「ナイル殺人事件」を観てきました。
ストーリーは、
エジプトのナイル川をめぐる豪華客船の中で、美しき大富豪の娘リネットが何者かに殺害される事件が発生。容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。名探偵エルキュール・ポアロは“灰色の脳細胞”を働かせて事件の真相に迫っていくが、この事件がこれまで数々の難事件を解決してきたポアロの人生をも大きく変えることになる。
というお話です。
第一次世界大戦時、英国の兵士として従軍していたポアロは、その頭脳で部隊の行動を手助けしていましたが、目の前で上官を亡くし、顔にも大怪我を負います。愛する女性の助言により、怪我を隠すために大きな口髭を生やすようになります。
1937年、ロンドン。既に名探偵として名を馳せていたポアロは、あるクラブを訪れます。大好きなスイーツを楽しみながら店内を観察していると、一組のカップルが現れます。ジャッキーとドイルは婚約をしているのですが、ジャッキーが友人の、富豪であるリネットにドイルを紹介すると、二人は見詰め合って情熱的なダンスをします。
それから6週間後、リネットはドイルと結婚します。友人のジャッキーの婚約者だったドイルですが、運命的な出会いでリネットと結婚に至ったようでした。二人の新婚旅行はエジプト。たまたま、エジプトを旅していたポアロは、オリエント急行で出会ったブークと再会し、彼の友人であるリネット夫妻と一緒に旅をすることになります。
エジプトのナイル川をめぐる豪華客船内で、新婚旅行を楽しんでいたリネット夫妻ですが、ドイルの元婚約者ジャッキーが現れ、二人を突け狙います。彼女は奪われたドイルに未練があり、二人に付きまとっているのでした。
リネットは、ポアロにジャッキーを何とかして欲しいと頼みますが、付きまといだけでは何も出来ないと断ります。仕方なくリネット夫妻はジャッキーから逃れるために、ロンドンへ帰る決断をしますが、その夜、銃声が鳴り、リネットが寝室で殺されてしまいます。一体、誰がリネットを殺したのか、乗客の誰もがリネットを殺す動機があり、ポアロの推理が始まります。後は、映画を観てくださいね。
コロナで随分と公開が伸びてしまったこの作品ですが、豪華で素晴らしい内容は、変わらずに楽しめました。面白かったです。1978年に映画化された「ナイル殺人事件」は何度もTVで放送されたので、内容は知っていたのですが、知っていても、雰囲気も何もかもが変わっていて、楽しむことが出来ました。
ポアロは、前作の「オリエント急行殺人事件」から引き続き、ケネス・ブラナーさんが演じていて、独特な雰囲気は変わらずでした。頭脳明晰で、どこか冷たい部分を漂わせたポアロは、どの容疑者にも脅しのように冷たい言葉を突き付けて、追い詰めて、その心理を探っていきます。結構、酷い探偵ですよね。その冷たさが、どこから来ているのかという理由が、今回の映画の最初で、少し語られていました。ポアロが従軍した戦争、そして怪我を負った経緯、愛する婚約者の存在などが描かれ、彼の髭の理由も明かされます。本筋とは別に、ポアロの過去も明かされます。
ナイル殺人事件の本筋ですが、富豪のリネットは、父親から莫大な遺産を引き継ぎ、管理をしています。友人ジャッキーの婚約者ドイルと一目で恋に落ち、ジャッキーから奪って、ドイルと結婚してしまいます。ジャッキーは怒りますよね。自分の婚約者だったのに、リネットが結婚してしまったんですから。そして恨みから、リネットとドイルに付きまとっています。
新婚旅行にエジプトへ行くと、そこでポアロに出会い、リネットの親族や友人たちを伴っての旅行が始まります。リネットは、自分が富豪であることで、心から信じられる人物は親族にも友人にもいないと感じているんです。きっと、夫ドイルでさえも、心から信じていなかったと思います。とても寂しい人でした。なので、ジャッキーに「あなたは信じていたのに。」と言った時、自分の運命を知っていたのかもしれないなって思ってしまいました。
リネットの周りには、怪しい人物が多数いました。彼女の幼馴染の会計士、元婚約者の医者、名付け親の叔母とその看護師、メイドなど、誰もが彼女を恨んでいるように見えて、疑わしいのですが、ポアロの激しい尋問で、それぞれの本性が明かされていきます。このポアロ、結構、酷い奴で、おいおい、言い過ぎじゃないの?っていうくらい、本人が言われたくないようなことを、ヅケヅケと言っていました。ポアロ、性格悪い~!って感じでした。
今回、「オリエント急行」の事件で、車掌をしていたブークとその母親が、リネットの友人として一緒に旅に加わり、ブークがポアロの相棒として活躍してくれます。でも、彼も問題を抱えていて、段々と明かされていきます。それも面白かったな。
映像が美しくて、舞台となるエジプトも美しかったです。実際にその場所で撮影したんですよねぇ。まさかCGってこともあるのかしら。とにかく美しかったです。ピラミッドとかスフィンクスとか、コロナがなければ、行ってみたいなぁと思いましたが、今は海外に行くことは出来ないですね。残念です。
そうそう、リネットを演じているガル・ガドット、本当に美しかったです。さすが”ワンダーウーマン”と言いたくなるような美しさで、リネット役にピッタリでした。こんなに美しくて富豪でとなったら、そりゃ、妬みを買いますよ。うんうん。それに対して、ドイルをアーミー・ハマーが演じていて、イケメンだけど育ちは悪そうに見えるように演じていました。どう見ても、お金目当てじゃないのぉって思うけど、まぁ、リネットは愛していたのかな。不思議でした。
全体的にはまとまっていて、とても楽しめる映画だと思いました。前の作品とストーリーは同じですが、やっぱりドキドキしましたから、演出が上手いのでしょう。犯人が解っていながらも、新鮮に楽しむことが出来たので、良いと思います。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。誰が観ても、楽しめる、王道の推理サスペンス映画だと思います。ポアロ目線で観ても、乗客目線で観ても、それぞれに新しい楽しさが味わえると思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ナイル殺人事件」