「香川1区」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
衆議院議員・小川淳也氏(50歳・当選5期)の初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年公開)は、ドキュメンタリー映画としては異例の観客動員35,000人を超える大ヒットを記録、キネマ旬報ベスト・テンの文化映画第1位を受賞し、NetflixやAmazonプレイムビデオなどで配信され、今なお広がり続けている。
続編への期待が寄せられる中、次作に向けて小川議員への取材を続けていたが、この秋に行われた第49回衆議院議員総選挙に焦点を当てた新作ドキュメンタリー『香川1区』の公開を急遽決定。
2003年の初出馬から1勝5敗と闘いに窮し、比例復活当選を繰り返してきた小川氏。香川1区で彼の前に立ちはだかってきたのが、自民党の平井卓也議員だ。四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員の平井氏は、前回2017年の総選挙で小川氏に辛勝。
その後、小川氏は統計不正についての国会質疑や映画で注目され、その知名度は全国区に広がっていく。2020年に菅政権が誕生すると、平井氏はデジタル改革担当大臣に就任。保守地盤である香川の有権者にとって「大臣」の肩書は絶大で、小川氏の苦戦は免れないと思われたが、平井氏はオリパラアプリに関する不適切発言などでマスコミの標的となっていく。
本作は『なぜ君…』の続編的位置付けとして、いまや全国最注目といわれる「香川1区」の選挙戦を与野党両陣営、各々の有権者の視点から描き、日本政治の未来を考える一作として世に問いかけたい。
というお話です。
前作も話題になっていて、今作も、映画館には結構たくさんの人が入っていました。私は、前作は観ていなかったので、この映画を観た後に、ネトフリにて「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観ました。素直に思ったことを書きたいんだけど、政治のことになってしまうので、凄い文句をコメントしてくる人がいるんじゃないかと怖いですが、一応、私は野党とか与党とか、どちらかを押している訳ではないし、はっきり言って、政治の事は解からないし、あまり興味もありません。なので、素直に書いてどちらかの肩を持つことになってしまっても、意図はないので、あまり虐めないでください。では、書いていきましょう。
この映画、ドキュメンタリーなので、宣伝映画ではありませんと制作の方が話している場面がありましたが、うーん、私には、やっぱり宣伝しているように見えました。何故なら、映画とは主人公の方を中心に撮影するので、どうしても、その主人公に敵対する人間は、悪意を持った撮影になるんです。というか、観ている人間も敵だという観方になってしまうんです。それが映画というものなので、それで宣伝ではないと言われても、現実味が無いです。主人公が小川さんなら、彼の宣伝になっているのは当たり前だと思います。それを偉そうにドキュメンタリーだから宣伝ではないと言い切ってしまうのは、映画を撮影する方々としてどうなのかなと思いました。映画の特性は十分に解っている方々ですよね。
観ていると小川さんの良い部分のみを撮影しているんです。50歳になったら引退すると言っていたのを反故にしたことも、適当に流されちゃって、全く追及することもなく、正直そうな場面ばかりで、汗をかきながら選挙運動を自転車でしている姿などを映しているんです。そりゃ、良い人なのかもしれませんよ。でもね、良い人なら政治家にならないでしょ。良い人は政治家には向いていませんから。人を信用して、正直に何でも答えるような人間に政治家は出来ません。悪いことも出来る人でないと、あんな悪の巣窟のようなところで、駆け引きなんて出来ませんよ。
”正直者はバカを見る”とならなくて良かったと、選挙に受かった後にどなたかがお話していましたが、正直者なら政治家になって貰っては困るんです。全て騙されて、国から予算も取れず、ただ吸い上げられるだけの地方都市になってしまいます。嘘もつけて、交渉が出来る人間でないと地元が困ることになります。それを考えて、投票しないとね。ちょっと名前が売れたからって、投票をしてはいけません。地方にお金を持ってこれる人間に投票しないと、意味が無いんです。
