「ボクたちはみんな大人になれなかった」を観てきました。
ストーリーは、
1995年、ボクは彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。彼女の言葉に支えられ、がむしゃらに働くボクだったが、1999年、彼女はさよならも言わずに去ってしまう。ボクは志していた小説家にはなれず、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続ける。2020年、社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかの再会をきっかけに“あの頃”を思い出す。
というお話です。
2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す。
1995年、ボクは彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」。初めて出来た彼女の言葉に支えられ、がむしゃらに働いていた。仕事に追われ、食事も出来ないほど働いたが、それはきっと、この努力が報われる日が来ると思っていたからだ。いつの日か、自分のやりたい事が出来ると思っていたからだった。
1999年、ノストラダムスの大予言に反して地球は滅亡せず、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった。突然の別れはショックだったが、それを感じる暇もない程、働かされ続けた。
志した小説家にはなれず、それなりに女性関係があり、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続けたボクにも、時間だけは等しく過ぎて行った。そして、ふと、思い出す。あの頃は、夢があり、こんな大人になるなんて思いもよらなかった。いや、大人になれなかったのかもしれない。ただ、子どもの延長線に立っているだけなのかも。”普通”の人生って、なんなんだろう。 後は、映画を観てくださいね。
この映画、私は映画館に観に行ってしまったのですが、ネトフリで配信している映画です。これは、配信で観ても良いと思いました。内容は良い作品だと思いますが、アクションや大きな動きがある訳ではなく、じーんと感動する場面が多いので、自分のテリトリーでゆっくり観る方が、より、感動するかもと思います。私も自宅に帰って来て、再度観たのですが、自宅で横になって観る方が、主人公の気持ちが感じられました。
この映画を観ると、主人公が自分と重なって、あの頃は面白かったなぁとか、若気の至りで失敗も沢山も沢山したなぁとか、そんな事を思い出します。今となっては、失敗も良い経験だったのだと受け止められますが、その頃は必死で、失敗が恥ずかしくて、人より遅れるのが心配で、焦ったりして。でも、若かったからこそ、あんな経験が出来たのだろうと思うと、懐かしいです。
主人公の佐藤は、ホテル街の坂で、ふと、昔の彼女を思い出すんですよね。まだ20代で、自分を解かってくれる優しい彼女。彼女だけが、自分の味方のように感じて、周りは敵だらけ、ライバルだらけに見えているんです。きっと、自分には才能があると信じていて、彼女も信じてくれていると思っていて、この才能が開花すれば、きっと二人で幸せな生活が送れるのだろうと夢見て、必死で仕事を頑張っているんだけど、段々と優先順位が変わって来てしまい、彼女と一緒に居るための仕事なのに、仕事の合間に彼女に会うようになってしまう。
これって、誰もが感じる事だと思うけど、恋愛と仕事のバランスって、上手くやるのは難しいんですよ。だって、どちらも必死でやらないと、自分の手から離れちゃうんですから。そのバランスが上手く取れるようになるという事は、どちらかをある程度、手が抜けるようになったということで、私は、その手を抜くことが出来るようになることが、大人になる事なのかなって思うんです。
恋愛は、お互いに必死にならずに距離を取った付き合い方になり、仕事はある部分は人に任せられるようになるんじゃないかな。でも、それって、ちょっと寂しいですよね。恋愛は必死で相手を好きになりたいし、仕事は自分で全部把握していたいし、でも、それを続けて行くことは出来ないと解っている自分もいて、大人って嫌だなぁって思います。必死でドロドロになって遊んでいた自分が好きだったけど、仕方ないのかな。
この原作者の方もインタビューでおっしゃってたけど、大人になれなかったって言ってるオッサンの自分に、うそぶきたくてつけたタイトルだそうです。凄く解るなぁって思います。上手く生きているつもりでも、気が付くと、全然面白くないじゃんっていう自分もいて、これが年を取るって事なんだろうけど、大人になりたくなかったなって思っちゃうんです。なれなかったんじゃなくて、なりたくなかったんだけどオバサンになっちゃったのよ。でも、心は大人でいたくないの。だから、昔は良かったなぁって、思い出すんです。
佐藤が昔を思い出したきっかけが、付き合っていた元カノ・かおりのSNSを見つけて、普通に結婚して母親になっている彼女を見てなんです。彼女は若い頃は、普通になりたくないって言っていたけど、普通に大人になっていて、それがきっかけなんです。その後、若い頃に上手く立ち回れなくて上司を殴ってしまい会社を辞めた関口という佐藤の同僚が、大きな会社の社長になっていたり、ゲイバーのママが普通の男性になっていたり、時間が人を変えていくのを目の当たりにして、自分を顧みることになるんです。
この映画を観ると、何とも言えない気持ちになり、自分と主人公を重ねてしまいます。でもね、昔の事を懐かしんでも何も変わらないから、前を向いていた方が良いですよね。前を向いて、コロナに気を付けて生活をしよっと。というか、今朝、ちょっと熱が出ていて、心配になり、仕事も事務所に籠ってやることにして、試写会もお断りしたんです。夜には熱が下がったので、安心しているのですが、また上がってきたら病院に行こうと思っています。でも、まぁ、昨日の雪の中、無理にスパイダーマンを観に行ったのが悪かったと思うんですけどね。(笑) 映画館以外は、人混みに入らないように気を付けているので、大丈夫だと思うんだけどなぁ。私事でスミマセン。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、こういう、何となく懐かしい雰囲気の、気持ちを柔らかくしてくれる映画って好きなタイプなんです。森山さんと伊藤さんも好きだし、キャストもとても好みでした。ネトフリでいつでも観れますので、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」