「決戦は日曜日」ほっんと政治家って頭悪い人多いんだろうな。漢字読めない空気読めない顔色読めない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「決戦は日曜日」をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

とある地方都市。地域に強い地盤を持つ衆議院議員・川島昌平の事務所で私設秘書として働く谷村勉は、川島のサポートに徹する仕事に満足していた。ところが、衆議院解散のタイミングで川島が病に倒れてしまう。次の選挙で川島の地盤を引き継いで出馬することになったのは、川島の娘・有美だった。世間知らずで自由奔放だが熱意だけはある有美に振り回されながらも、彼女を当選に導くべく奔走する谷村だったが・・・。

というお話です。

 

谷村勉はこの地に強い地盤を持ち当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。秘書として経験も積み中堅となり、仕事に特別熱い思いはないが暮らしていくには満足な仕事と思っていた。

ところがある日、川島が病に倒れてしまう。そんなタイミングで衆議院が解散。後継候補として白羽の矢が立ったのは、川島の娘・有美。谷村は有美の補佐役として業務にあたることになったが、自由奔放、世間知らず、だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々。



 

いきなり出馬宣言のスピーチで漢字の読み間違いを連発し、”結婚して子供を産まないのは怠慢だ”と発言。批判を浴びるがどこ吹く風の有美。選挙告示前から個人宅を周り(選挙違反です。)、絡んできたユーチューバーに反撃したりと、考えられない行動に事務所所員は落胆するばかり。

でもまあ、父・川島の地盤は盤石。よほどのことがない限り当選は確実・・・と思われたのだが、政界に蔓延る古くからの慣習に納得できない有美はある行動を起こし始める。元々、正義感の強い有美は、裏のお金の動き、父親の不正、地元業者との癒着、県議会との関係など、許せない事ばかり。

有美の気持ちが理解出来てしまった谷村は、自分がどうすべきなのか、悩んだ末に・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

完璧なコメディ作品なのですが、観ていると、これコメディで済ませていいのか?って思うような政治の裏側も描かれていました。私も、すっごく若い頃に、選挙の手伝いのバイトをしたことがありまして、こんな感じなんですよねぇ。政治の世界に入ると、必ず「女の癖に」という言葉が飛び交うんですよ。これ、今でもそうだと思いますが、年寄りが引退しないでずーっとやっていて、その考えを引き継いだ人がやっているから、昔から脳が進化していないんですよ。下手したら退化しているんです。

 

主人公の谷村は、その地域で長く政治家をしている川島議員の私設秘書となり、もう何期か仕事をしていて、中堅になっています。幸せな家庭を持ち、良いお父さんとなって仕事をしているんです。そんな彼に、突然に下された特別指令。それが、川島議員の娘の有美を出馬させて、選挙に勝たせる事。議員の娘だから、それなりに勉強もしてきてくれてるのかなぁなんて期待したのは束の間、とんでもないおバカで、甘やかされてきたからなのか、時間にもルーズ、言葉も知らず、舞台に立って騒ぐだけのオバサンでした。

 

 

谷村は内心、「これどーすんだよー!」って思ったと思うけど、議員の娘だからしょうがない。助けていくしかないんです。そんな谷村の奮闘を描いているのですが、面白かったですよぉ。でも、この映画が上手いなぁと思ったのは、ちゃんと議員の世界だけじゃなくて、親子の関係も描いていた事でした。やっぱり父親は娘が可愛いから、娘には良い恰好を見せたいですよね。政治家だってそうなんです。でも、政治の世界に入れば、汚い事もしなければならないし、正義の味方にはなれないんです。そんな苦しい立場も描いていました。

 

政治家の娘に生まれたら、それなりに汚い事も知らない振りが出来るように勉強しないとね。世の中は綺麗なモノだけで動いている訳ではないんです。でも、それが解った上で、正しい事をするのも、また政治家として素晴らしいのかなと思いました。

 

 

もう一つ、面白いと思ったのは、選挙に投票する側の心理も描いていまして、必ずしも良い事ばかりを言っている人に投票するとは限らないんです。トランプの時に判ったと思いますが、極端に強いことを言ったりする方が、ウケが良いんです。おバカな有美が差別的な事を言ったり、女性軽視的な事を言ったりすると、反発する声もあるけど、裏で共感する声も沢山出てくるんです。これで嫌われたと思っていると、反対に応援する声が大きくなったりして、人間って面白いなぁと思いました。

 

有美役の宮沢さん、コメディ映画初と書いてあったけど、舞台ではコメディがとても多いので、いつもの宮沢さんって感じでした。今回は、ド素人おバカ議員という役なので、ワザとぎこちなさそうに、セリフを言っているように演じていました。政治家は、みんな原稿を読んでいるので、セリフ言っているみたいですもんね。

 

 

谷村役の窪田さんは、ちょっといつもよりも大人びた感じの、秘書というよりは、公務員的な感じだったかな。ま、議員秘書も、公設秘書は公務員になるんだろうから、一緒よね。抑えた演技で、冷静に状況が見れるデキる秘書って感じでした。カッコ良くて頭が小っちゃいから、バランス良く見えますよね。

 

最近は、原作が人気の作品を映画化することが多いのですが、このお話、オリジナル脚本だそうです。私は、オリジナル脚本を書いてくださる監督が好きだなぁ。原作があると、原作に引っ張られる部分があると思うんです。その点、オリジナルだと伸び伸びと作っているような、監督が楽しんでいるんじゃないかなって作品が出来るような気がするんです。これからも、オリジナル作品、作って行って欲しいです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。この映画、面白いのですが、少し、最後で尻つぼみをするような感じに見えたのが残念でした。これが現実なのだと思うけど、最後に、何かパッと明るい部分が欲しかったな。そこだけが残念でした。でも、とても見ごたえのある、面白い映画でした。選挙の裏側を良く描いていたと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「決戦は日曜日」