「ベルファスト」北アイルランドの幸せな家族は紛争の為に故郷を追われることとなる。理不尽ですよ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ベルファスト」を観てきました。
 

 

Fan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

ベルファストで生まれ育った9歳の少年バディは、家族と友達に囲まれ、充実した毎日を過ごしていた。しかし、1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだったバディの世界は突如として悪夢へと変わってしまう。住民すべてが顔なじみで、ひとつの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断され、暴力と隣り合わせの日々の中で、バディと家族たちも故郷を離れるか否かの決断を迫られる。

というお話です。

 

 

ベルファストで生まれ育ったバディは家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、彼の住む街は彼にとって安全な遊び場だった。イギリスへ仕事に行っている父親が、帰ってくる度に持ち帰るミニカーを集め、キャサリンの隣に座る為に勉強を頑張るのが、彼の日課だった。そんなバディの日常は、彼にとって完璧な世界だったのだ。

しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始めた。(北アイルランド紛争)



 

その昔、アイルランドはイギリスに侵略され、イギリス国教会のプロテスタントが、カトリックの土地を奪うという構造が出来上がっていった。そしてアイルランドは英国に併合されたのだが、アイルランドの自治復権を目指し闘いが続いた。1921年にイギリスとアイルランドは条約を締結し、プロテスタントが中心の「北アイルランド」と「アイルランド自由国」として独立を果たす事となった。

ベルファストは北アイルランドに属し、英国の庇護の元で平穏だったが、プロテスタント教徒がカトリック住民への攻撃をしてしまったことから、その火種は大きくなり、紛争へと広がってしまう。



 

住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。生活の中に暴力が介入し、危険と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる。 後は、映画を観てくださいね。

 

あらすじから、暗い映画なのかなと思って観たのですが、まるで雰囲気は、「ニュー・シネマ・パラダイス」を思い出させるような、子供の幸せな日々を描いていて、モノクロなのに、まるでカラフルな色がついているような気持ちになるんです。でも、その雰囲気が、段々と恐ろしい雰囲気に変わっていきます。

 

 

この北アイルランド紛争って、本当に長いですよね。北アイルランドを、イギリスの保護下に置くか、アイルランド自由国に併合するのかって事で戦っているんです。アイルランドとしては、ひとつの島なので、ひとつの国にしたいと思っているのですが、北アイルランドは、今の台湾のような感じで、イギリスの保護下の方が経済的にも裕福でいられるのだと思うんです。だから、併合されたくないと思っていて、ベルファストでの、戦いのようなものが起こってしまうんです。

 

ベルファストでの酷い戦いは、映画「ベルファスト71」という映画で描かれていますが、イギリスの兵士が敵兵で一杯のベルファストに取り残されてしまうという映画でした。実話を元に描かれています。そちらも、凄い映画でしたよ。私は好きでした。

 

 

そんなベルファストに住んでいた9歳のバディは、それまで仲良しだった友達とも別れることになるし、家の外を戦車が走ったりと、今まで経験した事の無い状況を目の当たりにします。昨日まで、走り回っていた街中を戦車が走り、攻撃されるんですから、恐ろしいですよね。子供には、衝撃的だったと思います。

 

父親は、イギリスに出稼ぎに出ていて、2週間に1度程帰って来ていたんです。でも、このままベルファストに家族を置いておく訳にはいかないと考え始めますが、家族はイギリスに行きたくないと考えています。だって、ベルファストで暮らしてきて、ここに全てがあるのですから。そう簡単に捨てていく事は出来ません。そして、家族で悩みます。そりゃ、そうですよね。バディも、自分なりに考え、周りの大人の話を聞いて、成長していきます。そりゃ、考えますよ。

 

 

ケネス・ブラナーは、自身の子供の頃に見た出来事を、映画にしたそうです。自伝的映画だとおっしゃっていました。うーん、大変だったんですね。もし、この時に逃げずに故郷に住んでいたら、この後に大変な事になるので、良かったなぁと思いました。その大変な戦いは、「ベルファスト71」を観てくださいね。こちらも凄い映画でした。

 

雰囲気は、とても良い映画でした。戦争映画をやっているとは思えないほど、映像も美しいし、子供の生き生きした表情が良かったです。そんな子供の顔が曇っていく姿は、可哀想だったなと思いました。でも、本当にこんな感じだったのでしょうね。恐ろしいです。

 

 

出来れば、この映画を観る前に、北アイルランド紛争というものを、知っておいた方が良いと思います。でないと、突然にプロテスタントがカトリックを攻撃したりという事が、理解しにくいと思いました。これまでに、長い歴史があって、何度も小競り合いを繰り返してきた事なんです。それが、この出来事によって、再度、表面化してくるということなんです。この後、この紛争は大きくなっていき、ブラピ主演の「デビル」などで描かれているようなテロ行為に繋がって行くんです。確か「ジャッカルの日」「パトリオット・ゲーム」「麦の穂をゆらす風」「マイケル・コリンズ」も、このアイルランド紛争に関する映画だったと思います。

 

難しい問題はそれとして、バディ役の男の子がとっても可愛いんです。こんな可愛い子が、戦争に巻き込まれていくなんて、世界は酷いです。今も、ロシアとウクライナが戦争をしていますが、子供たちが心配です。何とか戦争を止める事は出来ないのかしら。本当に辞めて欲しい。戦争はダメです。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私はとっても好きでした。公開されたら、また観たいと思います。雰囲気が取っても良いんです。戦争がそこに始まっているのに、そこに暮らしている彼らは、その豊かな考え方を捨てる事は無いんです。子供に愛情を注ぎ、生きる術を探す。人間の一番大切なものを、きっちり描いてくれている映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ベルファスト」