「軍艦少年」を観てきました。
ストーリーは、
長崎・軍艦島の見える町で、地元の高校に通う海星と小さなラーメン屋を営む父・玄海。最愛の母を亡くしてケンカに明け暮れる息子と、幼なじみの妻を亡くして酒浸りとなった父。2人は互いに反目し、いがみ合っていた。そんなある日、海星は大きな事件に巻き込まれていく。
というお話です。
長崎・軍艦島の見える街で暮らす、地元の高校に通う海星と小さなラーメン屋を営む玄海。海星の母であり玄海の妻である小百合は、少し前に病気の為に、亡くなっていた。
玄海と小百合は軍艦島で生まれ育ち、軍艦島の閉鎖と共に本土へ移住し、幼馴染で結婚したのだった。玄海は、妻を強く愛していたため、亡くなってからは、全く仕事もせず、酒に溺れる日々を過ごしていた。海星は、そんな父親に文句を言いながら、自分は喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。
ある日、家に不動産屋が現れ、土地を売れと迫ってくる。やる気を無くした玄海は、家族で過ごした家を離れることを考え始める。そこへ、玄海と小百合の高校の同級生だった野母崎と泉が現れ、玄海を励ますのだが、玄海は受け入れない。そんな野母崎が海星に、玄海と小百合の大切な物が軍艦島に残されているという事を教える。
海星は、父親の為に軍艦島へ行こうと考えるが、そんな時、今まで喧嘩に明け暮れていたツケが回ってきて、友人にも裏切られ、集団に襲われてしまう。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、観ていて、ベタな内容で少年漫画とかにありそうだな~って思っていたら、やっぱり少年漫画の映画化だったんですね。昔から、少年少女漫画を読み漁っていたので、何となく解るんです。その昔は、こういう感じの漫画、多かったんですよ。まぁ、当時は、それが面白かったので、みんな読んでいたのですが、今、映画化されると、ちょっと笑っちゃったなぁ。
軍艦島がテーマのお話で、世界遺産にもなったから、内部が良く観れて嬉しかったです。だって、1916年に、この島に日本で最初のRC造の集合住宅が建てられたんです。アメリカでは、既に建てられていたけれど、日本では最初で、今見ても、リフォームすれば使えそうな状態に驚きます。アメリカのRC造の建物は、100年以上経っても使われているので、リフォームすれば100年以上、十分に持ちこたえる構造だという事が解ります。そうそう、あの”ブレードランナー”に出てくる「ブラッドベリービル」は、既に125年以上だと思いますよ。この島の建物は、本当に貴重な資料です。
そんな軍艦島ですが、1975年に、全員、島を出たそうです。そうなると、この玄海と小百合さんの年齢を考えると、この映画の時代は、2000年から2005年くらいになるのかしら。今から20年位前の設定って感じなのかなと思いました。だって、二人が中学卒業の頃って言ってたと思うので。海星が18歳って言っていたから、そんなもんかなって。
うーん、話しとしては、ベタな内容なので、それほどここが良いとかっていう部分は見つからなかったのですが、これは辞めて欲しいと思った部分がありました。喧嘩のシーンなのですが、もう、ボロボロに殴り続ける場面があるんです。確かに、これくらいやらないと迫力は無いのだろうし、漫画原作だから、それに近づけたのかもしれませんが、ここまで殴ったら、相手は死んでいますからね。
最近、本当に問題だと思うのですが、暴力場面を派手にしすぎて、バカな視聴者が、それを本当だと思ってしまい、現実でやってしまって、殺人事件になっている事なんです。殴ったり、蹴ったりすると、人間は、あっという間に死にます。この映画でも、集団でリンチ的にやっているのですが、その中にプロレスラーに方もいらして、それでも、やられた方が立ち上がるんです。あり得ませんからね。現実なら死んでますから。だから、こういう暴力描写をする場合は、本当に気を付けて欲しい。迫力が出て、カッコイイのだとは思いますが、バカがいるので、現実にそれをしてしまうんです。
例えば、マトリックスとかで戦う描写がありますが、あれは仮想空間ですという設定があるので良いですが、この映画のように、現実に起きている事として描くなら、考えて欲しい。まして、金属バットで殴ったら、必ず死にますからね。
ただでさえ、最近は映画やTVの描写を”実話を元に”と書いていると、実話だと思って大騒ぎする人がいるんですよ。ドキュメンタリーじゃないから。実話じゃないから。ほとんどがフィクションですから。ちゃんと説明をしないと、危ないんです。映画を作るときは、本当に気を付けて欲しいです。
映画の話に戻りますが、内容は、青春ヒューマンドラマって感じですかね。若い頃に色々悩んで、大人になって行くと言うお話でした。キャストは、良い方が揃っていたと思います。主人公の佐藤さんも、最初の頃の”EXILE”の映画の時は、ちょっとどうなの?って思うような演技でしたが、良く観るようになってから上手くなりましたね。安心して観ていられます。これからも観たい役者さんです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容はベタな、ちょっと昔の少年漫画という感じですが、しっかり結末に辿り着きますし、軍艦島の中の方まで映像が観れます。もう少しという部分もありますが、青春映画としては、これ位でも十分なのかなと思いました。楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「軍艦少年」