「鹿の王 ユナと約束の旅」を観てきました。
ストーリーは、
最強の戦士団「独角」の最後の頭であったヴァンは、強大な帝国・東乎瑠(ツオル)との戦に敗れ、奴隷となり岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不思議な山犬の群れが岩塩鉱を襲い、死に至る謎の病「黒狼熱(ミツツァル)」が発生。その隙に逃げ出したヴァンは、幼い少女ユナを拾う。一方、東乎瑠の民だけが病にかかると噂される王幡領では、天才医師ホッサルが懸命にその治療法を探していた。
というお話です。
かつてツオル帝国は圧倒的な力でアカファ王国に侵攻したが、突如発生した謎の病・黒狼熱(ミッツァル)によって帝国軍は撤退を余儀なくされた。以降、二国は緩やかな併合関係を保っていたが、アカファ王国はウィルスを身体に宿す山犬を使ってミッツァルを再び大量発生させることで反乱を企てていた。このミツツァルは、ツオル国民は感染して死に至るのだが、アカファ国民は、何故か感染しないのだった。
ミッツァルが国中で猛威を振るう中、山犬の襲撃を生き延びたヴァンは身寄りのない少女ユナと旅に出るが、その身に病への抗体を持つ者として、治療薬開発を阻止したいアカファ王国が放った暗殺者サエから命を狙われることになる。”跡追い”の能力を持つサエは、人の行動心理を読むことによって、向かった先を見つけることが出来るのだった。
一方、治療薬を作るためヴァンの血を求める医師のホッサルも懸命にヴァンを探していた。天才的な医師のホッサルは、呪いや神が病気を作ると考えられている時代に、科学によって病気を治そうとする医師であり、ミッツァルの抗体を持つヴァンを探していたのだ。
ある村で、ヴァンとサエとホッサルは出会うこととなり、それぞれの考えを貫こうとするが、人々の営みに触れ、命の在り方を考えるようになる。しかし、ミッツァルの恐怖は直ぐそこまで押し寄せ、国々の様々な思惑と陰謀が交錯した時、運命が動き始める。
後は、映画を観てくださいね。
この映画、楽しみにしていました。随分と延期されたので、やっと観れたという感じです。原作は、まだ読んでいないのですが、予告とあらすじで、大まかな内容は解っていました。
この物語の世界は、沢山の国が戦いを繰り広げていた戦国時代のようで、負けた国の人間は勝った国の奴隷となり、それが繰り返されていたようでした。主人公のヴァンは負けた国の将軍であり、今は奴隷として労働させられています。ある日、その作業場にミッツァルを媒介する狼が押し寄せ、労働者や監督者に襲い掛かります。ヴァンも狼に噛まれるのですがミッツァルには感染せず、近くにいた女の子・ユナも感染しませんでした。
ヴァンはユナを連れて、その地を離れ、行く当てもなく旅を始めます。途中で、ピュイカ(鹿)の扱いに困っている村人を助け、その村に居つくようになります。このピュイカ、”もののけ姫”のヤックルそっくりで、ついヤックルゥ~!って呼びたくなっちゃう感じでした。このヤックルが、ミッツァルに深い関係がある事が最後の最後で解かってきます。
ユナですが、ヴァンだけでなく、ユナも狼に噛まれてもミッツァルに感染せずに生き延びるんです。ユナの出生は映画では描かれていないのですが、きっと、アカファ国系の民族だったのかな。子供だから可愛いのかなと思ったんだけど、映画を観ていたら、段々と好き勝手なことをして、ヴァンに迷惑をかけていたので、ウザッと思ってしまいました。子供って、大人しくしていると可愛いけど、時々、ウザッてなるよね。面倒臭くなっちゃう。どちらかと言うと子供は好きな方なんだけど、あまりにまとわりつかれたり、邪魔したりすると、嫌になっちゃう。あ、ツイ、本音が出ちゃった。
ヴァンは、辛抱強くユナを育てていました。とても可愛がっていて、血の繋がりなど、どうでもいいことに感じてしまうほどでした。血が繋がっていても虐待して子供を殺してしまう親がいる反面、血の繋がりは無くても、愛おしく思って育ててくれる人もいるんですよねぇ。日本も、もっと里親制度を充実させれば良いのにと思います。
以前にも書いたと思うけど、父の友人の米国人は、自分の子供を3人育てた後に、3人の養子を貰って育てていました。何でそんな事が出来るのかと聞いたら、自分の子が健康で立派に育ったから、その恩返しで養子を育てたと言っていました。自分の子が巣立ってから養子を迎えていたので、40~50歳くらいで迎えていたと思うんです。日本は、50歳で養子なんて、年齢的にダメですと言われるんでしょ。おかしいですよね。裕福になって余裕もあるのだから、養子を迎えるのにちょうど良いハズなのに、おかしな制度ですよ。年齢が高くて、体力的には劣るかもしれませんが、その分の経験があるのだから大丈夫でしょ。頭が偏っている日本の行政は、もう少し考えたら?って感じです。
話を戻しまして、”鹿の王”という伝説があって、自分の身を犠牲にして人々を守ったという、大きな鹿の話があって、鹿の王と呼ばれるようになったそうで、ヴァンも、自らが狼たちを率いる事でミッツァルを抑えようとするという事なのかなと思いました。でもね、別にヴァンがそうしなくても、ホッサルがワクチンを開発したから、問題無くなったと思うんだけどね。まぁ、昔の考えが残る世界でのお話だから、これで良いのかなと思いました。
ヴァンを堤さん、ホッサルを竹内さん、サエを杏さんが演じていて、とても上手かったです。堤さんと杏さんは声が良いし、声の仕事もされているので上手いのは知っていましたが、竹内さんが、こんな落ち着いた大人の男性の声を演じて、こんなに上手いとは驚きました。ホッサルはピッタリでしたし、演技も上手かったです。声の仕事もイケますね。
アニメとしても動きが美しく、もののけ姫を思い出すような情景もあり、感動でした。ミッツァルがダイダラボッチ的な感じで、恐かったです。この監督、良いですよね。私は好きです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良いお話なのですが、やはり映画版にする為に、少し話を変えているようで、イマイチ、”飛び飛び”という感じが否めませんでした。アニメは最高と言いたいけど、ストーリー的に苦しかったかな。前後編にしたら、もっと細かく描けて良かったのかもしれませんが、このファンタジー作品で前後編は、興行的に難しいですよね。こうなったのはよく解ります。私は好きなので、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ユナと約束の旅」