フランス映画祭in横浜で「東洋の魔女」を観ました。
原題「LES SORCIÈRES DE L'ORIENT」
ドキュメンタリー映画なので内容は、
1964年10月、戦後復興の象徴として開催された東京オリンピック。メダルラッシュに日本国民が熱狂する中、圧倒的な実力を見せたのが女子バレーボール代表だった。インパール作戦に従軍し、奇跡の生還を果たした大松博文監督率いる代表チームのメンバーは、その大半が紡績工場で働く工員で、連日深夜まで徹底的な特訓を受ける生活を送った。その結果、彼女たちは世界から「東洋の魔女」として恐れられる存在となった。
というお話です。
まず、どうして日本のバレーボールチームのドキュメンタリー映画を、フランスの監督が映画化してくださっているのかって事じゃないの?不思議だと思いませんか?凄く面白い映画になっていましたよ。この映画を観て、ホントに日本の映画界は、見る目が無いんだなと思いました。
だって、日本国内にこんな凄いチームがあったのに、一度も映画化とかっていう話が無いなんて驚いちゃいますよ。映画界の人たちって、自分の国が好きじゃないのかしら。身近に沢山の良い題材があるのに、誰も映画化しようと思わないし、どこの会社もお金出そうとしない訳でしょ。
バレーボールだけじゃなくて、スポーツで凄い人って、日本に沢山いるのに、誰もドキュメンタリー映画にしようとか思わないのかな?まず、今なら羽生選手のドキュメンタリー映画を撮るべきじゃないの?それに、フェンシング、マラソン、野球、水泳などなど、素晴らしい選手が沢山いるのに、全くそういう話は無いのかしら。まず、日本なら羽生選手がトップじゃないの?やっぱりね、オリンピックとかで、メダルを取った人をドキュメンタリー映画にすべきでしょ。トップじゃなければ、TVスペシャルでも良いけど、やっぱり金メダリストに輝いた方は映画にして撮っておいて欲しいと思うなぁ。ドキュメンタリーだけじゃなくて、伝記映画でも良いし、なんか、そういう人達をリスペクトした作品を作ろうと思わないのかしら。
話しを戻して、この「東洋の魔女」と呼ばれた日紡貝の選手の方々ですが、まだ20歳そこそこだったそうで、朝8時頃から働いて、昼まで仕事をして、午後にバレーボールの練習をして、深夜までやっていたそうです。今で言えば、パワハラですよね。でも、戦後の時代、誰もが必死で働いて、日本の復興という目標を掲げていたそうです。凄く昔の事なので、イメージが湧きませんが、こういう時代だったそうです。
そして、世界を相手に、勝ち続けたバレーボールチームは、日本人の心を元気にしたそうです。映画の中に、アニメ「アタックNo.1」の映像が何度か出てきますが、あのアニメの中で、ソ連チームと戦っている世界選手権とかが描かれているんですね。うーん、初めて知りました。アタックNo.1は観たことがありますが、あまりに子供だった為に、バレーボールというものは認識していたものの、相手の国とかは、全く解っていなかったんです。
というか、ロシアじゃなくて、ソ連なんですよね。こう考えると、世界って、凄く変わっているんだなって思いました。でも、この時代、あの身体が大きく力も強そうなソ連人に勝っていたというのが、凄くありませんか?今みたいに、科学的な解析や戦略をしていなかった頃は、力勝負でしょ。そこで勝っていたというのは、凄い事だと思いました。
映画の中で、全部で257連勝していたという解説が出てきて、257連勝って、どういうこと??と思いました。年間、何試合していたのかしら。恐ろしい数字ですよ。見たら、そんなに大きな選手ばかりじゃないんですよ。今の日本人の平均よりも全然小っちゃい選手ばかりで、驚きました。睡眠時間も少なく、今のようにプロテインも無い時代でしょ。どうやって筋肉をつけていたのかしら。本当に、驚くような事ばかりでした。
それと、驚いたのが、結婚適齢期だから引退するっていう言葉です。今の時代、結婚など二の次でしょ。やりたい事があったら、そっちを優先する時代に、結婚する年齢だから、みんなで引退しましょうって、監督が言うって、それセクハラでしょって思っちゃいました。いやいや、そういう時代だからそうなんでしょうけど、日本って、そういう国だったんだぁと思いました。みなさん、だから、20代前半で辞めて、結婚をされたようです。
会場に、東洋の魔女のチームの方が4人いらしてくださって、少しお話をしてくださいました。80歳過ぎくらいの方々ですが、お元気でしたよ。まだまだ頑張って、お話を聞かせていただきたいです。
色々、自分の国の事ながら、知らないことがいくつもあって、驚くばかりでした。産まれる前の話だからと言っても、TVドラマや、ドキュメンタリー映画があれば、こうやって知ることが出来るんです。映画界の方々、自分の国を、もう一度、見直すべきじゃないんですかね。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。世界大会で勝ち続けて、遠征で世界を周り、オリンピックで金メダルを取ったなんて、ビックリしちゃうようなお話ですが、本当なんですよね。今の羽生選手レベルですよ。この映画、観れて、本当に良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「東洋の魔女」