「クライ・マッチョ」イーストウッド監督の作品は滑らかで上品さがあるので観た後、気持ち良いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「クライ・マッチョ」を観てきました。

 

ストーリーは、

かつて数々の賞を獲得し、ロデオ界のスターとして一世を風靡したマイク・マイロだったが、落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、家族も離散。いまは競走馬の種付けで細々とひとり、暮らしていた。そんなある日、マイクは元の雇い主からメキシコにいる彼の息子ラフォを誘拐して連れてくるよう依頼される。親の愛を知らない生意気な不良少年のラフォを連れてメキシコからアメリカ国境を目指すことになったマイクだったが、その旅路には予想外の困難や出会いが待ち受けていた。

というお話です。

 

 

ロデオ界のスターだったマイクは落馬事故以来、数々の試練を乗り越えながら暮らしていた。既に妻と息子は事故で亡くなっており、孤独な独り暮らしだ。

そんなある日、元雇い主から、別れた妻に引き取られている13歳のの息子ラフォをメキシコから連れ戻してくれと依頼される。元妻は酷い女で、息子が虐待されているらしい。しかし、母親の元に居る息子を連れ出すというのは、犯罪スレスレの誘拐の仕事だった。それでも、元雇い主に恩義があるマイクは引き受ける事に。



 

一方、息子のラフォは、男遊びに夢中な母に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリとストリートで生きていた。マイクは、母親の元を訪ねるが、あの子は闘鶏をしたり酷い子なんだよと言い、家には居ないという。

マイクはヒントを元に街を探すと、ラフォを見つけることが出来る。そして彼に父親が逢いたいと言っていると話すと、ラフォはマイクとともに米国境へ行くことを決める。

そんな彼らに迫るメキシコ警察や、ラフォの母が放った追手。先に進むべきか、留まるべきか?今、マイクは少年とともに、人生の岐路に立たされる。(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。

 

 

クリント・イーストウッド監督の新作映画です。監督、91歳という年齢で、監督兼俳優として映画に携わられていて、ホント、頭が下がります。凄いパワフルですよね。内容も、静かな映画だったけど、何となく心が温かくなるような、そんな映画でした。

 

ロデオスターだったマイクは落馬事故がきっかけで以前のような仕事は出来なくなり、やる気を失くしてダラダラと牧場の仕事をしていましたが、雇い主も堪忍袋の緒が切れて、マイクは解雇されてしまいます。まぁ、当たり前よね。で、家族は離散しており、家で一人でぼんやり過ごしていたら、ある日、前の雇い主が訪ねて来て、メキシコに行って、息子のラフォを連れて来て欲しいと言うんです。

 

どうして、こんなヨボヨボしたお爺ちゃんに頼むの?って思うけど、映画だから仕方ないわね。その雇い主は、マイクが自分の家を取られそうになった時、お金を貸してくれて、何とか家を残すことが出来たという過去があり、借りがあるので、頼みを断れないんです。そして、単身、メキシコの旅立ちます。

 

 

メキシコに行き、まず、ラフォの母親であり、雇い主の元妻の家に行くと、派手ですんごい女性が出てきて、ラフォは居ないと言うんです。この母親、男狂いでドラッグ関係もやっているような感じで、ラフォも呆れて家を出て行ったようなんです。ラフォは、闘鶏場で暮らしていました。見つけたマイクは、ラフォに”お父さんが待っているから。”と話して、アメリカにいる父親の所に行くことに同意させます。そして、二人の旅が始まるんです。ちょっと前置きが長いかな。

 

ラフォの母親は、ラフォを可愛がってないけど、取られるのは許せないらしく、メキシコから出ていくのを阻止しようとします。それに、母親の所から連れ出したんだから、誘拐と言われたら警察に追われることになります。だからマイクは、王道の道を行く訳に行かず、人気のない迂回路を車で走って、ラフォと逃げるのですが、途中で何度も襲われたり、警察に疑われたり、大変でした。でもね、途中の町で良い事もありました。

 

 

途中の町で色々な人に助けられ、どんな過去があろうとも、一人で生きるのは寂しいわよねって事を教えてくれるような出来事もあったりして、年寄りのマイクとの旅の中で、まだ13歳のラフォは学んでいきます。そして反対に、ラフォの若い考え方に触れ、人と関わらないように生きていた自分を見つめ直します。これを観ていて、何歳になっても、全てを謙虚に受け止めて、自分が間違っている事は正して行くという勇気を持つことが必要だなって思いました。いつまでもガンコ爺と言われて、何も変えようとしないのは、自分を殺している事なのだという事に気づかされました。老いては子に従えとは、よく言ったものです。

 

そして、旅の後半で、衝撃の事実が明かされて、ラフォは、アメリカ行きを続けて良いのかという判断をしなければならなくなります。これについては、ネタバレになるので明かしませんが、その事実を受け止めて、ラフォがどう判断をするのか。マイクとの旅で学んだことを胸に、彼が決断するのを観て欲しいです。

 

 

そうそう、ラフォが飼っている鶏が、とっても良い子で、懐いているんです。名前を”マッチョ”って言って、ラフォが危機に陥ると助けてくれたりするの。撮影では、11羽の鶏を用意して撮影したそうです。でもね、全く見分けがつきませんでした。大人しく、一緒に車に乗っていたりして、放し飼いなのに、遠くに行かないんです。不思議でしょ。可愛かったな。

 

この映画を観る前に、”マークスマン”を観たので、老人とメキシコの子供っていう共通点があって、やっぱり比べてしまったのですが、イーストウッド監督の作品って、不思議ととても滑らかで柔らかいんですよね。観ていて、とても触り心地が良いんです。”マークスマン”は、只のアクション映画だけど、こちらは深い人間ドラマを描いていて、この温かさ、滑らかさ、上品さは、イーストウッド監督にしか出せないんだろうなぁと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。特別に大きな事件が起こるとかは無いし、ハラハラドキドキはそんなに無いので、ガチャガチャした映画が好きな方には、ちょっと不向きかもしれませんが、ジーンと人間の温かさを味わいたい方には、超!超!お薦めだと思います。人の好みですから、万人に良いとは言えません。でも、私は、何となく温かくなって、気持ち良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「クライ・マッチョ」