「ミラクルシティゴザ」そして「hana-1970 コザが燃えた日」どちらも沖縄の哀しい歴史です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ミラクルシティコザ」を観てきました。

 

ストーリーは、

かつて隆盛を極めた街コザは、今やゴーストタウンの一歩手前となっていた。そこで暮らす若者・翔太の祖父ハルは、若い頃はベトナム戦争に向かうアメリカ兵たちを熱狂させた伝説のロックンローラーだったが、現在はただの変わり者として周囲から疎まれている。そんなある日、ハルが交通事故で亡くなってしまう。現世に心残りのあるハルは翔太の体を乗っ取り、翔太の魂は1970年代へと飛ばされる。そこで驚きの事実を知った翔太は、あるサプライズを思いつく。

というお話です。

 

 

沖縄市コザ、かつては隆盛を極めた街だが、現在ゴーストタウンの一歩手前!?そこで暮らす翔太は、特にやりたいこともなく、惰性な日々を過ごしていた。彼にはちょっと変わった祖父・ハルがいた。祖父・ハルは、かつて、ベトナム戦争に向かう米兵たちを熱狂させた伝説のロックンローラーだった。

ある日、自慢の祖父・ハルを交通事故で亡くし、失意の翔太の前に現れたのは、なんと死んだはずのハル。「やり残したことがある」と、ハルが翔太の身体をのっとると、翔太の魂は、タイムスリップして1970年のはるの身体へはいってしまう。

翔太はロックンローラーだったハルとして、ベトナム戦争特需に沸く70年代の沖縄に一人取り残される。ハルが体験してきた出来事を体験することとなった翔太は、その時代に起きた歴史的事件”コザ暴動”や、ベトナム戦争へ行くのが嫌で軍を脱走する米兵の存在など、驚きの真実を知ることになる。そして、沖縄の日本復帰が目前に迫ったある時、翔太はハルの為に、未来へのサプライズを仕掛けようとするが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

今年は、沖縄日本復帰50周年なんですね。だからなのか、沖縄の歴史作品が目に留まるようになって、この映画もそうですが、演劇「hana-1970、コザが燃えた日」を先日観たり、随分前に見た演劇「木の上の軍隊」を思い出したりと、深く考えさせられています。

 

同じ日本なのに、理不尽な事を強要されていて、おかしいですよね。自分たちの土地は何故か米軍基地となって、小学校の上を飛行機が飛んで、基地を無くすとか無くさないとか、全く話が進まない。その上、米軍兵による事件が起きても逮捕出来なかったりして、何なんでしょう。今回のコロナのオミクロン株も、米兵たちがマスクもせずに遊びまわってまき散らしたんですよね。こんなに時代が変わっても、沖縄の立場が変わっていないのが、本当に不思議です。政府は何をしているんでしょうか。

 

 

映画に戻りますが、この映画、うーん、ちょっと観にくい気がしました。お爺ちゃんが孫の身体を借りるんですけど、身体を取られた孫の魂は、何故か、1970年代のお爺ちゃんの身体に入るんです。ファンタジーだから、まぁ良いんですけど。若い頃のお爺ちゃんになっちゃった孫の翔太は、全く状況が解からず、戸惑っているのですが、周りの友人たちに騒がれて、これは祖父のハルの身体なんだという事に気が付きます。

 

ハルの中には、翔太の魂がいるんだけど、時々、過去の話を思い出した場面になると、昔はハルの身体にハルが入っている訳だから、いまいち、ややこしいんです。その辺りが、整理されていなかったので、観ていて辛かったかしら。もう少し、解りやすくシンプルにして、その上、タイムパラドックスにならないようにして欲しかったかな。

 

 

だって、翔太が入っていた過去は、現実と変わってしまっている訳だから、現代の翔太の身体に入っているハルはその部分の記憶が違う訳でしょ。現代の周りの人間との話が違ってきちゃうと思うし、交通事故で死ぬというハルの未来も、変わっちゃっているかもしれない。不用意に過去をどんどん変えてしまっているので、ちょっと、どうなのかな?って思いました。翔太が過去に言っても、祖父の身体の中に居るだけで、過去が変えられないようになっていれば、良かったんだけど、随分と変えちゃっていたのよねぇ。

 

それにしても、感動的な映画だったので好きでしたよ。このコザ騒動の時代、ベトナム戦争があり、米兵たちが随分と脱走をしたそうですね。この映画でも、「hana-1970 コザが燃えた日」という舞台でも、脱走兵の話が出てきました。

 

 

何故か、ちょうど良く、同じ時期に、同じ出来事の作品を観たので、一緒に感想を書かせていただきますが、この時代、日本なのに日本では無く、自由と言いながら米兵に支配されているような状態で、それなりには上手くやっていたんだろうけど、本当は大変だったんだろうと思いました。米兵相手に商売をして、何とか稼いでいる日本人なんだけど、綺麗な仕事なんて無いし、日本人の中でも序列があったりして、誰もが、いつ終わるんだろうと思っていたのだろうと思います。

 

映画では、コザ騒動の事は、それ程、取り上げられなかったけど、舞台「コザが燃えた日」の方では、その事件がクライマックスで、店の外では車や色々な物が燃えて、火炎瓶の描写もありました。米兵が好き勝手して起こした事件に反発した日本人が怒って、火炎瓶を車に投げつけ、ひっくり返したりしたらしいです。映画では、日本人同士も、喧嘩をしていたようで、ごちゃごちゃだったんですね。なんだか、日本に返還される前は、本当に大変だったんだなぁと感じました。

 

 

映画でも、舞台でも、米兵相手にバンドをしているとか、していたという話があり、日本人のロックも、結構、頑張っていたんだなと思いました。この時代のロック歌手って、あまり分からないのですが、とっても楽しそうに音楽をやっているように見えたから、人気だったんでしょうね。今、お爺ちゃんになっている方々がロックをやっていたというと、ちょっと不思議な気がするけど、カッコ良かったんだろうなぁ。

 

今、沖縄は日本に戻り、観光などで行かせていただいていますが、まだまだ、街中に米軍基地はあるし、大きな飛行機は飛んでいるし、米軍兵はマスクもしないで歩き回るからコロナが蔓延しちゃうし、困ったもんです。せめて、あの街中の米軍基地はどうにかならないのかしら。九州の方の無人島に移すとか出来ないのかしら。世界情勢が、あまり良い雰囲気じゃないので、簡単に米軍は撤退しろとは言えませんが、何か、もう少し良い方法で共存出来るやり方は無いのかしら。あまりにも沖縄の人々に負担をかけているので、申し訳ないと思うのだけれど、思うだけで何もしてあげられないのが悲しいです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。そして、もし興味があるようでしたら、舞台「hana-1970 コザが燃えた日」も観ていただきたいです。「ゴザが燃えた日」は、松山ケンイチ、岡山天音、余貴美子、神尾佑、が出演されていました。もう公演は終わったと思いますが、とても良い作品だったので、WOWOWとかで放送してくれないかな。最後に泣くほど感動する作品でした。「ミラクルシティコザ」は、上映が始まったばかりなので、単館系映画館でお楽しみください。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ミラクルシティコザ」