「ミス・マルクス」聡明な女性だとは思いますがダメンズウォーカーなので生活は失敗です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ミス・マルクス」を観てきました。

 

ストーリーは、

1883年、イギリス。最愛の父カールを亡くしたエリノアは、社会主義者の劇作家エドワード・エイヴリングと出会い恋に落ちる。しかし、不実なエイヴリングヘの献身的な愛は、次第に彼女の心を蝕んでいく。エリノアは時代に先駆けた女性活動家として活躍しながら、苦悩に満ちた愛と政治的信念の間で引き裂かれていく。

というお話です。

 

 

1883年、イギリス。最愛の父カールを失ったエリノア・マルクスは、父から受け継いだ考え方を基に、女性の人権などを公に訴えていくのだが、そう簡単にはいかない。同じ社会主義者のエドワード・エイヴリングと出会い恋に落ち、一緒に社会運動組合から仕事を貰って、アメリカなどの演説に参加していたが、エドワードの荒い金遣いのために、経費で落ちないほどの金を使い、組合から段丘される。

 

それでもエリノアはエイヴリングへの献身的な愛を捨てることは無く、不実なエドワードの行動は悪化していき、次第に彼女の心を蝕んでいく。段々とエドワードはエリノアをほったらかしにして、彼女の父親が残した別荘に行き、女性と過ごしたりと、やりたい放題。しかし、エリノアはそれに対して怒ることもなく、彼に呆れながらも愛していた。

 

 

社会主義とフェミニズムを結びつけた草分けの一人として時代を先駆けながら、エイヴリングへの愛と政治的信念の間で引き裂かれていくエリノアの孤独な魂の叫びを、独特な表現で訴えていく。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。
 

社会主義思想家カール・マルクスの娘のお話です。カール・マルクスは、資本主義と労働者に関してを分析し、科学的社会主義(マルクス主義)を打ち立てた方です。そんなマルクスの3人の娘の内、一番下の娘であるエリノアの自伝的映画でした。

 

 

エリノアも、自分の考えをしっかり持ち、言いたいことは言い、男性と同等だというような女性でした。父のマルクスはドイツ生まれで、元々ユダヤ人の家計でとても裕福な家だったので、エリノアも子供の頃は裕福な生活をしていたのだが、マルクスがキリスト教に改宗し、マルクスのいくつもの運動のせいで国を追われることとなり、イギリスへたどり着くのだが、そこでは貧困な生活を送り、のちにアメリカなどで認められたことを機に、「資本論」で成功し、その地位を確立した。

 

 

そんな父親を持つエリノアも、その演説は素晴らしいものがあり、女性ながら、たくさんの人を前に演説をして、労働者の権利を訴えていました。しかし、彼女の欠点は、ダメ男に入れ込んでしまうこと。彼女が好きになったエドワード・エイヴリングは、経済的な認識が欠落しており、いくらお金を使っても、借金をしても、どこかからお金は湧いてくるとでも思っているような男性でした。女性にもだらしがなく、エリノアと同棲を始めた時も、妻との離婚は成立していませんでした。

 

その後、妻が無くなり、お互いに独身となりましたが、二人は結婚せず、そのために、エイヴリングは遊び歩き、自分が書いた小説のペンネームを使って、どこかの女性と結婚をしたりと、酷い生活を送っていました。しかし、等のエイヴリングには、全く罪悪感は無く、エリノアの元に戻っては、彼女に愛しているとつぶやいていたんです。酷い男でしょ。私なら、絶対に好きにならない男です。

 

 

エリノアも、たくさんの周りからの助言により、彼の悪い部分は知っており、別れなさいと言われていましたが、別れなかったようです。だって、組合の依頼で旅行に出て、豪華なホテルに泊まり、豪華な食事、部屋にはたくさんの花束を飾り、それを全部経費で落とそうとするんです。あり得ないでしょ。何度も問題になり、組合からの仕事は無くなります。エリノアも、父親の名前により仕事を貰っていたのだと思いますが、さすがに、エイヴリングの借金を返せるわけもなく、借金だらけだったようです。

 

確かに、エリノアは、亡くなった父親の変わりに資本主義などを語り、運動家として活動していたのだろうと思いますが、この時代に、男性と肩を並べて、同じだけの収入を得るのは無理だったと思います。エイヴリングは、全く働く気は無いような人物で、本は出版していましたが、話題にもならないものだったようです。

 

 

とにかく、エイヴリングは酷い男だったので、映画では、ただただ、エリノアが振り回されて、心を病んでいったというように見えました。とても聡明で、父親の後を継ぐのは彼女だというように見えていたのですが、まだまだ、時代は女性に厳しく、カール・マルクスの娘ということで、活動の前面に出ていましたが、それほど力は無かったように思えました。もちろん、エリノア本人は、とても頭が良かったのだと思いますが、ダメンズウォーカーでは、信用が無くなっていきますよね。

 

生活の中で鬱屈したエリノアは、何故か、ロックを聞き、狂ったように踊っていました。きっと、映画の監督が、彼女の心の表現を、そのように描いたのだと思います。でも、私には、とてもアンバランスに見えました。エリノア・マルクスという人物には、興味を惹かれましたが、あまり映画としては、どうなのかなぁ。私にはダメンズ好きな、プライドの高い女としか映りませんでした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。カール・マルクスを知っている方は多いと思いますが、彼の娘の半生は、あまり知られていないので、楽しめると思います。でも、ちょっと構成が粗いので、見難いかなと思いました。酷い夫なので、ムカついても、それは家に持ち帰らないでくださいね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ミス・マルクス」