この方は、映画が無ければ負け続けた方ですよね。だって、訴えていることは、綺麗ごとばかりですもん。そりゃ、国を良くしたいのは誰も一緒だと思いますよ。でも、今まで出来てこなかったのは、綺麗ごとばかり並べる能力のない政治家ばかりだったからでしょ。結局、自民党の長老的な方に牛耳られていて、下の方でキャンキャン騒いでいる犬ぐらいにしか見えないんです。それなら、ゴマを擦って、悪いことをしながらでも上り詰めて、何か変えてくれる人が良いけど、何故か上り詰めると、悪い奴になっちゃうのが困っちゃうんですよねぇ。どうしてなのかしら。(笑)
それにしても、小川議員の敵の議員さんが2名出てくるのですが、酷い描き方でした。特に平井さんは、まるで悪魔の手先のような描かれ方で、不正があるとか、金持ち一族の息子だとか、悪い事ばかり描かれていて、そりゃ相手陣営は怒りますよ。小川さんだって、悪い事はあると思うけど、そこは観ない振りなんですよねぇ。宣伝ではないというなら、お互いの候補者の良い部分を描いてあげるべきなんじゃないの?一方だけの良い部分だけを描くのはおかしいんじゃないですか?別に、平井議員がどんな方かは知りませんが、あまりにも描き方にギャップがあったので、これは酷いなと思いました。女性候補者なんてちょっとインタビューをしただけですよ。女性を馬鹿にしているのかな?
公正なドキュメンタリーだというなら、今度は平井さんのドキュメンタリーを撮ったらどうなんでしょ。そうすれば一方の宣伝にはならないと思いますので良いんじゃないかな。ドキュメンタリーって、難しいんですよね。そのままを撮影していると言っても、撮影する人の意思が入ってしまうので、誘導してしまう部分が出るんです。必ずしも、そのままが映っている訳ではないんです。
この映画の場合は、小川議員が良い人で正直で、議員になるのに相応しいという撮影者の意思が入っています。だから、違和感があるんです。まさか、この映画を、素直に真実だと受け取っている方はいないと思いますが、政治関係のドキュメンタリーは、本当に観る時に気を付けなければなりません。普通の映画を観るのとは違い、その映画に入り込まずに一歩引いて、全体を観ながら、その中の一つの考え方として映画をとらえないと、誘導されて変な思想に偏ってしまう危険性があります。
まぁ、この映画は、そんな危険な映画ではありませんが、香川1区の方々は、この映画によって小川議員に投票した方もいるんですよね。やっぱり、それはマズいんじゃないですか?地方都市の為にならないと思いました。
色々と書きましたが、ドキュメンタリー映画、私は好きなタイプです。動物モノとか、事件モノとか、公害モノなどなど、たくさん観ますが、やっぱり政治モノは、いつ観ても考えてしまいます。トランプ大統領のドキュメンタリー「華氏199」だと、巨大な力にマイケル・ムーアが立ち向かうという構造なので、どんなに酷い事をしても、どこか滑稽で相手もビクともしないんだけど、日本の政治関係ドキュメンタリーって、どこか陰険で暗い感じなんですよね。菅前総理のドキュメンタリーも、虐めを助長しているように見えてしまうほど偏りがあるんです。この映画も、ヒーローと悪人という感じに観えてしまい、ちょっとどうなのかなぁ~と感じました。もちろん、それは私個人の感じ方なので、そうじゃない方もいらっしゃるんだろうとは思います。でも、やっぱり宣伝に見えますよ。
私は、この映画、一応、お薦めしたいと思います。政治関係のドキュメンタリーとして、宣伝ではないけど宣伝になってしまっているという現実を観るのに良いと思いました。もちろん、宣伝では撮っていないのだろうと思いますが、私には宣伝に映りました。ドキュメンタリーを撮影する方には、本当に考えて欲しいです。どうしても撮影や編集で、その意志が介入してしまうのは否めないとは思いますが、冷静に公平ではなく公正に描いて欲しいと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「香川1区」
↓私も宣伝しちゃってあげちゃってますね。(笑)