです。田舎町で停滞してしまっているようでした。それでも、同僚もいるし、航平という友達もいるし、それなりに楽しく暮らしているように見えますが、時々、ふと我に返る感じがあるように見えました。自分でも、このまま、何もせずに暮らしていくのは良くないと思いながら、どーも前に進めないようでしたが、ある日、隕石が彼女の車にぶつかったことから、何か良いことが起きるんじゃないかという気持ちになり、周りも変わっていきます。
ツユクサで草笛を吹く篠田という男性に出会い、ちょっとイイ感じになっていきます。彼も、ある事があり、一人でこの町に流れてきたようでした。本当は、東京に住んでいるようですが、何か理由があって、この町に住み始めたみたいでした。そして、芙美は、この篠田と、恋におちます。
年を取ってからの恋って、踏み出すのに勇気がいるでしょ。簡単には踏み出せないけど、やっと二人は踏み出すんです。でも、そこから前に進めない。年を取れば、それだけしがらみもあるし、周りの目もあるし、それ以前に、自分の生活を簡単に変えることが出来なくなっているので、難しそうでした。
人生100年の時代だから、その半分を生きていれば、沢山の問題を経験してきているけど、経験したから強くなるのではなく、色々なことが怖くなってしまうこともあるんじゃないかなと思いました。怖くて、先に進めなくなるって、あると思うんです。でも、そこを一歩踏み出して、もう一度やってみようと考えるって、勇気がいることですよね。もし、それが出来たら、また新しい人生が開けるかもしれない。どんなに年をとっても、新しい人生を経験するのは、良いことだと思いました。
この映画、勇気をくれる映画でした。問題を抱えていなくても、もうこれでイイやと思ってしまって、前に進むことを辞めてしまう事ってあるでしょ。でも、新しい世界に一歩踏み出すことは、きっと楽しいですよって教えてくれるようでした。それが、失敗したっていいじゃないですか。もう、何度もそんな事、やって来たんですから、ここでまた、一回失敗したって、なんてことないんです。そんな気持ちになれる映画でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。でも、この芙美ちゃんの気持ちは、30代以上の方が理解しやすいかな。過去の経験から、恐くて新しいことに踏み出すのが不安になる気持ちが、上手く伝わらないかもしれません。でも、良い映画でした。小林さんと松重さんが良かった。そして、周りの平岩さんや江口さんも、良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ツユクサ」