「偶然と想像」素敵な短編3編が届きました。ジーンとする内容でしたので沢山の人に観て欲しいな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「偶然と想像」をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

3話のオムニバス映画。親友が「いま気になっている」と話題にした男が、2年前に別れた元カレだったと気づく「魔法(よりもっと不確か)」。50代にして芥川賞を受賞した大学教授に落第させられた男子学生が逆恨みから彼を陥れようと、女子学生を彼の研究室を訪ねさせる「扉は開けたままで」。仙台で20年ぶりに再会した2人の女性が、高校時代の思い出話に花を咲かせながら、現在の置かれた環境の違いから会話が次第にすれ違っていく「もう一度」。それぞれ「偶然」と「想像」という共通のテーマを持ちながら、異なる3編の物語から構成される。

というお話です。

 

 

第一話「魔法(よりもっと不確か)」
撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子は、仲の良いヘアメイクのつぐみから、彼女が最近会った気になる男性との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は、”もと来た道を戻ってください”。一体、何をするつもりなのか。(公式HPより)

第二話「扉は開けたままで」
作家で教授の瀬川は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした彼は、同級生の奈緒に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。(公式HPより)

第三話「もう一度」
高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子は、仙台駅のエスカレーターであやとすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。


 

大体、1本が40分ほどの作品でした。

まず、1話目は、仕事がらみの友人が、気になっている人との惚気話をし始め、聞いていると、それが、自分の元カレだと判ります。うーん、これ、イヤだろうなぁ~。”あー、それ私の元カレじゃーん。”とかって言えるような関係なら良いけど、そうでもなさそうなんです。

 

きっと、直ぐに”元カレ”だと言えるような状態なら良いんだろうけど、言えなかったという事は、芽衣子の心が少しは元カレに残っているって事ですよね。なので、元カレなんだけど、嫉妬心が湧いてきたのではないかと思うんです。恋愛に関しての人の心って、本当に良く解りませんよね。どこで、誰に恨まれるか、解らないんですから。で、この芽衣子は、おいおいっていうような行動に出ます。

 

でもね、終わった恋をいつまでも引きずっていても、何も解決しないので、早いところ切り替えて、前の男の事は忘れるべきですよ。相手にだって、新しい人生があるんですから。まぁ、そう簡単にはいかないのが、恋なんでしょうけどね。芽衣子がどういう決断をするかは、お楽しみにね。

 

 

2話は、大学教授と学生のお話です。真面目な大学教授・瀬川は、作家でもあります。ある日、出席日数の足りないゼミ生の佐々木が、瀬川に土下座をして単位をくださいと騒ぐ事件が起きます。瀬川は真面目なので、出てきてもいないのに単位はやれないと突っ撥ね、佐々木は就職内定は取り消しで留年となります。まぁ、当たり前よね。いつも思うけど、自分が遊んでいたくせに、なんで教授とかのせいにするのかしら。それに、何の理由もなく、ただ、出席しなかったなら、計画性が無いという事だから、そんな奴、どの会社も雇いたくないですよ。社会に出ても、成功しないタイプですね。

 

で、この佐々木が、留年の恨みを晴らす為に、その時に付き合っていた、同じ大学の同級生の奈緒に色仕掛けで迫って、スキャンダルを起こさせて欲しいと言います。奈緒は同級生ですが、年上で結婚していて子供もいます。ちょっと面白いと思った奈緒は、芥川賞を取ったばかりの瀬川を訪ねて、サインを強請りながら迫っていきます。

 

でも、真面目な瀬川は、いつも”ドアは開けておいてください。”と言います。スタンスを変えない瀬川に、奈緒は惹かれていきます。うん、こういう教授がいたら、カッコイイから惹かれると思う。特に、渋川さんだもん、カッコイイに決まっています。(笑) 尊敬する人物と、こんな関係性が持てたら、しあわせだろうなと思いました。プラトニックな美しい姿がここで見れるので、素敵でしたよ。でも、これ、良い方向に行かないんです。ちょっと残念でした。この佐々木って奴、マジでムカつく。本当に嫌な奴でした。私なら、こいつに制裁を加えるけどね。うん、でも、面白い映画でした。

 

 

3話は、同窓会に出席した夏子が、会いたいと思っていた人物に会えず、同窓会の次の日に街を散策していると、エレベーターで、知っている顔に会うんです。”あ、この子が、私が逢いたかった彼女だ!”と、咄嗟に思った夏子は、反対側に乗っていた女性を追いかけます。すると、相手の女性も、気が付いたようで、夏子を追ってきます。そして、再会した二人。

 

高校の同級生で、もう20年ぶりなので、名前も顔も、そんなに覚えていないようなんです。それは、理解出来るんですよ。私も20年前に会っていた人なんて覚えていないし、同級生なんて、一緒につるんでいた仲間以外は、全く覚えていませんから。なので、話をしている内に、あれ?違ってる?と気が付いて、一応、離れようとするんですけど・・・。

 

 

そんな二人が、勘違いで偶然に出会い、そこから二人は、相手に対して、自分が想像していた人物を重ね合わせていくんです。目の前にいるのは別人だけど、でも、昔、伝えられなかった言葉を紡いて行くんです。たまたま、二人ともが、同じような想いを胸に抱いてしまってあったのだと思いますが、それぞれが、伝えたかった言葉を伝えるんです。その言葉は、本当の相手には伝わらないんですけどね。

 

でも、そんな不思議な時間が、とっても愛おしいというか、何て表現したら良いのかしら。達成感というか、相手が違うのに、伝えられたという気持ちが、二人を癒して行く空気が、とても良く伝わってきました。雰囲気が良かったなぁ。

 

このような3本の短編集なのですが、雰囲気が良くて、ちょっとムカついたり、悔しかったり、哀しかったり、寂しかったり、それでも、みんな、前を向いて歩いて行くという感じが伝わってきて、良い映画だと思いました。観た後に、ジーンとする映画です。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは、とても観やすいし、考えさせられる内容なので、色々な人にお薦めしたいと思います。単館系のみで公開みたいですが、これ、ベルリン映画祭の銀熊賞なので、もっと色々な所で公開した方が良いんじゃないかな。勿体ないです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「偶然と想像」