「階段の先には踊り場がある」を観ました。
Fan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
芸大の舞踊科に通い、ダンサーを目指すゆっこは、同じ大学の演劇科に通う元カレの先輩と別れた後も互いを「いいパートナー」と認め合い、同棲を続けている。そんな彼女は最近、夢をかけた留学のことや、先輩と急接近する友人・多部ちゃんの存在が気になっている。一方、平穏な毎日を送る社会人の滝は長年交際している港から結婚を意識させられていた。将来が見えずに、結婚に踏み出せずにいた滝は、大学生の時に味わったある挫折を今も引きずっていた。
というお話です。
ダンサーを目指し、芸大の舞踏科に通う”ゆっこ”は、同じ大学の演劇科に通う元カレの先輩と別れた後も同棲を続けている。
お互いを応援する”いいパートナー”だと呼び合うが、イマイチ、スッキリしない。最近は、夢をかけ応募した留学の候補になれるのか、なったとしても一人で海外留学出来るのかが不安になっている。そして先輩と急接近する友人・多部ちゃんの存在も気に掛かっている。
一方、社会人の滝は、平穏な日々を送っているが、長年交際している港から、結婚を意識させられ困惑していた。将来が見えない滝は、大学生のときに味わった、ある挫折、を今も引きずっていたのだ。
望まない方向に動き出す日々の中で、それぞれが下した決断は?そもそも決断が下せるのか。しかし時間は刻一刻と迫ってくるのだった。 後は、映画を観てくださいね。
2つの時代を生きる人々の群像劇でした。大学生の時代と、社会人になってからの時間と、それぞれが、どう生きているのかを描いているのですが、最初は、次々と色々な人が描かれていくので、あの人は学生だけど、こっちの人は社会人なのねとか、頭がこんがらがりました。時間が進むにつれて、人物が整理されていき、出てくる人々がどのように繋がっていたのかが解かってくるんです。
大学の演劇科に通っているゆっこは、別れた先輩と同棲したまま暮らしています。良いパートナーとか言っているけど、俗にいう腐れ縁ってヤツですかね。でも、ゆっこは、ちょっと先輩の事を、まだ好きなんです。そこら辺が、ちょっと面倒臭いですよね。私のような性格からいうと、好きなら好きとはっきり言えばいいじゃんって思うのですが、まぁ、そんな簡単には行かないのかな。
一応、別れたことになっているので、恋愛は自由ということで、先輩は、新しい気になる女性を見つけてしまいます。強がってはいても、やっぱり先輩が気になるゆっこですが、同時期に、留学の話が持ち上がります。推薦して貰えれば留学出来ることになるのですが、このもやもやしたまま、海外に行って良いのか悩みます。
大学を卒業し、社会人となってしばらくの滝は、学生の頃から付き合っている港と、ちょっとマンネリ状態。今日も、コンドームを何処に置いたか忘れてしまい、怒られてしまいます。怒られながらも、決まった曜日に夜の営みをする二人。これが、後々、彼らの運命を変えていくとはつゆ知らず、変わらない毎日を過ごしています。
港の方は、もう何年も付き合っている滝が煮え切らず、はっきりした答えを出さないことにイラついています。そりゃそうですよねぇ。大学の頃から付き合っていて、既に28歳になっても同棲のままで、何の行動も起こさないというのは、ちょっとどうなの?って思いますよね。お互いに解かっていて、事実婚で行こうというなら話は別だけど、ただ、何となく付き合っているままというのは、ちょっとねぇ。そんな微妙な関係が描かれていて、これ、結構、頷いちゃう人いるんじゃないかなっていう場面もいくつかありました。この男、煮え切らねーなーみたいなね。(笑)
でも、この滝と言う男性、大学生の時に夢だった事を、諦めなきゃいけなくなった事があったんです。誰が悪い訳ではなく、自分が悪いのですが、それでも諦めきれなくて、いつまでも、あの時に夢が実現出来ていたら、自分はこんなところで普通の社会人としてやっていなかっただろうにと考えてしまって、前に進めないんです。だから煮え切らないのも、ちょっと同情出来る余地はあるんです。港も、それが解っているから、今までは我慢してきたんですけどねぇ。まぁ、どうなるのかはお楽しみにね。
そんな人々を巡って描いて行くのですが、最初、映画を観る時って、ライブ的に観始めるから、同じ時間を出てくる人々は生きていると思っているんだけど、段々と、あれ?この人達、違う時間を生きているなって事が解ってくるんです。そうすると、映画が何ていうのかなぁ、二次元から三次元に変わったような、時間が何層にもなっていくから、面白いんですよね。そして、それぞれの時間で、人々が絡んでいる事が解るというのが、この映画では、とても上手く組まれていました。最後に、おおっ、ここに繋がるのかと解かって、納得してしまいました。楽しかったな。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。出演者に、あまり有名な方は出ていませんが、内容と構成が上手いので、面白いですよ。最初、ちょっとどうなっているのか戸惑うけど、それでも観ていくと、おおってなるんです。最後、観終わった時に、スッキリする作品でした。時間は、132分とちょっと長いですが、サクサクと入れ替わりで話が進んで行くので、そんなに長いと感じませんでした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「階段の先には踊り場がある」