「世界で一番美しい少年」子役で売れるのは良いけど守る人がいなければ壊れてしまいます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「世界で一番美しい少年」を観てきました。

 

ドキュメンタリー映画なので内容は、

 

1970年、映画監督ルキノ・ヴィスコンティは、トーマス・マンの小説『ベニスに死す』(71)の映画化において絶対の美の化身となれる完璧な少年を探し、ヨーロッパ中でオーディションを開催していた。そして、ストックホルムでビョルン・アンドレセンをみつけた。

この内気な15歳の青年は一夜にして世界的な名声を得ることになり、ベニス、ロンドン、カンヌ、遠く東京に赴き、波乱の青年期の短くも強烈な時期を過ごすことになった。



 

世界中から注目を集めた彼は、日本でもファンに熱く迎えられ、池田理代子の漫画「ベルサイユのばら」の主人公オスカルのモデルになるなど、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。

『ベニスに死す』公開から50年、巨匠ヴィスコンティの傑作において伝説のキャラクター、タジオを演じたビョルン・アンドレセンは、アリ・アスター監督作「ミッドサマー」(2019)の老人ダン役でスクリーンに登場する。

その変貌ぶりが話題となった年老いた彼は、かつて熱狂の中で訪れた、東京、パリ、ベニスへ向かい、懐かしくも残酷な、栄光と破滅の軌跡をたどる。その旅路とともに、人生を運命づけられてしまったひとりの人間の心の再生を映し出す。

 

というお話です。

 

 

ビョルン・アンドレセンさん、私は「ミッドサマー」でしか知らず、「ベニスに死す」に出演して凄く有名というお話でしたが、凄く古い映画ですよね。観たことが無いので、どんなに美少年なんだろうと思って、このドキュメンタリーを観に行きました。確かに、凄く美しいと言えば美しいけど、それほどイケメンという感じではありませんでした。昔は、彼のようなタイプが人気だったのでしょうね。その”ベニスに死す”の演技を観ていないので、もしかしたら凄く妖艶だったりするのかなと思い、これは観てみなくちゃと思って、AmazonでDVDを注文しました。

 

映画の中では、昔の彼の映像が沢山流されて、日本に来て、日本語の歌まで歌っていたんですね。ビックリしました。日本って怖い国だったんだなぁ。だって、ファンらしき女性の狂ったような叫び声とか、突進する姿は、もう、恐ろしい以外の何物でもなかったです。きっと、このビョルン・アンドレセンさんも、恐がっていたんじゃないかと思いました。

 

 

おっ、と思ったのは、あの「ベルサイユのばら」のオスカルが、このビョルンさんをモデルにしているというお話で、確かに、映画の中で並べてみたら、似ているんですよ。この時、やっと、何となく自分も知っている人なのかもしれないなって思いました。ベルサイユのばらは、必死でアニメを観てましたもん。子供には衝撃的なシーンもあり、親と一緒に観るのは恥ずかしかったですけどね。

 

ビョルンさん、あまりにも有名になってしまい、何も解らないまま、大人に利用されたようでした。母親は子供の頃に居なくなり、祖父母に育てられ、祖母がステージママ的な感じだったようです。周りは彼を美しいと称賛しながらも、”売れる品物”として扱い、沢山の目に晒され、彼の生活は壊れて行きます。

 

 

途中で何度もやり直そうと努力しているんです。演劇の学校に行ったり、恋愛をしたり、普通の人としての幸せを見つけようとするのですが、運命に翻弄され、本当に大変だったように見えました。きっと、母親が生きていて、彼を愛して守っていたなら、もっと変わっていたのかもしれません。

 

今のビョルンさん、カッコイイですよね。私はとても気に入っています。もっと俳優として出てきて欲しい。まだ65歳くらいなのだから、ラブストーリーでも、アクションでも出来ますよ。でも、やっぱり長老的な感じで、ヒーローを導くとか、そんな役をして欲しいな。私の一番の希望としては、ピアノもとても上手いので、海外版「おじさまと猫」をやって欲しいな。もし日本版に出演だったら、ジョフロアさんを演じて欲しい。うーん、素敵だろうなぁ。妄想が膨らんじゃう。

 

 

今まで、大変な人生だったのだと思うけど、ここから新しい役者として、良い生き方をして欲しいと思いました。素敵な人ですから。でも、”世界一美しい少年”という名称は、この映画を最後に、彼には言わないであげて欲しい。だって、その言葉のせいで、彼の人生が酷いモノになったのですから。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画なので、何が面白いとかいう事はありません。でも、彼を知っている方は、美少年のアイコンとして扱われた為に苦しんだという事を知ってあげるべきだし、私のように知らない人は、子役で売れてしまうと、誰かが守ってあげない限り、壊れてしまうんだなという事を知って欲しい。そんな映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「世界で一番美しい少年」