「前科者」どうして弱い者を虐める人々がいるのでしょう。弱い者は助けるべきだと思わないのかしら。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「前科者」を観てきました。

 

ストーリーは、

保護司を始めて3年となる阿川佳代は、この仕事にやりがいを感じ、さまざまな前科者のために奔走する日々を送っていた。彼女が担当する物静かな前科者の工藤誠は順調な更生生活を送り、佳代も誠が社会人として自立する日を楽しみにしていた。そんな誠が忽然と姿を消し、ふたたび警察に追われる身となってしまう。一方その頃、連続殺人事件が発生する。捜査が進むにつれ佳代の過去や、彼女が保護司という仕事を選んだ理由が次第に明らかになっていく。

というお話です。

 

 

ふたつの仕事をかけ持つ阿川佳代、28歳。コンビニ勤務は至って平穏だが、もう一つの務めは波乱に満ちていた。元受刑者の構成を助ける保護司という仕事で、国家公務員だが、ボランティアのため報酬は一切ない。それでも阿川は、次々と新たな問題を起こす前科者たちを、「あなたは崖っぷちにいます!」と厳しく叱り、「落ちたら助けられなくなります」と優しく励ます。


「もっと自分の人生を楽しめば」と周りには言われるが、何があっても寄り添い続ける覚悟に一転の曇りもなかった。そんな中、阿川は殺人を犯した工藤誠を担当することになり、懸命に生きる彼を全力で支える。ところが、工藤は保護観察終了前の最後の面談に現れず、社員登用が決まっていた自動車修理工場からも悠然と姿を消す。

 


 

折しも連続殺傷事件が発生、捜査線上に工藤が容疑者として浮かんでしまう。担当刑事が阿川の同級生だったことが分かり、これまで阿川が隠してきた過去や”保護司になった理由”が明かされていく。一方、置いてきた過去に再び向き合うことになった工藤は、その気持ちを静めることが出来るのだろうか。そして彼を信じてその更生に全力を注ぐ阿川。二人がたどりついた先に見える希望とは?

後は、映画を観てくださいね。

 

この映画は、WOWOWのドラマシリーズの映画版ですね。ドラマの続きという感じかな。ドラマも良かったので、期待して観に行きましたが、予想を裏切らず、感動的でした。原作は読んでいないのですが、TVドラマ版はとても良く出来ていて、感動的だったんです。

 

 

主人公の阿川は、工藤という、殺人事件の前科者の保護司を務めることになります。無口で、どこか怯えた様子のある工藤ですが、真面目そうな男性です。阿川は、いつもの通り、親身になって彼のサポートを始めます。初めて会った時は、昼ご飯に牛丼を振る舞うのですが、実は、工藤はその前に店で牛丼を食べていて、既にお腹いっぱいなのに、出された牛丼を美味しそうに食べるんです。とても良い場面でした。

 

それから、順調に仕事をして、このまま保護観察も無事に終わるかと思ったのですが、そこで事件が起きます。工藤には弟がいて、彼の前に現れるんです。工藤兄弟は子供の頃にDVを受けていて、母親と逃げるのですが、行政の手違いで父親に見つかり、目の前で母親を殺されるという経験をしています。その後も、保護施設で酷い扱いを受けたりと、経歴を見ると酷い状態なんです。そんな兄弟が揃い、弟は自分が受けた仕打ちに対しての復讐を考え始めているんです。

 

 

そんな事を何も知らない阿川は、工藤が順調に更生しているのを嬉しく思っていたのですが、突然に殺人事件の容疑者だと警察から言われて驚きます。つい、この間までは何の問題も無かったのに、心配で警察と一緒に工藤を探し始めます。でね、この警察官が、阿川の同級生なんです。そこで、阿川の過去が明かされていくのですが、それはネタバレになるので書きません。でも、阿川も苦しんで、考えて、保護司という仕事を選んだんです。

 

工藤は、弟の復讐を止めようとするのですが、弟の意志は強くて、止めることが出来ません。この兄弟のお話は、本当に可哀想でした。どうして途中で助けてあげることが出来なかったのかと思います。なんで弱い者を見つけると、虐めたくなる人がいるのかしら。とても不思議です。守ってあげたいとか思わないのかな。私は、弱い事を武器にしている人に対しては、冷たい態度を取りますが、そうでなければ助けてあげるのが道理だと思っています。この映画だと、弱い者は何処までも虐められるという事が描かれていて、確かに、こういう事が実際に起きているから描かれているのだと思うけど、観ていて辛かったです。

 

 

内容としてはとても充実していたし、脚本も良い上に、キャストの方々の演技も素晴らしかったので、つい、前のめりになって観てしまいました。TVドラマも観ていたので、つい、阿川に共感してしまって、目が離せなくなりました。やっぱり、この映画では、有村さんと森田さんの演技が素晴らしくて、そこが一番の魅力かなと思いました。有村さんは、ドラマの時も良かったので驚きませんが、森田さんは、あまりにもハマっていて、可哀想で抱きしめたくなりました。彼は、本当に上手いですよね。舞台でも何度か観ているのですが、やっぱり、その役への入り込みが尋常じゃないです。素晴らしいと思います。ああー、また森田さんの”鉈切丸”が観たくなってきたぁ~!

 

今回は、周りを固めている役者も良かったです。刑事役の磯村さんも良かったなぁ。阿川の同級生で刑事という役なのですが、複雑な感情を持った役で、彼の登場も主役二人の印象を引き立てたと思います。磯村さんも、若いのに凄いですよね。大好きな役者さんで、舞台”泥人魚”でも、その演技の幅を広げていましたが、今回も良かった。マキタスポーツさんとのコンビがイイ感じでした。サウナーズも大好きよ。

 

 

そうそう、石橋さんが演じている、斉藤みどりは、ドラマ版で阿川が最初に保護対象者とした人です。この斉藤とのドラマもとても良いので観て欲しいのですが、更生した後、阿川のとても良い相談相手というか友達として出てきます。石橋さんも素敵ですよね。

 

最近、若い役者さんが、本当に上手くなってきているので、勉強していないアイドルタレントを起用すると、マジで浮いてますよね。アイドルが出演すると言うと、全く観る気が無くなる今日この頃です。役者としてまじめにやりたいなら、出演する時はグループ名を外すとか、いきなり主演ではなく脇役で良い味を出して認められてからにするか、どちらかにして欲しい。青春ラブコメとかも、以前は出来るだけ観ていたのですが、もう観る気が無くなりました。あまりにも演技が酷いんですもん。いい加減にして欲しいです。

 

 

この映画、私は凄く気に入ったので、超!超!お薦めしたいと思います。きっと、私はドラマ版を観ていたから入れ込めたという部分もあるのかな。ドラマは、WOWOWオンデマンドでも観れますが、Amazonプライムでも観れるようです。出来ればドラマも観て、この映画を観て頂けると、周りの人々との関係も解りやすいので、良いと思います。この映画、表社会には出てこない人々の苦しみや悲しみを描いているので、感動出来ると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「前科者」