「ディア・エヴァン・ハンセン」優しい嘘も大きくなると相手を傷つけることになってしまう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ディア・エヴァン・ハンセン」を観てきました。

 

ストーリーは、

学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいるエヴァン・ハンセンが自分宛に書いた「Dear Evan Hansen」から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日、コナーは自ら命を絶ち、手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァンが親友だったと思い込む。悲しみに暮れるコナーの両親をこれ以上苦しめたくないと、エヴァンは話を合わせ、コナーとのありもしない思い出を語っていく。エヴァンの語ったエピソードが人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がっていく。

というお話です。

 

 

エヴァン・ハンセンは学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいる。ある日彼は、セラピストから指導されて、書きなさいと言われた自分宛ての“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる手紙を書いて持っていたが、同級生のコナーに持ち去られてしまう。コナーは身体も大きく、乱暴な青年だった。自信もなく、力も弱いエヴァンは、彼に返して欲しいとも言えず、その場から立ち去ってしまったのだ。その手紙誰にも見られたくないエヴァンの「心の声」が書かれた手紙だった。

後日、校長から呼び出されたエヴァンは、コナーが自ら命を絶った事を知らされる。悲しみに暮れるコナーの両親は、彼が持っていた〈手紙〉を見つけ、それが遺書だと思い込み、息子とエヴァンが親友だったと勘違いしてしまう。その手紙とは、エヴァンが自分宛に書いた手紙だった。

 

 

彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは、思わず話を合わせて、コナーとは親友だったと言ってしまう。そして手紙を取られた時に、コナーが左腕のギブスに”友達の印だ”と言って、ふざけてギブスに大きく名前を書いたことが、それを後押しすることになってしまう。

そして促されるままに語った“ありもしないコナーとの思い出”は両親に留まらず周囲の心を打ち勇気を与え、SNSを通じて世界中に広がっていく。思いがけず人気者になったエヴァンは戸惑いながらも充実した学校生活を送るが、〈思いやりでついた嘘〉は彼の人生を大きく動かし、やがて事態は思いもよらぬ方向に進んでしまう。(公式HPより)後は映画を観てくださいね。


 

この映画、うーん考えさせられました。優しい噓は必要だし、大切だと常々思っているのですが、ここまでやってしまうと、やはり問題なのではないかと思いました。最初の嘘は解ります。この状況だと、友達じゃないとは言い難いだろうと思うし、コナーの家族に訴えるような目で見られたら、そりゃ、友達でしたと言ってあげるべきだったのだろうと思います。

 

でもね、そこからがやりすぎなんです。思い出を創作して、それを家族の話と合わせたり、メールを偽装したり、ただ、友達だったと話して、”親友ではなかったけど”と言っておけば、それで終わったのだと思うんです。それを、わざわざ、注目を集めたかったからなのか、たくさんの嘘を重ねてしまう。それは、やってはいけないことだと思いました。

 

 

確かに、エヴァンは母子家庭で、母親はいつも仕事ばかりで話も聞いてくれず、寂しかったのだろうと思います。だからと言って、他人を苦しめるほどの嘘をつくのはどうなのかな。最初は、優しい嘘だったと思いますよ。それで家族は救われたと思うしね。

 

こういう出来事が起きた時って、正義感が強くておせっかいな女が出てきて、寄付を募ったり、色々しますよね。私は、こういうのって大嫌いです。だって、死んでしまう前は、迷惑な奴だと思っていた癖に、いきなり亡くなったからって、大切なクラスメイトだったとか言っちゃって、これこそ偽善者だと思いました。そういう活動をすることで、進学とか就職に有利だと思うのだと思うけど、本当に軽蔑します。時々、本当に友達だった人が、静かに活動しているのは、協力しようかなと思いますが、学校をまきこんでとか、ダメですよね。偽善者は大嫌いです。

 

 

エヴァンは、嘘をついてしまって、段々と罪悪感に苛まれていきますが、コナーと友達だったということで、以前に憧れていたコナーの妹・ゾーイと仲良くなっていき、彼女と恋に発展します。嘘をついたことを知られたら、この関係は終わってしまうと思って、嘘の告白が出来ないんです。段々と、追い詰められていくエヴァンは、どうなるのか。

 

最初に、大袈裟な嘘をつかなきゃ良かったのにね。後悔先に立たずというけれど、本当にそうです。やってしまってからは、取り返しが出来ないんです。でもね、この場合、最初の嘘は、本当に優しい嘘なんですよ。家族を助けるための嘘なので、困ったなぁと思いました。まだ若いから、やりすぎちゃうのよねぇ。やっぱり、誰か相談できる人が必要な年代ですよね。

 

 

このコナーの家族も、ちょっと酷いなと思いました。この「ディア・エヴァン・ハンセン」という手紙を遺書だと思って、エヴァンを家に呼んで友達なんでしょって、問い詰めるんです。家族3人に囲まれて、こんなに言われたら、嘘ついちゃうよなぁ。それに、冷静のこの手紙を読むと、何となくおかしいと思わないのかしら。遺書がこれって、あり得ないと思うんだけど。もちろん、家族に悪気はないとは思います。息子を失くして、ショックで打ちひしがれているのも解ります。でも、ちょっとやりすぎでは?って思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。思春期の若者の心を、良く描いていたと思います。友達を作れないというのも、とってもわかります。今の時代、誰もが薄く広く友達になり、親友と呼べるような人がいないですよね。いつもべったり一緒にいるからと言って、信用して友達でいるのかというと、そうも思えない。明日には、他の友達と悪口を言っているかもという時代です。これだけSNSが発達していれば、そんなこともあり得ます。そんな時代に、この映画は、人はどうあるべきなのかと訴えているような気がしました。ただ、正直でいることも間違っているし、かといって、嘘をつくのも間違っています。何が大切なのかを教えてくれるような映画でした。私は、良い映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ディア・エヴァン・ハンセン」