「コーダ あいのうた」音は聞こえなくても、心の声は家族みんなに聞こえていたのだと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「コーダ あいのうた」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

海の町で両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた教師は、都会の音楽大学の受験を勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられない。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが・・・。

というお話です。

 

 

タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults= “⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども”」のこと。もう一つの意味は、「曲の終りの記号=新たな章の始まり」

 

豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。



 

新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。臆病で人前で歌うことが出来ず、初日に一人づつ歌うようにと言われ、恥ずかしくて逃げてしまう。しかし顧問の教師がルビーの歌の才能に気が付き、ボストンの名門音楽大学への進学を薦める。彼もその大学の卒業生らしい。

 

先生に個人レッスンを受け、どんどん歌が上手くなっていくルビーは、学校内のコンサートでもデュエットを歌う事になり、自分でも自信をつけていく。しかし、個人レッスンを受けるためには、家の手伝いを抜けなければならず、段々と、何もかもが一杯一杯になっていってしまう。

 

 

両親に歌の才能を認められたので、音楽の道へ進みたいと話すのだが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対する。時を同じくして、漁業の組合でもトラブルが起きており、家族も只一人、耳が聞こえるルビーに頼り切っていたのだった。

 

悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶことに決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をすることにする。そして・・・。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、フランス映画祭2015で上映された「エール!」というフランス映画のリメイクです。少し内容を変えてあったかな。弟が兄になっていたり、農業が漁業になっていたり、少しだけアメリカっぽくなっていたような気がします。でも、実は、フランス映画よりも感動してしまいました。

 

この映画、感情の持っていきかたが上手いんです。場面はあまり変わりなく、歌を歌いながら家族に手話をするなど、フランス版と同じなのですが、俳優が上手かったのかなぁ。お父さん役のトロイ・コッツァーさんが、凄く力強い手話を披露し、訴えたり、優しくしたり、その手話での演技が素晴らしいんです。母役のマーリー・マトリンさんも、兄役のダニエル・デュラントさんも、手話がとても上手くて、その感情表現も上手いんです。セリフだと、軽く終わる言葉でも、手話だと、顔の表情と手の動き、身体の動きで伝えようとするので、感情表現が大きくて、とても伝わってくるんです。

 

 

主人公のルビーは、家族でただ一人、耳が聞こえるんです。映画の中で、母親が、ルビーが生まれた時に耳が聞こえる事が解って悲しかったと言うんです。私、子供が生まれて障がいが無かったら、良かったと喜ぶのかと思ったら、母親は、聞こえない母親と聞こえる娘だと、上手く育てられないかもと思ったようなんです。それを聞いて、障がいを持つということは、こういう事なのかと気づかされました。

 

健常者に障がいの事を解かって貰う事は、本当に大変なのだということを、この母親は自分の経験から知っているんです。だから、心配したのだという事が解り、凄く考えさせられました。健常者にはどうしても理解出来ない壁のようなものがあるのでしょう。もちろん、出来るだけ理解したいとは誰もが思うのですが、どうしても越えられない部分があるんだと思いました。

 

 

でもね、この家族は強い絆で繋がっていて、お互いに凄く思い合っているので、色々な問題が出てくるのですが、ひとつひとつ乗り越えていくんです。その姿が、何とも言えない感動でした。お兄ちゃんは、ルビーを家族の犠牲にしてはいけないと訴えてくれるんです。本当に優しいお兄ちゃんです。お母さんは、家族を助けて欲しいと思っているけど、それ以上に娘を外に出したくない、近くに置いておきたいのかなと思いました。それって、普通の母親も同じですよね。娘には一緒に居て欲しいんです。そして、父親は、仕事の手助けをして欲しいとは思っていても、娘を家族の犠牲にさせてはいけないと思っていて、その葛藤が目に見えるようでした。素敵な家族でしょ。

 

ルビーは、本当に良い人にめぐり逢う運命なのですが、この音楽の先生が、厳しいけど素晴らしい先生なんです。彼女の才能を、どんどん開花させていくんです。歌が上手くなっていくのが目に見えて解るのですが、それも演出が上手いんだろうなぁと思いました。こんなに上手くなったなら、音大にも受かるでしょって思わせるんです。だからこそ、家族の為に残ると決めた時には、凄く悲しくなるんですけどね。

 


 

障がいを持つという事がどういうことなのかという事を、とても良く教えてくれていました。もっと周りが障がいを持つという事に理解を示さないといけないですよね。映画の中でも、行政の対応は、障がい者に対して全く考えていないんです。耳が聞こえないなら船に乗るなって、漁業が家業なのにどうしろっていうのよ。例えば、音が鳴ったら身体に振動が伝わるような機械を身に付けるとか、ライトが点滅するとか、対応策を考えてあげれば良いのに、ただ乗るなって、酷い差別ですよ。障がいがあっても職業を選べて、どんな仕事も出来るようにしてあげなきゃおかしいでしょ。社会が間違っていると思いました。

 

この映画、サンダンス映画祭で話題になり、今年のゴールデングローブ賞にノミネートされています。作品賞と父親役のトロイさんが助演男優賞です。確かに、このお父さん役、素晴らしかったと思います。めちゃくちゃお茶目なお父さんで、下ネタも平気で娘に話すんだけど、凄く娘思いだという事が表現されていて、お父さん大好きってなるんです。素敵でした。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は、とても気に入りました。フランス映画祭で観た、元の映画より、感動しちゃったかも。俳優さんたちが素晴らしいです。私は、パパママ兄ちゃんがお気に入りになりました。これは、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「コーダ あいのうた」

https://gaga.ne.jp/coda/