「ちょっと思い出しただけ」もしかしたら、ちょっとネタバレになっているかも。ごめんなさい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ちょっと思い出しただけ」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

怪我でダンサーを諦めた照生と、タクシードライバーの葉。かつて恋人同士だったふたりは、6年間の7月26日について少し思い出す。特別な日や何気ない日常、同じものはひとつもない。しかしそれらは、ふたりにとって、もう戻る事のできない愛しい日ーだった。

というお話です。

 

 

2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生は、朝起きていつものようにサボテンに水をあげ、ラジオから流れる音楽に合わせて体を動かす。ステージ照明の仕事をしている彼は、誕生日の今日もダンサーに照明を当てている。

一方、タクシー運転手の葉は、ミュージシャンの男を乗せてコロナ禍の東京の夜の街を走っていた。目的地へ向かう途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自身もタクシーを降りると、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行く葉。すると彼女の視線の先にはステージで踊る照生の姿があった。

時は遡り、2020年7月26日。照生は部屋でリモート会議をし、葉は飛沫シートを付けたタクシーをマスク姿で運転している。照生は誕生日の夜に誰もいない部屋で静かに眠りにつく。また一年遡り、誕生日を迎えた照生は、昼間は散髪屋で伸びた髪を切り、夜はライブハウスでの仕事を終えたあとに行きつけのバーで常連のフミオとダンス仲間の泉美と飲んでいた。



 

同じ頃、居酒屋で合コンをしていた葉は、煙草を吸いに店の外に出たところで見知らぬ男から声をかけられ、話の流れでLINEを交換することに。葉のアイコンを見た男が「あれ、猫飼ってるんですか?」と尋ねると、葉は「いや…今は飼ってないけど」と返し、続けて「向こうが引き取ったから」と切ない表情でポツリと呟く。彼女がLINEのアイコンにしていた猫は、いまも照生が飼っているモンジャだった。

時は更に1年、また1年と遡り、照生と葉の恋の始まりや、出会いの瞬間が丁寧に描かれていく。不器用な2人の二度と戻らない愛しい日々を“ちょっと思い出しただけ”。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画は、きっと誰もが経験したことあるだろうなーって感じの恋愛の時間を描いています。出会って、付き合い始めて、盛り上がる時期があって、段々と失速して、それぞれの考え方の違いが解ってきたりして、別々の道を歩くことになってしまう二人の、何とも言えない6年間を描いています。

 

2021年、照生はいつも通りの日課を終えて、仕事に行きます。照明技師としては、まだまだ下っ端ですが、舞台のダンサーにライトを当てて、上司に怒られながら頑張っています。実は、彼は以前は舞台に立つ方であり、ライトを当ててもらう方だったのですが、怪我で舞台を降りることになったんです。今は吹っ切れていて、照明の仕事を頑張っているんですけどね。時々、ちょっと、舞台の上に立っていた自分を思い出すという感じかな。

 

 

同じ頃、葉も仕事をしていて、ある場所で照生と交差するのですが、声をかけずに、そのまま消えてしまいます。ここで、照生と葉が昔付き合っていたのだなぁという事が解り、葉が何も言わずに去った事で別れたんだろうという事も解ります。この別れた二人というところから、物語が始まるんです。

 

なので、二人はそれぞれに生活をしていて、今は別々だけど、何故別れることになったのかということが、描かれていき、じゃ、その前は、どんな二人の生活があったのか、どうやって付き合うことになったのかなどが、段々と描かれていきます。まるで、タイムマシンに乗って、過去へ過去へと戻って行くように、観ているこちらも戻って行きます。

 

 

うーん、何処までがネタバレにならないのかな?あらすじに書いてあるところまでなら良いかしら。えっと、二人は、本当に良いカップルでした。きっと、この二人なら、上手く行くような気がするなぁという雰囲気に見えたんです。でもね、それが段々と違うことに気が付いて行くんです。彼女は、ちょっと気が強くて、黒か白と決めたいタイプですが、照生は、芸術的なダンスをしているせいかもしれませんが、あまり決めたがるタイプではありません。気持ちで動くタイプなんです。なので、観ていると解るのですが、決定的に、この二人、根本が違うのだという事に気が付きます。

 

でもね、決定的に根本が違っても、上手く行くカップルっているんです。それは、どちらか一方が引いてあげられる事。この部分は自分が引いてあげようという事が出来ないと、根本が違うカップルは無理です。この映画の二人はダメそうでしたね。

 

 

照生は、葉と付き合っている時に、人生の転機を迎えます。怪我をして、一生の仕事と思っていたダンスを辞めなければならなくなるんです。凄くショックだったと思うし、何も考えられなかったと思うんです。で、しばらく動けなくなってしまうのですが、葉は、それを待てないんです。照生が立ち直るまで待てないので、何で返事をくれないのとか言ってしまうんです。いやぁ、これはダメでしょ。これは続かなくなる典型的なパターンだと思いました。

 

でも、その前は、とっても良いカップルだったんですよ。だって、何年かは付き合っていたんだから、根本は違っても、お互いに好きだったんでしょうね。これだけ付き合っていたら、大体は結婚まで行きそうだけど、そうじゃなかったのかなぁ。男女の関係は、難しいなぁ。

 

 

この映画で、私がちょっとイヤだなと思ったのは、やっぱり女性は、早い内に結婚して、子供を産んで、家庭を持つのが一番幸せだと言っているような部分があって、あー、やっぱり一般的な考え方はそうなのかしらと残念に思いました。

 

ごめんなさい、私は、早く結婚して子供を産んで家庭を持つというのは、自分のやりたい人生を全う出来なくて、負けたから、一般的な生活に入ったと思ってしまうタイプです。もちろん、子供を産んで育てるのは幸せな事だと思うけど、私は我が儘なので、自分がやりたい事が一番で、その次に”結婚と子供”なんです。きっと、それぞれに考え方は違うと思うけど、誰もが結婚して子供を持つことを一番幸せだとは思っていないという事も知って欲しい。私は誰かの為にキャリアを捨てられない人間です。仕事が楽しいのに、子育てや家事の為に仕事を辞めてくれと言われて、会社を辞める男性はいないですよね。それと一緒です。

 

 

この映画にとても似ていると思ったのが、「ボクたちはみんな大人になれなかった」という映画で、やはり伊藤さんが元カノの役で出演されていて、同じ結果なのですが、結婚&子供が普通と思っているからでしょうね。どちらの映画も、とても私には違和感がありました。こんなに結婚しない人が多いというのに、普通として描かれている事は、あまり望んでいる人がいないということじゃないでしょうか。まぁ、少子化で困っているから、子供を産んで貰う為に、呪いのように、これが普通だと刷り込みたいとは思うけど、無理に結婚して子供を産むなんて、やらなくて良いんです。だから、虐待とかが出てしまうんですよ。なので、これが普通の幸せだと描かれると、とても違和感があります。

 

ごめんなさい、少し映画の内容から反れてしまいました。でも、ちょっとその部分が引っかかってしまったんです。その部分以外は、雰囲気も良かったし、音楽とのコラボも良かったし、ジム・ジャームッシュのオマージュ的な部分も素敵でした。雰囲気の良い作品でした。別に、大きな事件が起きるでもなく、普通の人間の生活を描いていることが、何とも言えずに良いという感じでした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、よく出来ていて、楽しめるし、恋愛映画としても上手く出来ていると思いました。色々な出会いがあって、別れもあって、そして新しい生き方を見つけていくという人間ドラマが、良いなぁと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ちょっと思い出しただけ」