「オペレーション ミンスミート ナチを欺いた死体」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
1943年。劣勢を強いられる英国軍はイタリア・シチリアの攻略を目指すが、シチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められていた。英国諜報部(MI5)は状況を打開するため、驚くべき奇策をチャーチル首相に提案する。「オペレーション・ミンスミート」と命名されたその作戦は、「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙し討ちにするというものだった。
というお話です。
1943年、打倒ナチスに燃えるイギリス軍はドイツ軍の防備に固められたイタリア・シチリア島を攻略する計画を立てていた。しかし、シチリアへの上陸はドイツも予想しており、正面から行ったのでは玉砕が目に見えていた。
そこで英国諜報部のモンタギュー少佐、チャムリー大尉、イアン・フレミング少佐らが練り上げたのが、欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”だ。“イギリス軍のギリシャ上陸計画”を示す偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙そうとする奇策だ。もし、文書がドイツ軍に渡り信じて貰えたなら、シチリアの多くの軍はギリシャに移動し、
シチリアへの上陸作戦は成功するハズ。
彼らは秘かに入手した死体に名前と役職を与え、イギリス軍の少佐が、秘密文書を運ぶ途中で亡くなって、海に流されてしまったという、100%嘘のプロフィールをでっち上げていく。こうしてヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込む、一大騙し合い作戦が始まるのだが、本当にドイツ軍が引っかかってくれるのか。MI5のモンタギューたちは、この一か八かの作戦に賭けていく。
戦後長らく極秘扱いされていた驚愕の作戦の全容がいま明らかになる。後は、映画を、観て下さいね。
この映画、細かくて難しかったけど、面白かったです。作戦名がミンスミートとかいう名前になってるけど、元々は、トロイの木馬作戦という名前で、死体を敵方に拾わせて作戦を混乱させるという、作戦名そのマンマの作戦でした。でも、それじゃマズいという事で、ミンスミートに変えたそうです。
第二次世界大戦のこの時期、イギリス連合国側はドイツ3国同盟側に劣勢状態で、このままでは本国に攻め込まれるのではという感じでした。チャーチルは、この劣勢状態を覆すべく、作戦を練っていたのですが、イタリアに攻め込むならシチリアからというのが王道で、ドイツは待ち構えていたんです。なので、まともにぶち当たったのでは、負けるに決まっている。何とかシチリアの軍を減らせないかと考えて、MI5が出した作戦がこれなんです。
チャーチルは、他の将校たちが反対する中、この作戦にゴーサインを出して、モンタギューたちは動き出します。結構、細かく描かれていて、死体探しから始まります。溺死体でないと調べられたら嘘が解ってしまうので、溺死体で新しくて、作戦日まで腐らない状態でという難しい注文をつけて探させます。そして、上位軍人でないと秘密文書を持ってる訳がないので、経歴も作ります。辻褄が合うように似た人間が行動して、本当に存在したという証拠も作ります。こんなに面倒臭い事って観ている方が思うほど、完璧な作戦にする為に作り上げていくんです。
でね、作戦が実行されるんだけど、本当に上手くいくかわからないんですよ。だって、死体をちゃんと拾ってくれるかも分からないし、その文書が機密文書としてドイツ軍の上層部まで行くかも分からないでしょ。細かく調べて、そうなるように仕向けてはいるけど、確実じゃないので、最後は神頼み。笑ってしまうけど、本当なんです。
実は、もっとスパイが絡んできたりして色々あるんだけど、あまりに内容が深いので、簡単に理解が出来なくて、映画鑑賞後に映画ライターの森さんと立田さんが原作を読んで説明して下さったので、理解が出来ました。スペインやソ連の立ち位置などが、歴史を知ってないと、どうしてそこに出てくるか分からないんです。説明を聞いて、もう一度観たくなったので、公開したら、また行こうと思ってます。
この作戦、とんでもなくて面白いんです。こんな事してたんですね。この作戦を作っていた3人の中の1人である、イアン・フレミング少佐は、あの007の原作者です。。こんな仕事をしていた事が、あんな面白い小説を生み出すことになったんですね。このオペレーションミンスミートも、彼の立案でした。森さんが教えて下さったのですが、007の「007は二度死ぬ」という映画で、死体を流すとかっていうストーリーがあったそうですね。私は覚えていませんが、この作戦が元になっているのかな。
こんな困難な作戦を実行しながら、モンタギューとチャムリーは、同僚の女性を巡っての三角関係で揉めていきます。モンタギューは、妻と子供を、ユダヤ人なのでアメリカに逃がしていて、もう二度と会えないかもという別れをした後なので、寂しかったのかな。でも、離婚はしていないので不倫よね。この恋愛も、ちょっと楽しめる一つとなっています。仲間内でごたごたしちゃったら、作戦に支障が出るのに、困ったことです。
それ以外にも、このモンタギューの弟が、ソ連のスパイだったりということもあります。もう、2時間の映画の中に、内容が盛りだくさんで、説明しきれませんし、覚えられないから、やっぱり2度観ないとダメですね。一つ一つが面白いのに、全部覚えきれないから、解説を聞いて、歴史を解って、ある程度の内容を知ってから観る方が、より楽しめると思いました。
チャーチル首相も出てくるんだけど、とっても似ていて、ちょっとかわいかったなぁ。それからジョン・ゴドフリーという上官が出てくるんだけど、超性格が悪くて、イヤな奴で、この人が、007のMのモデルになった人と言われているそうです。うん、解る気がすると思いました。
原作では、このモンタギュー役は、もう少し若い設定だそうです。コリン・ファースが演じるということで、年齢を上げて作られたようですね。実際のモンタギューは、もう少しメチャをするような設定のようです。鑑賞後の説明を色々聞いていて、これは、ぜひ、原作も読まなくちゃと思いました。読んだ後に観たら、また、面白いだろうな。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。戦争映画だけど、銃撃戦などは行われず、頭脳戦がメインです。私は、頭脳戦の方が好きなので、この映画は、もっと深く知りたくなりました。ちょっと恋愛が絡んでくるけど、その部分は、別に要らないなぁと思っちゃったけど、他国のスパイ関係は、もう少し細かく描いて欲しかったかなと思いました。でも、この頭脳戦は、本当に面白いです。実話ベースの作品です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「オペレーション ミンスミート ナチを欺いた死体」