「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」いくつになっても愛は必要だけどそれ以上に準備も必要よね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」を観ました。

 

Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)。

 

ストーリーは、

南仏モンペリエに建つアパルトマン最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナとマドレーヌは世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲い、2人は選択を迫られる。

というお話です。

 

 

南仏モンペリエを見渡すアパルトマン最上階。向かい合う互いの部屋を行き来して暮らす隣人同士のニナとマドレーヌは、実は長年密かに愛し合ってきた恋人同士。

マドレーヌは不幸な結婚の末に夫が先立ち、子供たちもいまは独立し、家族との思い出の品や美しいインテリアに囲まれながら心地よく静かな引退生活を送っている。2人の望みはアパルトマンを売ったお金で共にローマに移住すること。だが子供たちに真実を伝えられないまま、時間だけが過ぎていく。



 

ある日、突如マドレーヌに悲劇が訪れる。料理中に脳卒中で倒れたのだ。病状は悪く、話すことが出来ず、記憶も曖昧になっている。娘のアンヌは、ずっと病院に付き添い、家に帰ってからはヘルパーを雇うことにする。24時間介護を受けるマドレーヌに、ニナは近づくことが出来ません。

親切な隣人としてアンヌに近づいたニナは、ヘルパーを買収し面倒を見られるようにするのだが、2人の関係を感じ取ったアンヌは、マドレーヌを家に連れ帰ります。引き離されたニナは、マドレーヌに逢いたい一心でアンヌの家を訪ねますが、逢わせて貰えません。アンヌは母親を施設に入れ、ニナは・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画は、凄く考えさせられました。ちょっと恋愛ドラマでもあり、ヒューマンドラマでもあり、サスペンス要素もあって、とても楽しめる映画なのですが、一番観て欲しいのは、年を取ってからの恋愛を、家族に話せるのかという問題です。

 

この映画では、女性2人がレズビアンという設定なので、その事でも話しにくいとは思うのですが、これ、男女だって何だって、年を取ってからの恋愛って、子供や家族たちに話しにくいですよね。何ていうか、ちょっと恥ずかしい気持ちもあり、年配だからこそ遺産の事もあり、簡単に好きだからという理由だけで結婚とか、事実婚とかを話せないという事もあると思うんです。

 

 

映画の2人は、長年愛し合っていて、実は、マドレーヌが夫と結婚している時も、既に愛し合っていたようでした。夫との結婚はマドレーヌにとって幸せでは無かったんです。でも、子供たちはそんな事は思いもせず、息子はマドレーヌに、父親に対して酷かったと訴えていました。そんな事もあり、マドレーヌはニナとの関係を話したくても話せない状況になってしまったのかなと思います。だって、子供にとっては、父親も母親も大切な両親ですもんね。どちらも同じように愛していたのだと思います。でも、マドレーヌの心は違っていたんです。

 

ニナに関しては、家族の話はほとんど無かったので解りませんが、マドレーヌのような複雑な家族問題は無さそうでした。ニナは、マドレーヌ一筋で、彼女以外は必要無いと思っているのかなと思えるほどでした。どんなに年を重ねても、こんな風に相手を思いやれる人は、素敵です。ずっと長い間好きでいるって、難しいでしょ。嫌になる時って、ありますもん。

 

 

お互いに愛し合っていても、どうしても家族に話せないという気持ち、とても理解が出来ました。難しいですよね。年を取れば、家族も増えて、それぞれに考え方もあるので、自分だけの気持ちを優先することが出来なくなってしまうマドレーヌの心が痛いほど解りました。でも、ニナにしてみれば、一緒に居ると言っている相手が、はっきりと家族に告げてくれないのは悲しいですよね。どちらの気持ちも痛いほど解るので、辛かったです。

 

でも、こんな風に言えないままだと、年を取っていれば病気のリスクもあるので、この映画のような事が起きるんです。マドレーヌは脳卒中になり、言葉も発せられなくなり、記憶も定かでなくなります。それまでのニナとの事も解からないんです。その時のニナの気持ちを考えると、気が狂いそうだと思いますよね。好きな人が自分の事を解からず、まして誰も自分とマドレーヌの関係を知らないんですから、慌てたと思います。

 

 

色々、家族に話せないことがあるのも理解出来るし、好きな人と一緒に居たいのも解るけど、年を取ったら、やっぱりエンディングノートを書くべきなんだなと思いました。そして、言えない事を全て書き留めておくべきだと思いました。何か書いてあれば、誰も苦しまなかったし、段々と怖い話になっていくことも無いんです。周りに迷惑をかけないためにも、もしもの為のノートは必要なんだろうなと思いました。

 

そうなんです。この映画、ニナがマドレーヌに全く近づけなくなってしまい、怪しげな行動を取り始めてしまうんです。それを娘のアンヌが奇妙に思って、ニナから母親を遠ざけようとしてしまうので、段々とサスペンス映画のようになっていってしまうんです。最初は、ニナが倒れたマドレーヌを見つけてくれたと言って、アンヌもありがたがるのですが、あまりにも面倒を見ようとするので、不思議に思い始めるんです。普通、ただの隣人なら、面倒までみようとしませんもんね。私でも、そんな人がいたら、変だなと思いますもん。

 

 

どう考えても、遺書とは言わなくても、何か娘に書いておくべきだと思いました。きっと、誰もがまだまだ大丈夫と思っているのだと思うけど、病気はいつ襲ってくるかわからないし、その時に自分の意志を告げられない状態になることだってあるかもしれない。私も書いておこうかな。まだ若いと思っていても、いつ、何が起こるか分からないですからね。

 

この映画、凄く考えさせられる内容でした。恋愛はいくつになってもするべきだと思っていますが、その年齢に合った行動を取るべきなのかなと思いました。若い頃とは違うのだから、先の事を考えておかないとね。愛しているからこそ、それは大切な事だと思いました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。若い人には、どうなのかなと思いますが、ある程度年を重ねてきている方には、訴えている事がよく解っていただけると思います。年を取っても、素敵な恋をしたいですね。そのためには、色々な準備も必要かなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」